Notionの情報一元管理を自動化!方法や活用術を解説
全般
ERPのクラウド活用に関して、メリットや注意点を含めた選び方のポイントを詳しく解説しています。クラウド型ERPの特徴や導入時の注意点を理解することで、自社の業務効率化に役立つ最適なシステム選びにつながる情報を得られます。
業務の効率化や経営判断の迅速化を目指す企業にとって、ERPの導入は避けて通れない重要なテーマです。中でも注目されているのが、従来のオンプレミス型に加えて登場したクラウド型ERPです。
しかし、クラウド型とオンプレミス型には多くの違いがあり、自社に最適な選択を行うためにはそれぞれの特徴・利点・注意点を理解する必要があります。特に中小企業やスタートアップ企業にとっては、初期費用や運用面の負担、柔軟性などが導入判断のポイントとなるでしょう。
本記事では、クラウド型ERPとはどのようなものか、そしてオンプレミス型との違いを4つの観点から丁寧に解説していきます。自社の事業フェーズやIT環境に適したERPを選ぶ際の参考となり、業務改善やデジタル化推進に向けた一歩を踏み出す助けになります。

クラウド型ERPとはクラウド上に構築された基幹業務システムを指し、インターネット経由でアクセスして利用する仕組みです。従来のオンプレミス型ERPと異なり、企業が自社でサーバーやインフラを管理する必要がなく、運用の負担を軽減できる点が特徴です。
多くのクラウド型ERPはSaaS(Software as a Service)として提供され、サブスクリプション方式で定額料金を支払えば、常に最新の機能を利用できます。
また、クラウド型ERPは複数拠点からのアクセスが容易であり、リモートワークや外出先での利用にも柔軟に対応できることがポイントです。業種や業務規模に応じたスモールスタートも可能なため、変化の激しいビジネス環境においてクラウド型ERPは選択肢の1つとして広く検討されています。
クラウド型ERPとオンプレミス型ERPの違いを正しく把握することは、自社にとって最適なERPを選ぶために必要です。両者は、導入形態、初期コストと運用コスト、カスタマイズ性、アップデートやメンテナンスについて明確な差があります。これらの違いを理解することでERP選定における判断軸が明確になり、導入後の運用負荷やコスト面でのリスクを回避できます。
ここでは、それぞれの観点から具体的に解説します。
オンプレミス型ERPはシステムを自社のサーバーやネットワーク環境に構築する形式であり、導入には専門知識や大規模な準備が必要です。
対してクラウド型ERPはベンダーが提供するクラウド環境上で利用でき、ユーザーはインターネットに接続するだけでアクセスが可能です。オンプレミス型はセキュリティ面での管理を自社で行える反面、ハードウェアの保守や運用の負担が大きくなります。
一方、クラウド型は導入スピードが速く、ソフトウェアのインストール作業も不要です。導入にかかる期間が短くなるため、新規事業や急成長中の企業にとっても扱いやすいのがポイントです。利用開始までのプロセスが簡素であり、担当者が少人数でも対応できる点は魅力となるでしょう。
ERPの導入に際して多くの企業が関心を持つのがコスト面です。オンプレミス型は自社でサーバーを準備してシステムを一括購入するケースが一般的で、初期費用が高額になることがあります。加えて、保守やアップデートにも継続的な人件費や外注費がかかるので注意しましょう。
一方、クラウド型ERPは月額または年額の定額料金で利用できることが多く、初期費用を抑えながら導入が進められます。また、クラウド型はシステムの維持や管理をベンダー側が担うため、社内リソースを節約できるのがメリットです。ただし、長期的な利用を見越した場合、累計コストの試算は慎重に行う必要があります。導入直後だけでなく、5年後10年後のランニングコストも視野に入れて検討することが大切です。
ERPの導入を検討する際、業務プロセスに合わせた柔軟なカスタマイズが可能かどうかは重要です。オンプレミス型ERPは、システム全体を自社の要件に沿って細かくカスタマイズできる点が強みです。
特に、複雑な業務フローや独自の管理手法を取り入れている企業にとっては、柔軟性の高さがメリットとなります。一方で、クラウド型ERPはベンダーが提供する標準機能の範囲内での運用が基本となるため、カスタマイズの自由度は比較的低い傾向があります。
ただし、最近ではクラウド型でもAPI連携やアドオン機能の活用により、一定の柔軟性が確保されるようになっているのがポイントです。業務の標準化や効率化を重視する企業であれば、クラウド型でも十分に対応できます。どの程度のカスタマイズが必要かを事前に明確にすることで、ERPの選定におけるミスマッチを防げます。
ERPは導入後の運用が長期間に及ぶため、アップデートやメンテナンスの体制が大切です。クラウド型ERPでは定期的な機能追加やセキュリティパッチがベンダーによって自動的に行われるため、常に最新の状態で運用を継続しやすい点がメリットです。
また、ユーザー側の作業負担が少ないことも特徴です。これにより、IT部門のリソースを他の業務に振り分けやすくなります。一方、オンプレミス型ERPでは、アップデート作業を自社で実施しなければならない点が特徴です。これには、バージョン管理やシステムの整合性確認といった複雑な作業が伴い、人的・時間的コストが発生します。
保守性やセキュリティの観点からも、アップデート対応はERP運用における課題となるため、導入前にしっかりと比較検討することが推奨されます。
クラウド型ERPは従来のオンプレミスとは異なる価値を提供し、企業運営をより柔軟・迅速に推進したい組織には特に魅力的な選択肢となっています。初期導入の負担が少なく、専門的なIT知識を持たない現場でも扱いやすい点は導入のハードルを下げる要因となりえるでしょう。
ここではクラウド型ERPだからこそ得られる具体的な利点を4つ取り上げ、その魅力的な特徴を詳しく見ていきます。
クラウド型ERPは初期投資を必要とするオンプレミス型とは異なり、サブスクリプション型の料金体系が主流です。ソフトウェアの購入費用やサーバー構築などの準備コストを軽減し、月次や年次単位での支払いに分散できるため予算の調整がしやすくなります。
また、初期導入に伴うインフラ整備やライセンス契約などの手間も最小限に抑えられます。その結果、小規模事業や新規プロジェクトでも導入ハードルが下がり、ERPを活用した業務改善のトライアルが進みやすい環境となるでしょう。
コスト負担と手間を抑えつつ、早い段階でシステムの効果を検証したい企業にとって、クラウド型ERPの導入は現実的な選択肢といえるでしょう。
クラウド型ERPはベンダーがインフラ管理を担うため、システム導入後の運用にかかる専門知識を社内で準備する必要がほとんどありません。専門IT部門が小規模でもERPを開始でき、現場の負担を軽減しながら運用をスタートできます。
また、各社のERPベンダーはオンラインマニュアルやヘルプ機能、ユーザー向けサポートを充実させており、初めてERPを使う社員でも操作を学びやすい環境が整っています。システム移行や初期教育のスピードも速くなり、早期に定着させることにつながります。
こうした手軽さは、特にリソースに限りがある企業やIT体制が整っていない組織にとって、導入メリットです。
クラウド型ERPの利点の1つが、インターネットにつながる端末さえあれば場所を問わずに業務にアクセスできる点です。これにより、支店や営業先、在宅や出張先からも即時に情報へアクセスできます。
オフィス外にいる社員も本社や拠点間と同様にリアルタイムで業務を進められるため、働き方の柔軟性が高まります。特に近年、リモートワークやフレキシブルな勤務形態が増える中では、このアクセス性がクラウド型ERPを選ぶ理由の1つです。
事業の拠点が複数あり統一した業務基盤を求める企業や、急なスケジュール変動に対応しなければならない現場には、クラウド型ERPの柔軟なインフラ特性が大きな利点といえるでしょう。
クラウド型ERPでは、ベンダー側によって定期的なソフトウェアアップデートやバグ修正、保守作業が自動的に行われる仕組みが整っています。これにより、社内でのメンテナンス作業やアップデート対応の負荷が削減され、非稼働時間の削減や安定した運用を確保しやすくなります。
さらに、最新のセキュリティ強化や機能追加がタイムリーに反映されるため、常に安全で最新の状態を維持できます。一方、オンプレミス型ではこうした対応を自社で計画・実行する必要があり、人的リソースや専門知識を必要とするため負担が大きくなりがちです。
ベンダーの保守体制を活用した安定運用は、特にITリソースが限られている中小企業にとって導入メリットとなります。

クラウド型ERPは製造業や流通業、サービス業など、多様な業種で幅広く採用されています。近年では中小企業から大企業まで規模に関係なく導入が進んでおり、業務効率化や情報管理の最適化を目指す企業に注目されています。これらのシステムは業種ごとのニーズに応じた機能を備えているだけでなく、柔軟な拡張性や最新技術への対応も特徴です。
ここでは、導入実績が豊富な代表的なクラウド型ERPを3つ取り上げ、それぞれの特徴や活用のポイントについて詳しく解説します。
NetSuiteは米国のOracle社が提供するクラウド型ERPで、世界42,000社以上で導入されているグローバル対応の製品です。販売管理・在庫管理・財務会計・顧客管理など企業活動に必要な機能を一元化して提供しており、多国籍企業にも対応できるマルチカンパニー・マルチカレンシー機能を搭載しています。
加えて、定期的なアップデートにより常に最新の業務環境を維持できる点も利点です。業種や業態を問わず、急成長する企業やグローバル展開を目指す企業にとって柔軟性と拡張性を兼ね備えた選択肢となるでしょう。公式サイトでは業種別テンプレートも用意されており、スムーズな初期導入を実現しています。
出典参照:NetSuite|日本オラクル株式会社
GRANDITは、複数のIT企業によって構成されたコンソーシアム方式で開発・提供されている日本発のERPです。基幹業務に求められる財務・販売・生産・人事などの機能を統合し、業種や業務プロセスに応じて柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。
独自のWeb-ERPアーキテクチャを採用しており、スマートデバイス対応やマルチブラウザ対応にも力を入れています。日本企業の商習慣に応じた設計となっており、国内中堅企業を中心に高い導入実績があります。
ERPを単なる業務管理ツールにとどめず、企業全体の情報戦略を支える基盤として位置づけたい企業に適した選択肢といえるでしょう。ユーザー企業同士が意見交換を行えるコミュニティ機能も備え、継続的な製品改善にもつながっています。
出典参照:GRANDIT|インフォコム株式会社
Infor SyteLineは製造業向けに特化したクラウド型ERPで、多品種少量生産や受注生産を行う企業に適した設計がされています。特に、工程管理や原価管理など製造業に必要な専門的機能を豊富に備えている点が強みです。
また、オンプレミスとクラウドの両方に対応しており、自社のIT戦略や運用ポリシーに応じた形で柔軟に導入できます。業務プロセスに合わせたカスタマイズ性の高さも評価されており、自社開発チームによる設定変更や拡張が比較的容易な点も特徴です。
UIは直感的に操作できる構造で、各部門がスムーズに業務移行できるよう設計されています。ERPの導入を単なる業務改善にとどめず、製造現場との連携を強化したい企業にとって有力な候補となります。
出典参照:Infor SyteLine|Infor
クラウド型ERPは多くの企業で採用されており、業務効率の向上や情報の一元管理に貢献しています。導入企業の実例を知ることでどのような課題が解消され、どのような成果が得られているのかを具体的に理解できるでしょう。
ここでは、業界をリードする大手企業の導入事例を取り上げ、それぞれの企業がどのような目的でクラウド型ERPを活用し、どのような効果を得ているかを詳しく見ていきます。
ヤフー株式会社は、業務効率化と経営判断の迅速化を目的にERPのクラウドシステムを採用しました。従来の分散管理から脱却し、各部門の情報を一元化したことでデータの整合性が向上しています。リアルタイムでの経営指標の把握が可能となり、変化の激しい市場環境に即応できる体制を整えました。
さらに、従来の手作業中心だったプロセスを自動化することで、ヒューマンエラーの低減や業務のスピードアップにもつながっています。これにより経営層から現場までが共通の情報基盤を共有し、意思決定の質を高める環境が構築されています。
出典参照:データを経営に生かす「データドリブン」の世界へ|日本オラクル株式会社
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社は、オラクル社のクラウドERPを導入してシステム基盤の刷新を図りました。これにより旧来のオンプレミスシステムでの運用負担を軽減し、運用効率の向上が期待されています。クラウド基盤の活用によりシステムの拡張やアップデートがスムーズに行われ、変化するビジネスニーズに柔軟に対応できる体制が実現しました。
また、ITインフラの一元管理と統合により、セキュリティ面でも強化が図られています。クラウド環境を活用したことで内部リソースの集中が可能となり、将来的な運用コストの抑制も見込まれています。
出典参照:パナソニックグループ全社向け社内システムのクラウドデータベース基盤としてOracle Cloud Infrastructureを採用|日本オラクル株式会社
花王株式会社はグローバル展開を見据えてSAPのクラウドERPシステムを導入し、各国の事業拠点を統合管理する体制を整えました。多様な地域の業務プロセスを標準化しながら、現地のニーズにも対応できる柔軟性を持たせることが重視されています。導入後はグローバルな情報共有が促進され、各拠点間での連携強化や経営資源の最適配分に役立っています。
また、運用開始後の定着を図るために継続的な教育とサポート体制も整備し、社員のシステム活用を促進したのもポイントです。こうした取り組みにより、経営の可視化や迅速な意思決定を実現するための基盤作りが進められています。
出典参照:グローバルSAPシステムをエンタープライズクラウドに移行 高速ネットワークでマルチクラウド環境を構築|NTTコミュニケーションズ株式会社
クラウド型ERPは利便性が高い一方で、いくつかの注意点を理解した上で導入を検討する必要があります。ネットワーク環境の影響を受けやすい点やカスタマイズの制約、長期的なコスト面、そしてデータセキュリティの管理といった課題に対応できる体制を整えることが必要です。これらを踏まえて導入計画を策定すると、安定的かつ効果的な運用が期待できるでしょう。
ここでは、4つの注意点を詳しく説明します。
クラウド型ERPはインターネット経由でサービスを利用するため、ネットワークの安定性が大切な要素になります。通信障害や回線の遅延が発生すると、システムのアクセスが制限されたり操作に支障が生じたりするリスクが生まれます。
業務の重要な部分を担うため、通信障害時の影響は生産性の低下や業務停止に直結する可能性があるので注意しましょう。したがって、信頼性の高いインターネット環境の確保や障害発生時の代替手段を検討しておく必要があります。
また、クラウドベンダーが提供するサービスレベル合意(SLA)を確認し、通信障害時の対応体制や復旧スピードを把握しておくことも必要です。こうした準備を整えることで、通信環境の問題による業務停滞をできるだけ避けられます。
クラウド型ERPは標準機能が充実している反面、オンプレミス型に比べてカスタマイズの自由度が制限されやすいです。ベンダーが用意した標準仕様に沿って利用する形が基本となるため、自社独自の業務プロセスや特別な要件に対応しにくいケースがあります。
カスタマイズの範囲が限られると、現場の細かなニーズに応えられず、結果として使い勝手が悪くなる可能性も考えられます。そのため、導入前には業務の標準化やプロセスの見直しを進め、クラウド型ERPの標準機能と照らし合わせて合致度を確認することが望ましいです。
また、必要に応じてAPI連携や追加モジュールの利用を検討し、業務にフィットした運用体制を構築していくことが求められます。
クラウド型ERPは初期導入費用が抑えられる傾向にある一方で、月額や年額の利用料金が継続して発生します。そのため、長期的に見た場合のトータルコストがオンプレミス型を上回るケースも存在します。
特に、ユーザー数の増加や追加機能の利用に伴い費用が膨らむかもしれないため、将来的なコスト負担をシミュレーションしておくことが欠かせません。コスト面の把握が甘いと運用開始後に予算超過となり、経営判断やシステム継続に影響を及ぼすリスクが生じます。
利用料金の体系や契約内容を詳細に確認し、更新時の条件や解約規定も理解しておくことで無理のない運用計画を策定できるでしょう。
クラウド型ERPでは重要な業務データがインターネット経由で保存・管理されるため、情報漏えいや不正アクセスへの対策が不可欠です。セキュリティ対策はクラウドベンダーと利用者双方に責任範囲が存在するため、提供されるセキュリティ機能や運用ルールを十分に把握する必要があります。
暗号化や多要素認証、アクセス制限などの技術的対策が備わっているか、また定期的なセキュリティ監査や脆弱性対応が実施されているかを確認すると安心感が得られます。さらに、国内外の法令や規制に準拠しているかも大切なポイントです。
これらの管理体制を適切に評価し、自社のセキュリティポリシーと照らし合わせて導入判断を行うことが求められます。

クラウド型ERPは業務の効率化と情報の即時共有を実現しやすいシステムとして注目されています。しかし、インターネット環境の影響やカスタマイズ制限、コスト面、セキュリティ管理といった注意点を踏まえた上で活用方法を考える必要があります。
本記事で紹介したポイントを参考に、事前にリスクを把握しつつ最適な選択を目指すと良いでしょう。適切な運用体制を整えることで、変化する経営環境にも柔軟に対応できる基盤を築けるかもしれません。