業務効率化の手法とは?種類・フレームワーク・選び方を実践的に整理
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外部のエンジニアに開発を依頼したい。そう考えて探し始めたものの、条件に合う人がなかなか見つからない。そんな状況に心当たりのある方は少なくないのではないでしょうか。
当社および当社グループが実施した2つの調査を突き合わせると、この「見つからない」という状態の背景が少し違って見えてきます。一つは発注する側である中小・ベンチャー企業の経営者・役員108名への調査、もう一つは年収800万円以上を得ている40〜50代のフリーランスエンジニア100名への調査です。
発注側では7割が人材面の悩みを抱えている一方で、その解決手段になりうる外部人材を6割が活用できていないという結果が出ています。同時に、供給側には企業が求める条件と重なる経験を持つ層が存在していました。
本記事では、両者の回答を並べながら当社独自の見解で「見つからない」の正体を整理し、そのうえで発注前に確認すべき4つの見極め基準をご紹介します。
【調査概要】
・調査A:フリーランスエンジニア活用に関する実態調査(2023年9月/従業員100〜500名未満の企業の経営者・役員 108名)
・調査B:ミドルシニア層のフリーランスエンジニアに関する実態調査(2025年6月/40〜50代・年収800万円以上のフリーランスエンジニア 100名)
※本記事で紹介する数値は、いずれも上記の回答者から得られたものです。IT業界全体や外部人材市場全体の傾向を示すものではありません。
調査結果を並べて見えてきたのは、「条件に合う人材がいない」というより「条件に合う人材の見つけ方を持っていない」という状態でした。人材が市場から消えたのではなく、探す層・見極める基準・探す場所・条件の設計のいずれかが、実態と噛み合っていないだけだと考えられます。
この記事で扱うのは、次の4点です。
① 探す層 ② 見極める基準 ③ 探す場所 ④ 条件の設計
それぞれについて、なぜそう言えるのか、何をどう変えればよいのかを本文で順に見ていきます。
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まず、発注企業の実態を確認します。調査Aでは、人材の悩みを抱えている企業の割合と、外部人材の活用状況との間に、「ねじれ」が見られました。
自社のIT分野やエンジニア人材に関して悩みがあるかを尋ねたところ、「非常に悩みがある」「やや悩みがある」を合わせて70.4%という結果でした。回答した企業の7割が、何らかの課題を感じていることになります。
悩みの内容は次のとおりです。
悩みの内容 | 割合 |
|---|---|
人材が不足している | 78.9% |
専門性の高い分野に対応できない | 43.4% |
スキルが属人化している | 36.8% |
「人が足りない」だけでなく、「専門領域に対応できない」「特定の人に依存している」という声が続いています。単純な頭数の問題というより、必要なスキルを持つ人にたどり着けていない状態がうかがえます。
出典:調査A(Q1/Q2・複数回答) n=108
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では、その解決手段として外部人材を活用しているかを尋ねると、「活用していない」が61.1%でした。人材不足に悩む企業が7割いる一方で、外部人材を使えていない企業が6割いる、という結果になります。
活用していない理由として挙がったのは、次のような項目でした。
活躍していない理由 | 割合 |
|---|---|
条件に合う人材が見つからない | 33.3% |
自社に合う人材が不明確 | 28.8% |
即戦力となる人材が見つからない | 25.8% |
注目したいのは、「該当する人材が存在しない」という回答ではなく、「見つからない」「わからない」という言葉が並んでいる点です。市場に人がいないという認識ではなく、たどり着けない・定義できていないという状態を示している可能性があります。
出典:調査A(Q4/Q5・複数回答) n=108
はじめに見直したいのが、①の「探す層」です。
「見つからない」理由を市場側に求める前に、自社が設定している条件を確認しておきたいところです。当社が2022年と2025年に実施した企業向け調査を比べると、企業が求める人材像がほとんど変わっていないことが見えてきました。
外部委託エンジニアに求める年齢層を尋ねた設問では、大企業・中小企業のいずれでも「30代」が最も多く選ばれています。
2022年 | 2025年 | |
|---|---|---|
大企業(従業員500名以上) | 55.4% | 50.9% |
中小企業(従業員500名未満) | 56.7% | 49.4% |
割合はやや下がっているものの、最多の座は3年以上にわたって動いていません。多くの企業が同じ層に目を向けている以上、その層で「条件に合う人が見つからない」と感じるのは自然な帰結ともいえます。
つまり、見つからない原因は市場に人がいないことではなく、需要が一部の層に集中していることにあると考えられます。
出典:調査C・D(2025年11月)/調査E・F(2022年1月)「求める年齢層」設問
一方で、同じ調査でエンジニアに求める要素を尋ねると、最も多かったのは年齢ではありませんでした。
求める要素(最多項目) | 大企業 | 中小企業 |
|---|---|---|
即戦力としての実務経験 | 66.4% | 67.4% |
チームや顧客と円滑に連携するコミュニケーション能力 | 46.5% | 37.4% |
論理的に状況を整理し判断する力 | 42.0% | 32.1% |
複雑な問題を分析し解決する能力 | 41.2% | 41.6% |
法令や規則を遵守するコンプライアンス意識 | 36.7% | 26.8% |
最新技術を把握し情報を集める力 | 36.3% | 18.9% |
専門領域の技術に精通するスキル | 35.4% | 23.2% |
ビジネスマナーを理解し実践できる力 | 29.6% | 28.9% |
データを解析し戦略に活かす力 | 27.4% | 20.5% |
チームやプロジェクトを管理する力 | 24.8% | 21.6% |
旧式システムの言語にも対応できるスキル | 18.6% | 5.8% |
求めているのは「即戦力としての実務経験」でありながら、条件としては「30代」を指定している。この2つは必ずしも一致しません。実務経験の量という観点で見れば、より経験年数の長い層のほうが要件を満たしている場合もあります。
求めている中身と、指定している条件がずれている。そう考えると、次に見るべき層が変わってきます。
出典:調査C・D(2025年11月)「エンジニアに求める要素」設問・複数回答
ここでは、発注側が十分に着目できていない40〜50代の実態を取り上げます。調査Bでは、年収800万円以上の40〜50代のフリーランスエンジニア100名に自身の強みや働き方について尋ねました。
若手エンジニアと比較したときの自身の強みとして挙げられたのは、次のような項目でした。
ミドルシニア層の強み(自己認識) | 割合 |
|---|---|
専門知識・業務理解の深さ | 64.0% |
経験年数 | 49.0% |
トラブル対応力 | 41.0% |
マネジメント経験 | 33.0% |
信頼関係の構築力 | 33.0% |
前章で見た、企業が求める「即戦力としての実務経験」(大企業66.4%/中小企業67.4%)と照らし合わせると、内容が重なっていることが分かります。専門知識の深さも、トラブルへの対応力も、実務を長く積み重ねた結果として身につくものです。
企業が求めているものを持っている層が、年齢という条件によって候補から外れている。そうした構図が生まれていると考えられます。
出典:調査B(Q4・複数回答) n=100 ※回答者自身による評価です
この層がフリーランスという働き方をどう捉えているかも見ておきます。「フリーランスエンジニアになって良かったと思うか」という設問では、「とても良かった」「まあ良かった」を合わせて80.0%でした。
良かったと感じる点 | 割合 |
|---|---|
自分の裁量で仕事ができる | 67.5% |
収入が増えた | 66.2% |
裁量を持って働けること、収入が増えたことが上位に挙がりました。回答した100名の8割が転身を前向きに評価しており、フリーランスとして働き続ける意思を持つ層が一定数いることが分かります。
市場から人が消えたのではなく、企業側が見る範囲を狭めている点に要因があると考えられます。調査結果はそう読める内容でした。
出典:調査B(Q2/Q3・複数回答) n=100
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探す層を広げても、見極める基準がなければ判断できません。
ここからは②の「見極める基準」として、発注前に確認しておきたい4つの基準を見ていきます。
手がかりにしたのは、調査Bで「クライアントからどのような点を評価してもらえていると思うか」を尋ねた設問です。実際に継続的に仕事を得ているフリーランスが、自分のどこが評価されていると捉えているか。これを発注側の視点に読み替えると、見極めの基準として使えます。
※以下の数値は、フリーランスエンジニア本人による自己評価です。クライアント側の評価を直接測定したものではない点にご留意ください。
評価されていると感じる点 | 割合 |
|---|---|
高品質な成果物の提供 | 46.0% |
要件を把握したうえでの+αの提案 | 43.0% |
成果物の品質に次いで挙がったのが、「要件を把握したうえでの+αの提案」でした。言われたとおりに作るのではなく、なぜその要件なのかを理解したうえで、より良い方法を提示できるかという点です。
発注前の面談で確認するとすれば、次のような聞き方が考えられます。
・過去の案件で、当初の要件をそのまま実装しなかったケースはあるか。あるとすれば、なぜそう判断したか
・要件の背景や事業上の目的を、どのタイミングで確認しているか
技術要素の一覧を確認するだけでは、この観点は見えてきません。過去の判断について具体的に聞くことで、要件を咀嚼する姿勢があるかを推し量りやすくなります。
出典:調査B(Q7・複数回答) n=100 ※回答者自身による評価です
同じ設問では、進め方や対応の質に関する項目も上位に並んでいました。
評価されていると感じる点 | 割合 |
|---|---|
円滑なコミュニケーション | 40.0% |
トラブルへの迅速な対応 | 40.0% |
長期的な信頼関係の構築 | 38.0% |
納期の厳守 | 37.0% |
技術力そのものよりも、進め方と対応の質に関わる項目が並んでいる点が特徴的です。開発は想定どおりに進まないことがあるため、問題が起きたときにどう動くかが、結果的な評価を左右しているとも考えられます。
この観点を確認するには、次のような質問が有効かもしれません。
・直近の案件で想定外の問題が起きたとき、誰に、どのタイミングで、何を共有したか
・同じクライアントと継続して取引した経験はあるか。継続につながった要因は何だと考えているか
出典:調査B(Q7・複数回答) n=100 ※回答者自身による評価です
最後に、発注側が「どのような人材・サービスがあれば活用したいか」と考えているかを見ておきます。
活用したいと思う人材の要件 | 割合 |
|---|---|
即戦力としての実務経験がある | 45.5% |
経験が豊富である | 27.3% |
円滑なコミュニケーションが取れる | 25.0% |
実務経験、経験の豊富さ、コミュニケーション。前の2つの見出しで見た、供給側が「評価されている」と感じている項目と、方向性が重なっています。
求めているものと、実際に評価されているものは、大きくずれていないようです。ずれているとすれば、それは「どう見極めるか」の部分ではないでしょうか。スキルシートに並ぶ技術要素からは、上に挙げた行動特性は読み取りにくいためです。
出典:調査A(Q8・複数回答) n=108
見極める基準を持っていても、③の「探す場所」が合っていなければ出会えません。外部エンジニアの発注方法にはいくつかの選択肢があり、それぞれ性質が異なります。
発注方法 | コスト | スピード | 選定の手間 | 人材の質 |
|---|---|---|---|---|
クラウドソーシング | 抑えやすい | 早い | 自社で対応 | ばらつきが大きい |
フリーランスエージェント | 仲介手数料が発生 | 比較的早い | 任せられる | 事前の選定あり |
ダイレクトリクルーティング | 媒体費が中心 | 時間がかかる | 自社で対応 | 自社基準で判断 |
リファラル(紹介) | 抑えやすい | 機会次第 | 少ない | 紹介者の信頼に依存 |
コストを抑えられる手段は自社に選定の手間が残り、選定を委託できる手段は仲介手数料が発生します。優劣ではなく、「何を自社で行い、何を外部に任せるか」の役割分担として捉えることが適切です。
前半で見た「活用していない理由」と重ねると、自社に向いている手段が見えてきます。
自社の困りごと | 向いていると考えられる手段 |
|---|---|
条件に合う人材が見つからない | 選定を任せられる手段(エージェント等) |
自社に合う人材が不明確 | 要件の整理から相談できる手段 |
即時の採用が困難 | 稼働までのリードタイムが短い手段 |
チーム単位での確保が困難 | 複数名をまとめて提案できる手段 |
「条件に合う人材が見つからない」という状態は、探す手間の問題であることが少なくありません。その場合、探す作業そのものを外に出すという選択肢があります。一方で「自社に合う人材が不明確」であれば、探し方を変える前に要件を整理する必要があり、向き合うべき課題が異なります。
契約形態についても、企業側の姿勢に変化が見られます。
「派遣・準委任のどちらでも可」と回答した割合 | 2025年 | 変化 |
|---|---|---|
大企業(従業員500名以上) | 48.7% | +2.5pt |
中小企業(従業員500名未満) | 49.5% | -4.0pt |
約半数の企業が契約形態を限定していないという結果でした。しかもその割合は増加しています。
契約形態を絞れば、その分だけ候補は狭まります。人材を確保できている企業ほど、手段や契約形態を限定していないと考えられます。
出典:調査C・D(2025年11月)/調査E・F(2022年1月)「契約形態」設問
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最後に見直したいのが、④の「条件の設計」です。活用していない理由の第2位だった「自社に合う人材が不明確」に触れておきます。この項目は、他の理由とは性質が異なります。
「条件に合う人材が見つからない」「即時の採用が困難」は、いずれも市場や外部環境に関する認識です。これに対して「自社に合う人材が不明確」は、自社の内側に関する回答といえます。
何を任せたいのか、どこまでを求めるのか、どのスキルは必須で、どれは代替可能なのか。ここが定まっていないまま探し始めると、候補者を見ても判断できず、結果として「見つからない」という状態が続きます。
探す前に、要件を言語化できているかを確認しておきたいところです。
出典:調査A(Q5・複数回答) n=108
条件の設計については、企業規模による違いも見られました。
「経験5年以上」を求める割合 | 2025年 | 変化 |
|---|---|---|
大企業(従業員500名以上) | 63.2% | 上昇 |
中小企業(従業員500名未満) | 54.8% | −8.1pt |
中小企業では、経験年数の要件を下げる動きが出ています。求める条件を調整しながら人材を確保しにいっている、と読める結果です。
要件を下げることが常に正解というわけではありません。ただ、必須と考えている条件のうち、実は代替できるものがないかを見直すことで、選べる母数は広がります。
出典:調査C(2025年11月)/調査D(2025年11月)「求める経験年数」設問
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2つの調査を並べて見えてきたのは、発注側が求めているものと、実際に評価されているエンジニアの特性が、大きくはずれていないという点でした。それでも「見つからない」という状態が続いているのであれば、原因は市場よりも探し方の側にあると考えられます。
変えるポイント | 具体的な見直し方 |
|---|---|
① 探す層 | 年齢ではなく、実務経験を軸に探す |
② 見極める基準 | 技術要素ではなく、要件の理解・提案・対応速度・継続性といった行動特性で見極める |
③ 探す場所 | 自社の困りごとに合った発注方法を選ぶ |
④ 条件の設計 | 必須要件と代替可能な要件を分け、言語化してから探し始める |
4つすべてを一度に変える必要はありません。自社がどこでつまずいているかによって、着手すべき箇所は変わります。
どういう人材が、どの条件で、どのくらいの単価で動いているのか。こうした情報は、日々市場に接していないと把握しづらいものです。
自社だけで人材要件を設計し、探して、見つからず、また要件を組み直す。このサイクルを繰り返すより、要件を固める段階で市場を知る外部の視点を入れたほうが、結果的に手戻りを減らせる場合があります。
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