経理DXの課題とは?7つの壁と解決策を解説

経理DXが進まない課題を抱えていませんか?属人化、ペーパーレス化の遅れ、法改正対応といった7つの壁と4つの根本原因を解説。具体的な解決ステップから課題別のおすすめツール、他社の成功事例まで網羅し、経理DXの最初の一歩を踏み出すための道筋を示します。

「毎月の請求書処理に追われている」「ベテラン社員が辞めたら、業務が回らなくなるかもしれない」企業の経理部門で働くマネージャーや責任者の方なら、一度はこのような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

人手不足、業務の属人化、そして度重なる法改正への対応。これらの課題を解決する鍵として「経理DX」が注目されていますが、何から手をつければ良いのか分からず、立ち往生しているケースも少なくありません。

この記事では、経理DXを阻む7つの具体的な課題と、その背景にある4つの根本原因を徹底的に解説します。さらに、課題解決に向けた具体的な4つのステップや、業務改善に役立つツール、他社の成功事例まで、経理DXを成功に導くためのノウハウを凝縮しました。

この記事を読めば、あなたの会社の経理部門が抱える課題を明確にし、DX化への確かな一歩を踏み出すための道筋が見えるはずです。

経理DXを阻む7つの主要な課題

経理DXを進める上では、多くの企業が共通の壁に直面します。これらは単独でなく複雑に絡み合う根深い問題です。自社の状況と照らし合わせながら課題を一つずつ確認し、解決の糸口を見つけましょう。

業務の属人化とブラックボックス化

特定の担当者しか業務の進め方や詳細を把握していない「業務の属人化」は、経理部門が抱える最も深刻な課題の一つです。

経理業務は専門性が高く、長年の経験則に頼る部分も多いため、担当者が独自のルールや手順で作業を進めているケースが少なくありません。その結果、マニュアルが整備されず、他の従業員からは業務内容が見えない「ブラックボックス」と化してしまいます。「この処理はAさんしか分からない」という状況は、その担当者が休職や退職をした際に業務が完全に停止するリスクを孕んでいます。

また、業務プロセスが可視化されていないため、非効率な作業が温存されたり、内部統制上の問題点が見過ごされたりする危険性も高まります。

DXによる業務プロセスの標準化やシステム化は、この属人化を解消し、誰でも一定の品質で業務を遂行できる体制を築くための鍵となります。

紙文化とペーパーレス化の遅れ

請求書、領収書、契約書といった大量の紙書類に依存する「紙文化」は、経理業務の効率を著しく低下させる大きな要因です。

紙の書類は、取引先からの郵送受け取り、開封、内容確認、承認印のための回覧、保管場所へのファイリング、そして7年以上の物理的な保管義務など、多くの手間とコストを発生させます。必要な書類を探す際にも時間がかかり、紛失や劣化のリスクも常に伴います。

さらに、紙の書類がある限り、出社しなければ業務が完結せず、テレワークといった柔軟な働き方の導入を阻む壁にもなります。こうした根強い紙文化の背景には、取引先の慣習や、長年続いたハンコによる承認プロセスなどがあります。

ペーパーレス化は、単に紙をなくすだけでなく、これらの非効率な業務プロセス全体を見直し、生産性を抜本的に改善する取り組みなのです。

電子帳簿保存法とインボイス制度への対応

近年、経理部門の業務に大きな影響を与えているのが、相次ぐ法改正への対応です。特に「電子帳簿保存法」と「インボイス制度」は、DX化を避けては通れない大きなテーマとなっています。

2024年1月から本格的に義務化された電子帳簿保存法では、メールなどで受け取った請求書などの電子取引データを、紙に出力せずデータのまま保存することが求められます。

一方、2023年10月に始まったインボイス制度では、適格請求書でなければ消費税の仕入税額控除が受けられなくなり、受け取った請求書の確認・保存業務がより煩雑になりました。

これらの法改正に手作業だけで完全に対応しようとすると、膨大な手間と時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも増大します。法改正を単なる負担と捉えるのではなく、システムを導入して業務フロー全体を見直す好機と捉えることが、DX推進の鍵となります。

出典参照:電子帳簿等保存制度特設サイト|国税庁

出典参照:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き|国税庁

月次決算の遅延と手作業での集計

経営層が迅速な意思決定を行うために不可欠な「月次決算」が、目標通りに早期化できないという課題も多くの企業で聞かれます。決算が遅れる最大の原因は、Excelなどを利用した手作業でのデータ集計にあります。

各部署から送られてくる形式の異なるデータを手作業で転記・集計し、紙の証憑と一つひとつ突合する作業は、膨大な時間を要するだけでなく、入力ミスや計算間違いといったヒューマンエラーの温床にもなります。エラーが見つかれば、原因の特定と修正にさらに時間がかかり、担当者は月末月初に残業を強いられることになります。このような状況では、経営陣は古いデータに基づいて判断を下さざるを得ず、ビジネスチャンスを逃すことにも繋がりかねません。

会計システムを導入し、データ連携を自動化することで、これらの手作業をなくし、迅速かつ正確な月次決算を実現することが可能になります。

非効率な請求書処理と経費精算

毎月繰り返される「請求書処理」と「経費精算」は、経理部門の多くの時間を奪う代表的なノンコア業務です。請求書処理では、郵送やメールなどバラバラの手段で届く請求書をまず集約し、内容を一件ずつ確認。その後、承認を得るために紙で回覧し、承認後に会計システムへ手入力し、ようやく支払い処理を行う、という非常に長く煩雑なプロセスが一般的です。

一方、経費精算も、従業員が領収書を台紙に貼り、申請書を作成し、上長が承認印を押す。経理がそれをチェックして仕訳入力を行う、という一連の流れに関わる全ての人の時間を奪っています。

これらの業務は、一つひとつの作業は単純でも、積み重なると膨大な工数となります。本来注力すべき資金繰りの分析や経営資料の作成といった、より付加価値の高いコア業務の時間を圧迫する大きな原因となっています。

既存システムの老朽化と2025年の崖

長年利用してきた会計システムや基幹システムが「老朽化」し、DX推進の足かせとなっているケースも深刻です。これらの「レガシーシステム」は、過去の業務プロセスに合わせて独自にカスタマイズが繰り返された結果、構造が複雑化・ブラックボックス化していることが少なくありません。

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」は、こうしたレガシーシステムを放置することで、システムの維持管理費が高騰し、セキュリティリスクが増大し、最新のデジタル技術を導入できなくなることで、国際競争から取り残され、大きな経済損失が生じる可能性を指摘しています。

古いシステムは、クラウドサービスとの連携が困難であったり、データを自由に活用できなかったりと、DXの前提となる柔軟なデータ連携や活用を阻害します。システムの刷新は大きな決断ですが、避けては通れない経営課題となっています。

DXを推進できるIT人材の不足

経理DXを成功させる上で、最も重要な資源は「DXを推進できる人材」ですが、多くの企業でその確保に苦戦しています。

ここで言うDX人材とは、単にITツールの操作に長けている人ではありません。経理業務の専門知識とITスキルの両方を持ち合わせ、自社の業務課題を深く理解した上で、「どのツールを使って、どのように業務プロセスを変えれば課題を解決できるか」を設計・実行できる人材を指します。

しかし、このようなスキルセットを持つ人材は非常に希少で、採用市場での競争は激化しています。また、社内で育成しようにも、適切な教育プログラムや指導者がいないのが実情です。

この人材不足が、「DXの必要性は分かっているが、何から手をつければ良いか分からない」という状況を生み出す根本的な原因となっており、多くの企業がDXへの第一歩を踏み出せないでいます。

経理DXが進まない4つの根本原因

経理DXが進まない背景には、技術だけでなく組織的な根本原因が潜んでいます。ツールを導入するだけでは解決しない、プロジェクトの進め方やマインドセットの問題です。DXが失敗に陥る典型的な原因を理解し、自社の取り組みを見直しましょう。

目的が曖昧なままのDXプロジェクト着手

経理DXが進まない最も大きな原因は、「DXの目的化」にあります。これは、「DXを導入すること」自体が目的になってしまい、「DXによって何を達成したいのか」という本来の目的が曖昧なままプロジェクトが進んでしまう状況を指します。

例えば、「競合他社が導入しているから」「流行っているから」といった理由でツール選定を始めてしまうと、自社の業務課題に合わない高機能なシステムを導入してしまい、現場が使いこなせずに定着しない、という失敗に陥りがちです。

「請求書処理にかかる時間を月間50時間削減する」「月次決算を3営業日早期化する」といった、具体的で測定可能な目標を設定することが不可欠です。明確なゴールがなければ、投資対効果(ROI)を測ることもできず、プロジェクトの成功・失敗すら判断できません。

まずは「何のためにやるのか」を徹底的に議論し、関係者間で共通認識を持つことが、成功への第一歩です。

導入コストと費用対効果への懸念

新しいシステムの導入には、ライセンス費用や初期設定費用といった「導入コスト」が必ず発生します。特に、機能が豊富なシステムほど高額になる傾向があり、予算が限られる中小企業にとっては、このコストがDX推進の大きなハードルとなります。

経営層からは、「その投資に見合うだけの効果は本当にあるのか?」という費用対効果(ROI)を厳しく問われるでしょう。しかし、経理DXの効果は、人件費の削減といった直接的なコスト削減効果だけではありません。「担当者の残業時間が減り、従業員満足度が向上した」「決算が早期化され、経営判断の質が上がった」といった、数値化しにくい定性的な効果も非常に重要です。

これらの効果を事前にすべて正確に予測することは難しく、費用対効果への懸念から、経営層が導入の意思決定に踏み切れないケースは少なくありません。

変化を恐れる現場の抵抗と協力不足

新しいシステムの導入は、既存の業務プロセスを大きく変えることを意味します。長年慣れ親しんだやり方が変わることに対して、現場の従業員から心理的な抵抗が生まれるのは自然なことです。

「新しいツールの使い方を覚えるのが面倒だ」「今のやり方で問題なく回っているのに、なぜ変える必要があるのか」「自分の仕事がシステムに奪われるのではないか」といった不安や反発は、DXプロジェクトが直面する最も大きな壁の一つです。こうした現場の不安を無視してトップダウンで導入を強行すると、従業員は非協力的な態度をとったり、システムを意図的に使わない「サボタージュ」が発生したりする可能性があります。

大切なのは、なぜDXが必要なのか、導入によって現場の業務がどのように楽になるのかを丁寧に説明し、現場の従業員を計画段階から巻き込み、当事者意識を持ってもらうことです。

経営層や他部署を巻き込めない問題

経理DXは、経理部門だけで完結する取り組みではありません。例えば、請求書処理を効率化するには、請求書を発行する営業部門や、購買を行う各事業部門の協力が不可欠です。

また、プロジェクトを推進するための予算確保や、全社的な方針としての意思決定には、経営層の強力なリーダーシップとコミットメントが欠かせません。

しかし、経理部門だけで課題を抱え込み、他部署や経営層への働きかけが不足しているケースが多く見られます。「これは経理の仕事だから」と線引きをしてしまうと、部分的な業務改善に留まってしまい、全社的なインパクトを生み出すことはできません。

経理DXが、単なる経理部門の効率化ではなく、会社全体の生産性向上や経営基盤の強化にどう貢献するのか。そのストーリーを明確に描き、経営層や他部署を積極的に巻き込んでいく視点が不可欠です。

課題解決に向けたDX導入の4ステップ

経理DXを成功させるには、計画的・段階的に進めることが重要です。このセクションでは、多くの企業が実践する王道の4ステップを紹介します。このプロセスはDXの羅針盤となり、着実な成果に繋げましょう。

ステップ1.目的の明確化と解決すべき課題の特定

経理DXプロジェクトの成否は、この最初のステップで9割決まると言っても過言ではありません。まず取り組むべきは、「何のためにDXを推進するのか」という目的を具体的かつ明確に定義することです。

例えば、「ペーパーレス化」は目的ではなく手段です。目的は、その先にある「月次決算を5営業日以内に確定させ、迅速な経営判断に繋げる」や「請求書処理の工数を50%削減し、担当者が分析業務に集中できる時間を創出する」といった、事業への貢献まで見据えたものであるべきです。

目的を定義したら、次に現状の課題をすべて洗い出します。「業務の属人化」「紙の請求書が多い」「法改正への対応が負担」など、前述した課題リストも参考にしながら、自社の状況を客観的に把握します。

そして、設定した目的に対して最もインパクトの大きい課題は何か、優先順位を決定します。この段階で関係者の目線を完全に合わせることが、後のステップをスムーズに進めるための鍵となります。

ステップ2.既存業務プロセスの可視化と分析

目的と課題が明確になったら、次に行うのは「現状の業務プロセスを徹底的に可視化すること」です。

担当者の頭の中にしかない業務の流れを、誰の目にも見える形に描き出す作業です。具体的には、請求書の受け取りから支払い、保管までの一連の流れについて、「誰が」「いつ」「何を」「どのように」行っているのかを、フローチャートなどを用いて詳細に書き出します。

このプロセスを通じて、「承認のために書類が平均3日間滞留している」「同じデータを複数回手入力している」といった、これまで気づかなかった非効率な点やボトルネックが客観的に明らかになります。重要なのは、特定の担当者へのヒアリングだけでなく、関係者全員を集めてワークショップ形式で行うことです。

これにより、認識のズレがなくなり、チーム全体で問題意識を共有できます。この可視化された業務プロセスこそが、次のステップで検討する新しい業務フローの土台となるのです。

ステップ3.スモールスタートでのツール導入と効果検証

業務の課題が明らかになったら、いよいよツールの選定と導入に進みますが、ここで重要なのが「スモールスタート」という考え方です。

いきなり全社規模で大規模なシステムを導入するのではなく、まずは影響範囲が限定的で、かつ効果を実感しやすい領域に絞って試行的に導入します。この試行をPoC(Proof of Concept:概念実証)と呼びます。

例えば、「経理部内だけで請求書受領サービスを3ヶ月間試してみる」「特定の事業部だけで経費精算システムを導入する」といった形です。スモールスタートのメリットは、低コスト・低リスクでツールの有効性を検証できる点にあります。また、試行を通じて操作上の課題や、既存業務との連携における問題点を洗い出し、本格導入に向けた改善点を見つけることができます。

ここで得られた小さな成功体験は、現場の不安を払拭し、全社展開への協力的な雰囲気を作る上で非常に効果的です。

ステップ4.全社を巻き込んだ本格導入と継続的な改善

スモールスタートで有効性が確認され、導入のノウハウが蓄積されたら、いよいよ全社展開のフェーズに移ります。

この段階で重要なのは、スモールスタートで得られた成功事例や改善点を、経営層や他部署に具体的に共有し、全社的な協力体制を構築することです。導入計画や操作マニュアルを整備し、従業員向けの研修会を実施するなど、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、スムーズな移行を促進します。

そして、最も忘れてはならないのが、DXは「導入して終わり」ではないということです。ビジネス環境や法制度は常に変化します。一度構築した業務プロセスも、定期的に見直しを行い、より良い形に改善し続ける姿勢が不可欠です。ツールの利用状況データを分析したり、従業員からフィードバックを収集したりしながら、PDCAサイクルを回し続けましょう。そうすることでDXの効果を最大化し、企業の競争力を継続的に高めていくことができるのです。

課題別に見るおすすめのDXツール

解決すべき課題が見えたら、次は具体的なツール選定です。自社の課題に最適な機能を持つツールを選ぶことが重要です。このセクションでは代表的な課題に対応する、市場で評価の高いツールを紹介します。

請求書処理の自動化|Bill Oneやinvox

経理DXにおける請求書処理の自動化には、Bill Oneやinvoxのようなクラウドサービスの活用が有効です。

Bill Oneは、あらゆる請求書をオンラインで受領し、クラウド上で一元管理することでペーパーレス化を促進します。請求書は99.9%の精度でデータ化され、支払い申請から承認、仕訳作成までデジタルで完結。インボイス制度や電子帳簿保存法にも自動で対応するため、業務負荷を大幅に削減できます。

invox受取請求書は、紙でもPDFでもデジタルインボイスでも、どんな形式の請求書も99.9%以上の精度でデータ化します。請求書の受取から入力・支払・計上業務を自動化し、クラウド上で完結できるためテレワークにも対応。電子帳簿保存法やインボイス制度に準拠し、会計システム連携も豊富です。初期費用・ユーザー数無制限で月契約可能な点も特長です。

出典参照:Bill One|Sansan株式会社

出典参照:invox受取請求書|株式会社invox

経費精算の効率化|マネーフォワードクラウド

マネーフォワード クラウド経費は、経費精算にかかる時間を大幅に削減し、ペーパーレス化を実現するシステムです。クレジットカードや電子マネーの明細を自動取得し、領収書はスマホ撮影でOCRまたはオペレーターが高精度でデータ化します。

申請・承認はスマホアプリで完結するため、外出先や隙間時間での処理が可能で、承認までの時間を短縮できます。エラー・アラート機能により申請の不備や二重申請を事前に検知し、内蔵チャット機能でコミュニケーションも効率化されます。

さらに、振込データの自動作成やインターネットバンキングとの連携で支払業務を効率化。電子帳簿保存法にも対応しており、経理業務全体の効率化と内部統制強化を両立します。

出典参照:マネーフォワード クラウド|株式会社マネーフォワード

会計業務の自動化|freee会計や勘定奉行

会計業務の自動化には、freee会計や勘定奉行クラウドのようなクラウド会計ソフトが有効です。

freee会計は、銀行口座やクレジットカード連携で入出金明細を自動取得し、仕訳を全て自動化することで手入力を極力ゼロにできます。レシートもスマホ撮影で仕訳・電子帳簿保管まで自動で完了し、年間2300時間の作業時間削減が期待できます。インボイス制度・電子帳簿保存法にも完全対応しています。

一方、勘定奉行クラウドは、金融機関データ連携や領収書・Excelからの学習により伝票起票を自動化し、年間480時間の業務削減を目指します。顧問税理士等とのデータ共有やAPI連携で月次締め処理をスピードアップし、仕訳の二重入力を削減。FISC安全対策基準準拠などの高いセキュリティも特長です。

出典参照:freee会計|フリー株式会社

出典参照:勘定奉行クラウド|株式会社オービックビジネスコンサルタント

法改正対応|TOKIUM電子帳簿保存

TOKIUM電子帳簿保存は、電子帳簿保存法に対応したクラウド文書管理システムです。このシステムは、電子帳簿保存法の要件を満たした上で、国税関係書類を保存することを目的としています。

JIIMA認証を取得しており、タイムスタンプ機能も搭載しているため、電子帳簿保存法に完全準拠した形であらゆる国税関係書類を一元管理することが可能です。これにより、契約書や見積書、納品書などの多様な取引関係書類を、法に則った形式で安全に保存できます。

TOKIUM電子帳簿保存は、お客様の対応方針に合わせて、最低限の法対応から、同時に業務効率化も進めるプランまで選択可能です。また、希望に応じて同一プラットフォームで請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」と併用することで、経理業務を大幅に効率化することもできます。さらに、取引関係書類の原本をTOKIUMで代理保管するサービスも提供しており、保管期間は10年間です。

出典参照:TOKIUM電子帳簿保存|株式会社TOKIUM

経理DXの成功事例から学ぶ

理論や知識だけでは、自社での導入イメージは湧きにくいものです。ここでは、経理DXで成果を上げた企業の事例を紹介します。他社の成功ストーリーからヒントを得て、DXがもたらす具体的な効果を参考にしましょう。

ペーパーレス化で月次決算確定を短縮

株式会社クラシオホールディングスは、Excelでの経費精算による承認遅延や、月次決算確定に10日間を要するという課題を抱えていました。この課題を解決するため、「楽楽精算」を導入。特にワークフロー機能の自由度の高さを決め手とし、これまで紙で行っていた稟議や報告をWEB化・電子化することで、大幅なペーパーレス化を実現しました。

導入の結果、経費精算の承認がリアルタイムに進むようになり、月次決算の確定期間を従来の10日から5日へと半減できました。クレジットカード連携機能により手入力の手間も削減され、経理事務の合理化と決算の早期化に大きく貢献しています。さらに、会計ソフト連携や検索・集計の容易化も実現し、業務効率が大幅に向上しました。

出典参照:月次決算確定の稼働日数を10日から5日に短縮!ワークフロー機能でペーパーレス化も実現!|株式会社クラシオホールディングス

経費申請と承認の工数を約80%削減

Ascent Business Consulting株式会社は、Excelによる経費精算において、手入力の手間や計算ミス、作業漏れのリスクが課題でした。特に、外出が多い従業員がPCを開いて入力する負担が大きく、経費申請が煩わしいものと認識されていました。

この課題に対し、マネーフォワード クラウド経費を導入。最も効率化を感じたのはワークフロー機能で、部門ごとの承認フロー設定により、社長の承認負担も軽減。場所を選ばずタイムリーな確認・承認が可能になりました。

また、マネーフォワード クラウド会計との連動により、経費データが自動で帳簿に反映され、経理の作業時間を大幅に削減。従業員もスマートフォンでの領収書OCR読み取りを主に利用し、手入力の手間が大幅に減少。結果として、経費精算に関する作業時間を従業員と管理部門合わせて約80%削減できたと実感されています。

出典参照:マネーフォワード クラウド経費の導入で80%作業時間が削減できました|Ascent Business Consulting 株式会社

スモールスタートで経理DXの第一歩を踏み出す

経理DXは、もはや一部の先進的な大企業だけが取り組む特別なプロジェクトではありません。深刻化する人手不足、度重なる法改正への対応、そして激化する市場競争。これらの課題に立ち向かい、企業が持続的に成長していくためには、すべての企業にとって不可欠な経営戦略となっています。

しかし、その重要性を理解していても、何から手をつければ良いのか分からず、立ち尽くしてしまうことがあるかもしれません。大切なのは、完璧な計画を立ててからでないと動けない、という考えを捨てることです。

まずは、自社の課題を正しく見極め、最も効果が見込めそうな小さな領域から、一歩を踏み出してみる「スモールスタート」の発想が重要です。例えば、「来月から届く請求書のうち、PDFで来るものだけは特定のフォルダに保存するルールを作る」だけでも立派な第一歩です。小さな成功体験を積み重ねることが、やがて大きな変革のうねりを生み出します。

この記事が、あなたの会社の未来を切り拓く、その小さな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。