Zapierの初期設定ガイド!ノーコードで業務効率化を始める方法

業務効率化を実現するZapierは、専門知識不要で利用できる自動化ツールです。この記事では、Zapierの初期設定から活用事例、セキュリティの注意点までを解説します。Zapierを使って自社の業務効率を向上させましょう。

働き方改革やリモートワークの普及に伴い、企業はさらなる業務効率化を求められています。一方で、多くの企業が直面している課題のひとつに、各部署や個人がバラバラのツールを使っているために発生する非効率な作業があります。

例えば、顧客管理システムに登録された情報を手動で営業管理ツールに入力する、新しい問い合わせがあると担当者へメールで通知するといった作業は、手間がかかるうえにミスも発生しやすいでしょう。こうした単純な作業は、生産性を低下させる要因になりかねません。

こうした課題を解決する方法として、注目を集めているのがノーコードの自動化ツールです。プログラミングの知識がなくても、繰り返し発生する定型業務を自動化できるでしょう。今回は、数ある自動化ツールの中でも特に注目されているZapier(ザピアー)について詳しく紹介します。

Zapierとは?注目されている理由

Zapierは、ノーコードで異なるウェブアプリケーションやサービスを連携し、ワークフローを自動化できるオンラインプラットフォームです。このサービスは、企業や個人事業主が日常業務で利用するさまざまなアプリケーションをつなぎ合わせ、ひとつのシステムであるかのように操作できます。

例えば、新しいメールが届いたらSlackに通知を送る、Googleスプレッドシートに新しい行が追加されたら、その内容をSalesforceに自動で登録するといったことが可能です。

出典参照:Zapier|Zapier, Inc.

プログラミング不要なノーコード自動化ツール

Zapierの特長のひとつが、ノーコードで自動化を実現できるという点です。複雑なプログラミング言語を習得する必要はありません。直感的なインターフェースを通じて、連携させたいアプリケーションを選び、「トリガー(引き金)」と「アクション(行動)」を設定するだけで、ITスキルがなくとも簡単に自動化フローを構築できます。このシンプルさが、プログラミングの知識がない人でも手軽に導入できる理由と言えるでしょう。

例えば、以下のようなトリガーとアクションが考えられます。

トリガー

Gmailで特定の件名のメールが届いた場合

アクション

Googleスプレッドシートにその内容を記録する

このような、トリガーとアクションにより、メールの内容を自動的に集計・管理する仕組みが完成します。こうした「もしAが起こったら、Bをする」というシンプルなロジックを積み重ねることで、多くの業務を自動化できるでしょう。

専門的な知識がなくてもDXを推進できる

DXは、多くの企業にとって取り組むべき経営課題のひとつであるものの、専門的なIT人材の不足や開発コストの高さが、DX推進の妨げとなるケースは少なくありません。Zapierは、そうした企業の課題を解決するツールです。

プログラマーやIT部門に頼ることなく、現場の担当者自身が業務の課題を特定し、それを解決するための自動化フローを自ら構築できるでしょう。これにより、全社員がDXの担い手となり、企業全体の生産性向上に貢献できるでしょう。

ITリテラシーが高くない従業員でも、日常業務のなかで「この作業は自動化できるのでは?」と気づき、それを実際に形にできるため、組織全体でボトムアップ式のDX推進が可能となります。Zapierの導入は、単なるツール導入にとどまらず、企業の文化そのものの変革にもつながると言えます。

Zapierを導入する3つのメリット

Zapierの導入は、企業や個人の働き方を変える要因になる取り組みです。ここでは、特に代表的なメリットとして以下について解説します。

  • 単純作業を自動化して業務効率を向上
  • 外部サービスとの柔軟な連携で情報を一元管理
  • 月額制で利用できるためスモールスタートが可能

Zapierによって一部業務を自動化すれば、従業員はよりコアな業務に注力できるでしょう。その結果、従業員の生産性、さらには組織全体の生産性向上も期待できます。

1.単純作業を自動化して業務効率を向上

Zapierを導入する代表的なメリットは、繰り返し行われる単純作業を自動化できるという点です。例えば、以下のような業務を、ノーコードで自動化可能です。

  • メールチェックと報告書の作成
  • 顧客からの問い合わせを顧客管理ツールに手動で入力

これらの業務は頻繁に発生するうえに、時間と労力がかかってしまいます。そのため、Zapierで自動化して、従業員はより創造的で価値の高い仕事に注力する体制を構築しましょう。単純な作業ばかりが続いていては、従業員のモチベーションが低下し、職場への満足度も下がりかねません。

Zapierによる自動化を実現できれば、個人の生産性が向上するだけでなく、チーム全体の業務効率も改善されるでしょう。

さらに、自動化されたプロセスは常に一貫して実行されるため、手作業で発生しがちなヒューマンエラーを削減できる点もメリットと言えます。

出典参照:Make your work flow|Zapier, Inc.

2.外部サービスとの柔軟な連携で情報を一元管理

Zapierは、多くの外部サービスと連携できるのがメリットです。これにより、バラバラに管理されていた情報の一元化が可能です。例えば以下のようなツールから情報を自動的に収集し、ひとつのデータベースに集約できます。

  • Gmail
  • Slack
  • Googleスプレッドシート
  • Salesforce
  • Trello

これにより、情報の検索や共有がスムーズになり、チームメンバー間の連携も強化されます。バラバラに散らばった情報を探す手間がなくなり、必要な情報にすぐにアクセスできる環境が整うことで、意思決定のスピードの向上が期待できるでしょう。

さらに、手動でのデータ転記作業がなくなるため、ヒューマンエラーによるデータの不整合も防止できるでしょう。情報の正確性が保たれるため、データに基づいた信頼性の高い判断をしやすくなります。

3.月額制で利用できるためスモールスタートが可能

Zapierは月額制で利用できるツールです。そのため、多額の初期費用をかけずに導入可能です。無料プランも用意されているため、まずは小規模な自動化から試してみて、効果を実感した上で有料プランに切り替えるといったスモールスタートも検討できるでしょう。予算が限られている中小企業やスタートアップにとってメリットと言えます。

また、プランは利用する機能や自動化の量に応じて柔軟に変更できるため、ビジネスの成長に合わせてスケールアップできる点も魅力のひとつです。事業規模が拡大した場合、より多くの自動化が求められる可能性があります。Zapierであれば、プランをアップグレードするだけで対応できるため、将来的な拡張性も確保できるでしょう。柔軟性は、企業の成長ステージに合わせて無駄なコストを抑えながらツールを活用していくうえで有効な要素です。

出典参照:Scalable AI automation for businesses of all sizes|Zapier Inc.

Zapierを業務に活用する事例

Zapierは多岐にわたる業務で活用できます。ここでは、以下のように具体的な活用事例をいくつか紹介します。

  • 問い合わせフォームから自動的にCRMへ登録
  • 広告データの収集やSNS投稿の分析を自動化
  • 経理や人事関連の定型業務を自動化
  • 電子契約ステータスの自動通知
  • 採用活動の応募情報を自動通知で見落としを防止

これらはあくまで、Zapierの活用例の一部のため、参考にしたうえで自社の希望に応じた業務に活用してみましょう。

1.問い合わせフォームから自動的にCRMへ登録

顧客からの問い合わせは、ビジネスにとって大切な情報源です。問い合わせから顧客のニーズを把握できるためです。

Zapierを活用すれば、ウェブサイトの問い合わせフォームに入力された情報を、自動的にCRMツールに登録できます。例えば、WebflowやGoogleフォームで受け付けた問い合わせ内容をトリガーとします。その後、SalesforceやHubSpotなどのCRMツールに顧客情報や問い合わせ内容を自動的に登録する自動化フローを作成可能です。これにより、手動でのデータ入力作業が不要となり、入力ミスを防止可能です。

さらに、問い合わせの種別に応じて担当者を自動的に割り振ることも可能になり、対応の迅速化と質の向上につながるでしょう。

2.広告データの収集やSNS投稿の分析を自動化

マーケティング担当者にとって、広告データの収集やSNSの投稿分析は欠かせない業務です。Zapierを利用すれば、以下のような作業を自動化可能です。

  • Google広告やFacebook広告のレポートデータを自動的にGoogleスプレッドシートに転記
  • TwitterやInstagramに新しい投稿があった際にその内容をSlackに通知

これにより、リアルタイムでデータを把握し、迅速な意思決定を下せるようになるでしょう。

手動でのデータ収集や分析にかかる時間を削減し、より戦略的な業務に集中できます。また、競合のSNS投稿をリアルタイムでチェックし、特定のキーワードが含まれた場合にアラートを受け取ることも可能です。市場の動向や競合のキャンペーン戦略を迅速に把握でき、自社のマーケティング戦略を調整できるでしょう。

3.経理や人事関連の定型業務を自動化

経理や人事関連の業務は、定型的な作業が多く、Zapierによる自動化が効果的な領域です。例えば、以下のような作業を自動化できるでしょう。

  • 経費精算システムに新しい申請があった際に、承認者へ自動的にメールやSlackで通知
  • 給与計算システムから取得した従業員の情報を自動的に人事管理ツールに登録

これらの自動化により、ミスの減少や業務の正確性、スピード向上が期待できるでしょう。また、月末や期末に集中する経理・人事業務の負担軽減も期待できます。さらに、従業員の入社・退職手続きに関連する複数システムへの情報登録を自動化し、スムーズな手続きにもつながります。

定型業務を自動化できれば、経理であれば経営状況の分析・可視化、人事であれば人材戦略の策定といったコア業務に注力可能です。

4.電子契約ステータスの自動通知

法務や契約関連の業務では、電子契約書のステータスを把握しておく必要があります。契約ステータスの変更に気づくのが遅れると、契約が停滞するだけでなく、取引先からの印象が悪化しかねません。

Zapierを使えば、電子契約サービスの契約ステータスが変更された際に、担当者へ自動的にメールやチャットツールで通知を送ることができます。

例えば、「契約が完了しました」といったステータス変更をトリガーに、Slackでチームに通知を飛ばすことができます。これにより、契約の進捗状況をリアルタイムで把握でき、スムーズな業務遂行につながるでしょう。また、契約締結後の関連資料を自動的にクラウドストレージに保存するフローも構築でき、管理の手間を省けます。

5.採用活動の応募情報を自動通知で見落としを防止

人事担当者にとって、採用活動における応募情報の管理は欠かせない業務です。応募者への対応が後手になってしまうと、貴重な人材確保の機会を逃しかねません。

Zapierを利用すれば、採用管理ツールに新しい応募があった際に、担当者へ自動的にメールやSlackで通知を送信可能です。これにより、応募情報の見落としを防ぎ、迅速な対応が可能となります。

また、応募者の情報を自動的にGoogleスプレッドシートに転記すれば、応募者の一覧を簡単に作成、管理も可能です。

応募情報の確認や応募者情報の転記などを自動化できれば、採用プロセスの効率が向上します。さらに、応募者への受付完了メールを自動送信する設定もでき、対応品質の向上にも貢献するでしょう。

Zapierの初期設定の流れ

Zapierを始めるには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、以下のとおり、Zapierを使い始めるための初期設定の流れを具体的に説明します。

  • アカウント登録とワークスペースの作成
  • 連携アプリの認証と接続
  • 最初のZap(自動化フロー)を作成する

これらのステップをひとつずつ進めていけば、初めての方でもZapierの活用を始められるでしょう。このガイドを参考に、自動化による業務効率化を実現しましょう。

ステップ1.アカウント登録とワークスペースの作成

Zapierのウェブサイトにアクセスし、アカウントを登録します。GoogleアカウントやMicrosoftアカウントでのサインアップも可能です。登録後、Zapierのダッシュボードが表示されます。

Zapierでは、組織やプロジェクトごとにワークスペースを作成して管理可能です。例えば、「営業部」や「マーケティング部」といったように、部署ごとにワークスペースを分けて管理すれば、共同作業がスムーズになります。

ワークスペースを作成したら、チームメンバーを招待して、自動化フローの共有も可能です。このワークスペース機能は、チーム内の情報整理に役立つだけでなく、アクセス権限を細かく設定できます。そのため、機密性の高い情報を含むZapを特定のメンバーのみが閲覧・編集できるような体制構築も可能です。セキュリティを確保しながら効率的なチーム運用を実現できるでしょう。

ステップ2.連携アプリの認証と接続

次に、自動化したいサービスをZapierと連携させます。Zapierのダッシュボードにある「My Apps」セクションから、連携したいアプリケーションを選択し、それぞれの認証情報を入力して接続します。

例えば、GoogleアカウントやSlackアカウントの認証情報を入力すれば、Zapierがそれらにアクセス可能です。一連の認証作業は一度行えば完了です。連携できるアプリケーションは数多くあるため、ビジネスで利用するほとんどのツールを接続できるでしょう。

このステップは、Zapierが自動化したいサービスにアクセスするための「鍵」を渡すイメージです。鍵を渡すことで、Zapierはユーザーの代わりにデータを読み取ったり、新しいデータを作成したりすることが可能になります。複数のアプリケーションを連携させることで、異なるツール間の作業をシームレスに自動化できるようになります。

ステップ3.最初のZap(自動化フロー)を作成する

連携アプリの認証と接続を終えたら、最初のZapを作成しましょう。Zapierにおいて、自動化フローのことを指すのが「Zap」です。Zapは「トリガー(きっかけ)」と「アクション(実行内容)」で構成されています。

Zap作成にあたり、まずは自動化を開始するトリガーを設定しましょう。

例えば、「Googleスプレッドシートに新しい行が追加されたとき」をトリガーに設定します。次に、そのトリガーが発生したときに実行するアクションとして、「Slackに新しいメッセージを投稿する」を設定します。トリガーとアクションを組み合わせれば、自動化フローが完成です。なお、Zapを作成する際には、Zapierが提供するテンプレートの活用も可能です。

Zapierのセキュリティ上の注意点

Zapierは業務効率化に役立つツールですが、多くのサービスと連携するため、セキュリティ上の注意点も理解しておく必要があります。安全にZapierを利用するために、以下の点に留意しましょう。

  • 定期的にデータを更新し最新情報を維持
  • 利用者ごとに権限を制御し、データの安全性を確保
  • Zapの実行ログを監視し、異常検知時に対応

ここではZapierのセキュリティ上の注意点を解説します。

1.定期的にデータを更新し最新情報を維持

Zapierが連携する外部サービスの認証情報やAPIキーは、定期的に見直しましょう。最新の情報に更新されていない古い認証情報は、セキュリティリスクを高める可能性があります。

また、利用しなくなったZapや連携アプリは、定期的に見直して無効化または削除しておくのもポイントです。これにより、不要なデータへのアクセスを防ぎ、システムの安全性を維持できます。

例えば、パスワードの定期的な変更や、使用していないツールの連携解除は、セキュリティポリシーとして組織全体でルール化するのがおすすめです。利用しているサービスのセキュリティアップデート情報に常に注意を払い、Zapierとの連携に影響がないかを確認すれば、予期せぬトラブルを未然に防げるでしょう。

2.利用者ごとに権限を制御し、データの安全性を確保

Zapierをチームで利用する場合、各メンバーの役割に応じて権限を適切に設定しましょう。Zapierの有料プランでは、チームメンバーの役割を細かく設定し、特定のZapの作成や編集、削除を制限できます。これにより、重要なデータへの不用意なアクセスを防ぎ、データの安全性を確保可能です。

また、退職者のアカウントは速やかに削除し、アクセス権を停止しましょう。さらに、特定の部署やプロジェクトに関連するZapのみをメンバーに共有すれば、情報漏洩のリスクを低減する取り組みです。これにより、組織全体のセキュリティガバナンスを強化できるでしょう。

総務省が公開している「クラウドサービス利用ガイドライン」でも、アカウント管理やパスワード設定の重要性が指摘されています。

出典参照:クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン|総務省

3.Zapの実行ログを監視し、異常検知時に対応

Zapierでは、作成したZapの実行履歴を実行ログとして確認できます。このログを定期的に監視し、予期せぬエラーや異常な挙動がないかチェックしておくことが大切です。

例えば、本来自動化されないはずのタイミングでZapが実行されたり、データの連携に失敗したりするなどの異常を早期に発見できれば、迅速な対応が可能になります。これにより、情報漏洩やデータの不整合といったリスクを最小限に抑えられるでしょう。

実行ログの定期的な確認を自動化フローに組み込むことも可能です。例えば、Zapが失敗した場合にSlackにエラー通知を飛ばすといった設定を行うことで、リアルタイムで異常を検知し、即座に対応できる体制を構築できるでしょう。

まとめ|Zapierの初期設定を把握して業務効率を向上させよう

Zapierは、プログラミングの知識がなくても、ノーコードで業務の自動化を実現できるツールです。単純作業を自動化して業務効率を向上させるだけではありません。外部サービスとの柔軟な連携によって情報を一元管理し、より戦略的な業務に集中できるようになるでしょう。

アカウントの登録から始まり、連携アプリの認証、そして最初のZapを作成するまでの初期設定の流れはシンプルです。まずは、無料プランから始めて、自社の業務でどのような作業が自動化できるかを試してみましょう。日常業務の中で発生する小さな気づきが、業務効率化のきっかけになります。