Make(Integromat)とは?初期設定と自動化できる業務を解説

Make(旧Integromat)は、ノーコードで業務自動化を実現するiPaaSです。この記事では、Makeの基本からプランの選び方、初期設定の3ステップなどを解説します。Makeを活用すれば、手作業を自動化でき、効率化を実現できるでしょう。

日々、業務の効率化や生産性向上を目指す中で、多くの企業がDXに取り組んでいます。その一方で、異なるツールやシステム間でのデータ連携に多くの時間や労力を費やしているケースも少なくありません。このような課題を解決する手段として注目されているのが、複数のアプリケーションを連携させて業務を自動化するサービス「Make(メイク)」です。

Makeは、プログラミングの知識がなくても業務の自動化や効率化を可能にするノーコードのサービスです。データ連携の自動化によって手作業によるミスを減らし、業務プロセスを劇的に改善できる可能性があります。

この記事では、Makeの概要から導入するメリット、初期設定の手順、そして具体的な活用事例まで詳しく解説します。自社のDX促進や業務効率化などを検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

Make(Integromat)とは?

Makeは、iPaaS(Integration Platform as a Service)と呼ばれるサービスです。プログラミングについて深い知識がなくても、異なるWebサービスやアプリケーションを連携させて業務を自動化できます。API連携を視覚的に設定できるため、マウス操作だけで複雑なワークフローを構築できます。

iPaaSとは、複数のクラウドサービスを統合・連携させるためのプラットフォームのことです。

Integromatから名称が変更された

Makeは、もともと「Integromat(インテグロマット)」という名称で広く知られていました。買収されたことをきっかけに現在のMakeへとサービス名が変更されました。この変更により、ユーザーにとってより親しみやすく、分かりやすいサービスになっています。

名称は変わりましたが、サービス内容は引き続き提供されており、Integromat時代に培った機能と使いやすさはそのまま引き継がれています。そのため、旧Integromatのユーザーも、Makeに移行すれば利用可能です。

営業やマーケティングなどバックオフィスで活用

Makeは、営業やマーケティング、人事、経理など、さまざまな部門のバックオフィス業務で活用されています。例えば、営業部門では、顧客管理システム(CRM)に入力された商談情報を、SlackやMicrosoft Teamsのようなチャットツールに自動で通知するなどの使い方が一般的です。これにより、チーム内の情報共有をリアルタイムで行え、営業活動の迅速化につながります。

マーケティング部門では、Webサイトの問い合わせフォームから送信された情報を、自動でスプレッドシートに保存する、メール配信ツールに顧客データを追加するといった作業に活用できます。

Makeが注目される理由

Makeが多くの企業や個人に注目されるのは、現代のビジネス環境が抱える2つの代表的な課題に対応できるからです。具体的には以下のような課題です。

  • DXに対応する人材が不足している
  • 市場や顧客ニーズの変化に応じた素早い開発が必要

業務のデジタル化が進む一方で、それを実行する人材や体制が不足しているという現状があります。Makeは、そうした課題を解決するための強力なツールとなり得るでしょう。

ここではMakeが注目される理由を詳しく解説します。

1.DXに対応する人材が不足している

現在、多くの企業が取り組んでいるのがDXの促進です。一方で、DXを進めるための専門的な知識を持つ人材、特にITエンジニアやデータサイエンティストが不足しているのが現状です。総務省の調査によると、DXを推進するにあたって「人材の不足」を課題として挙げている企業は多く、調査対象企業のうち53.1%にものぼっています。

Makeはプログラミングの知識がなくても、視覚的なインターフェースを使って業務の自動化ができるため、現場の担当者自身がDXを推進できるようになります。

出典参照:令和3年 情報通信白書のポイント|総務省

2.市場や顧客ニーズの変化に応じた素早い開発が必要

今日のビジネス環境は、市場や顧客のニーズが常に変化しており、その変化に素早く対応することが企業にとって不可欠です。新しいサービスや機能を素早く開発し、市場に投入する素早い開発が求められています。

Makeのようなノーコードツールは、従来の開発プロセスに比べて、はるかに短期間でシステムを構築したり、既存のシステムを改修したりできるのが特徴です。例えば、新しい顧客データ分析のニーズが発生した場合、Makeを使えば、既存のツールを連携させて、すぐに新しいデータ分析のワークフローを構築できるでしょう。

Makeを活用する3つのメリット

Makeを導入することで、企業はさまざまなメリットを得られるでしょう。具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

  • 手作業を削減し業務効率を高められる
  • ノーコードで導入できるため現場主導で改善可
  • 複数のデータを一元的に連携させDXを推進できる

上記のようなメリットは、企業の競争力向上や安定した事業につながる要素です。そのため、Makeを導入して企業の成長を加速させましょう。

それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

1.手作業を削減し業務効率を高められる

Makeを活用すれば人的ミスを減らし、より付加価値の高い業務に時間を費やせるでしょう。

例えば、採用活動において求職者の情報を別のシステムに手動で入力するのは、時間もかかり、入力ミスも発生しやすい作業です。Makeを使えば、この一連の作業を自動化でき、手動でのデータ入力が不要になるでしょう。実際に、採用プロセスにMakeを導入した株式会社LIFRELLの事例では、採用担当者の作業時間が60%削減されました。

出典参照:Make.com自動化事例:スキルアップを目指す人のための業務効率化ガイド|株式会社LIFRELL

2.ノーコードで導入できるため現場主導で改善が可能

Makeはノーコードで利用できるため、プログラミングの知識がない現場の担当者でも、自ら業務改善に取り組むことが可能です。これにより、IT部門に依頼せずとも、現場のニーズに合わせて柔軟かつ迅速に業務プロセスを改善できるでしょう。

従来のシステム開発では、業務改善のアイデアがあっても、IT部門のスケジュールやリソースの都合で実現までに時間を要してしまうことがありました。そこで、Makeを導入すれば、現場の担当者が直接、自動化のワークフローを構築できるようになるでしょう。これにより、業務のボトルネックを素早く特定し、改善策を実行できるため、改善スピードの向上が期待できます。

3.複数のデータを一元的に連携させDXを推進できる

Makeは、複数のアプリケーションやサービスを連携させることで、データの一元化とDXを推進します。企業によっては、部門ごとに異なるシステムやツールを利用しており、データがサイロ化していることが課題となっているでしょう。

Makeを使えば、異なるシステム間のデータ連携を自動化し、情報を一元的に管理できるようになります。例えば、営業部門のCRMとマーケティング部門のツール、そして経理部門のシステムを連携させたとします。この場合、顧客の購買履歴から請求書の作成まで、一連のプロセスの自動化につながるでしょう。

Makeのプランの選び方

Makeには、無料プランから企業向けの大規模なプランまで、いくつかの選択肢があります。自社の利用目的や規模に合わせて、最適なプランを選ぶことが大切です。

プランによって、利用できる操作回数やデータ転送量、そして利用できる機能が異なります。特に、チームでの共同作業や高度なサポートが必要な場合は、有料プランを検討するのが一般的です。適切なプランを選ぶことで、コストを抑えつつ、最大限の効果を得ることが可能になるでしょう。

1.個人利用なら無料〜Coreプラン

個人での利用や、小規模なプロジェクトでMakeを試してみたい場合は、無料プランかCoreプランから始めるのがおすすめです。無料プランは、基本的な機能を試すのに十分な内容で、毎月1,000回の操作(Operations)が可能です。小規模な自動化から始めたい方には最適でしょう。

Coreプランは、同時に稼働させられる自動化フローの数に制限がなく、より多くの操作数が必要な場合におすすめです。月額9ドルのCoreプランでは、毎月10,000回の操作が可能となり、より複雑なワークフローを構築できます。

出典参照:Plans that grow with you|Celonis, Inc.

2.企業利用ならTeamsプランを検討

企業での利用や、より大規模な自動化を検討している場合は、Teamsプランを検討してみましょう。Teamsプランは月額29ドルからで、毎月10,000回の操作が可能になり、さらに多くの高度な機能が利用できます。作成したワークフローをテンプレート化し、チーム内で共有や再利用ができます。

企業がMakeを導入する際は、複数の部門で利用するケースや、複雑な自動化ワークフローを構築するケースが一般的です。そのため、より多くの操作数と高度な機能が必要となるでしょう。

出典参照:Plans that grow with you|Celonis, Inc.

Makeの初期設定を進める3つのステップ

Makeを実際に使い始めるためには、いくつかの初期設定が必要です。これらの設定を順に進めることで、スムーズに自動化を開始できます。ここでは、アカウント作成からシナリオ作成まで、特に押さえておきたい3つのステップを順を追って解説します。

これらのステップは、Makeが提供する直感的で視覚的なインターフェースを最大限に活用するために欠かせません。しっかりと理解し、設定を進めることで、業務の自動化という目標に近づけるでしょう。

ステップ1.アカウントを作成しプランを選択

まずはMakeの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成しましょう。メールアドレスやGoogleアカウントなどを使って登録できます。アカウント作成後、無料プランからスタートするのが一般的ですが、必要に応じた有料プランの選択も可能です。

アカウント作成が完了すると、Makeのダッシュボードにログインできるようになります。この画面から、自動化のワークフローである「シナリオ」を作成する作業に進みます。この段階で、どのような業務を自動化したいかを明確にしておくと、その後の設定がスムーズに進むでしょう。

ステップ2.認証情報の登録とAPIキーの設定

次に、連携したいアプリケーションやサービスの認証情報を登録します。Makeは、APIという仕組みを使って、他のサービスとデータをやり取りします。そのため、連携したい各サービスのAPIキーや認証情報を、Makeに設定しましょう。

例えば、Googleスプレッドシートと連携させる場合は、GoogleアカウントをMakeに認証させます。Slackと連携させる場合は、SlackのAPIキーを取得し、Makeに登録します。この設定は、初回連携時のみで完了するのが一般的です。これにより、Makeが各サービスに安全にアクセスし、データを操作できるようになります。

ステップ3.ワークフローの概念であるシナリオを作成する

アカウントと認証情報の設定が完了したら、「シナリオ」を作成します。シナリオとは、Makeにおける自動化のワークフローの概念です。

シナリオは、「トリガー(Trigger)」と「アクション(Action)」という2つの主要な要素で構成されます。トリガーは「いつこのワークフローを開始するか」を定義する仕組みです。例えば、「Googleフォームに新しい回答が送信されたとき」などがトリガーになります。アクションの定義は「トリガーが実行されたときに何をするか」です。

シナリオ作成画面は、視覚的に要素を配置していく形式になっており、直感的な操作でワークフローを構築できます。

Makeで実現できる自動化の具体例

Makeを活用することで、さまざまな業務を自動化できるサービスです。代表的な自動化の例として、以下が挙げられます。

  • 問い合わせをコミュニケーションツールに集約
  • CRMとスプレッドシートのデータ連携
  • 請求書の保存などバックオフィス業務の自動化

これらの自動化は、日々のルーティンワークを削減し、より創造的な業務に集中する時間を生み出すきっかけです。ここでは、それぞれの自動化の具体例を詳しく見ていきましょう。

1.問い合わせをコミュニケーションツールに集約

Makeを使えば、メールで受信した問い合わせの情報を、SlackやMicrosoft Teamsのようなコミュニケーションツールに自動で通知できます。

シナリオ例は以下のとおりです。

トリガー

特定のメールアドレスに新しいメールが届く

アクション

メールの件名や本文をSlackの特定のチャンネルに自動投稿する

この自動化により、担当者はリアルタイムで新しい問い合わせを把握でき、対応の遅れを防ぐことが可能になるでしょう。手動でフォームの内容を確認し、チームに共有する手間が省けるため、業務効率の向上が期待できます。

2.CRMとスプレッドシートのデータ連携

営業やマーケティング部門では、顧客管理システム(CRM)とスプレッドシートのデータ連携を自動化すると便利です。

以下のようなシナリオを設定しましょう。

トリガー

Salesforce(CRM)に新しい顧客情報が登録される

アクション

その顧客情報をGoogleスプレッドシートに自動で追加する

これにより、CRMに入力されたデータをリアルタイムでスプレッドシートに同期させることができるでしょう。その結果、顧客情報の分析や共有が容易になり、手動でのデータ入力ミスの発生確率を削減できます。

3.請求書の保存などバックオフィス業務の自動化

経理や総務といったバックオフィス業務でも、Makeは効果を発揮します。特に、請求書や領収書の処理を自動化すれば、作業時間を削減できるでしょう。

シナリオの例は以下のとおりです。

トリガー

  • 特定のメールアドレスに請求書のPDFを添付したメールが届く

アクション

  • 添付ファイルをGoogle Driveに自動で保存する
  • その請求書情報を会計システムに自動で登録する

このワークフローを構築すれば、手動でメールの添付ファイルをダウンロードし、適切なフォルダに保存したり、会計システムに手入力したりする手間を省けます。

まとめ|Make(Integromat)の初期設定を進めてDXを推進させよう

Makeは、プログラミングの知識がなくても、異なるWebサービスやアプリケーションを連携させて業務を自動化できるツールです。

DXに対応する人材が不足している現代において、現場の担当者自身が業務改善に取り組めるMakeは、注目されています。手作業の削減、ノーコードでの迅速な導入などのメリットを活かせば組織全体の生産性を高められる可能性があります。

Makeの導入を検討している方は、まずは無料プランから試してみるのが良いでしょう。少しずつ自動化を進めていくことで、業務の効率化が期待できます。Makeを活用して、自社のDXを推進しましょう。