経理DXのメリット7選|コスト削減・業務効率化・テレワーク対応まで解説

経理DXのメリットとは?本記事では、請求書処理の効率化やコスト削減、属人化の解消、テレワーク実現、法改正対応など7つのメリットを専門家が解説。導入の具体的なステップや注意点、目的別のおすすめツールも紹介し、あなたの会社のDX推進をサポートします。

月次・年次決算の繁忙期、頻繁な法改正への対応、そして慢性的な人手不足──。現代の経理部門は、数多くの複雑な課題に直面しています。請求書や領収書の処理といった日々の手作業に追われる中で、業務の属人化が進み、担当者不在時のリスクに不安を感じることも少なくないでしょう。

こうした山積の課題を、対症療法ではなく根本から解決する経営戦略が「経理DX」です。これは、単に紙をデジタルに置き換えるだけの「デジタル化」とは一線を画します。AIやクラウド技術を活用して業務プロセスそのものを変革し、経理部門の生産性を飛躍的に向上させる取り組みです。

この記事では、経理DXがもたらす具体的なメリットから、失敗しないための導入ステップ、目的別のおすすめツールまで、専門家の視点で分かりやすく解説します。日々の業務負担を軽減し、より付加価値の高い仕事を生み出すための具体的なステップをぜひご覧ください。

経理DXで得られる7つのメリット

経理DXの導入は日々の業務を楽にするだけでなく、コスト削減や組織強化など、企業経営に多岐にわたる恩恵をもたらします。

このセクションでは、経理DXを推進することで得られる代表的な7つのメリットを一つひとつ詳しく解説します。自社の課題と照らし合わせながら、どのような変化が期待できるかを確認してみましょう。

請求書処理・経費精算の業務効率化

手作業による入力や確認作業が自動化され、業務時間が大幅に短縮されます。従来の経理業務では、紙の請求書や領収書を一枚一枚めくり、勘定科目を確認しながら会計システムへ手入力し、二重三重のチェックを行うのが当たり前でした。

このプロセスには膨大な時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーが発生するリスクも常に伴います。経理DXツールを導入すると、AI-OCR(光学的文字認識)が書類を瞬時に読み取り、支払先、金額、日付といった情報を自動でデータ化してくれます。

例えば、取引先から受け取った請求書はスキャンするだけで仕訳候補が自動作成され、従業員の経費精算はスマートフォンのカメラで領収書を撮影するだけで申請が完了します。

これにより、経理担当者は単純な入力作業から解放され、空いた時間を資金繰りの分析や業務改善の企画といった、より付加価値の高いコア業務に充てられるようになります。これは単なる時間短縮に留まらず、担当者のモチベーション向上にも繋がる大きなメリットです。

ペーパーレス化によるコスト削減

紙の印刷代や郵送費、保管スペースにかかるコストを削減できます。

経理部門は、社内でも特に多くの紙を消費する部署の一つです。請求書、領収書、納品書、各種申請書など、日々大量の書類が発生し、その管理には目に見えるコストと目に見えないコストの両方がかかっています。

経理DXによってペーパーレス化を実現すると、まず紙代、プリンターのインク代、請求書を送るための封筒代や郵送費といった直接的な費用が不要になります。さらに、これらの書類を保管するために必要だったファイルやキャビネット、場合によっては外部の倉庫といった物理的なスペースも不要になり、オフィスの賃料や管理費の削減に繋がります。

また、「あの書類はどこにしまったか」と探し回る時間や、ファイリング作業にかかる人件費も無視できません。これらの目に見えないコストも削減できるため、ペーパーレス化による経済的効果は非常に大きいと言えるでしょう。環境負荷の低減に貢献できるという側面も、企業の社会的責任として重要です。

業務プロセスの標準化で属人化を解消

システム化によって業務フローが統一され、誰でも同じ品質で作業できるようになります。

「この処理は長年担当しているAさんしか分からない」といった属人化は、多くの企業が抱える深刻な課題です。特定の担当者に業務が依存している状態は、その担当者が急に休暇を取ったり、退職してしまったりした場合、業務が完全に停止してしまうリスクを孕んでいます。

経理DXは、この属人化を解消する強力な鍵となります。システムを導入する過程で、これまで個人の経験や勘に頼っていた業務プロセスが見直され、申請から承認、支払までの流れがシステム上で標準化・可視化されます。

例えば、承認ルートはシステムで固定化され、誰の承認が必要かが明確になります。これにより、担当者が変わっても業務の品質を一定に保つことができ、スムーズな引き継ぎが可能になります。

また、業務プロセスが標準化されることで、新入社員や部署異動者の教育コストを大幅に削減できるという副次的な効果も期待できます。

テレワークなど多様な働き方の実現

クラウド型のツールを導入すれば、場所を選ばずに経理業務を行えます。

従来の紙とハンコを中心とした業務フローでは、請求書の確認や押印のためだけに出社する、いわゆる「ハンコ出社」が常態化し、テレワーク導入の大きな障壁となっていました。経理DXを推進し、クラウド型の会計ソフトや経費精算システムを導入することで、経理担当者は自宅やサテライトオフィスからでも、請求書の処理や経費の承認といったほとんどの業務を完結させることが可能になります。

これは、従業員のワークライフバランスを向上させ、通勤の負担を軽減するだけでなく、企業の人材戦略においても大きなメリットをもたらします。

例えば、通勤が困難な地方在住の優秀な人材や、育児・介護といった事情でフルタイム出社が難しい人材も採用の対象とすることができます。また、台風や地震などの自然災害時や、パンデミック発生時においても事業を継続するためのBCP(事業継続計画)対策としても極めて有効です。

内部統制とセキュリティの強化

アクセス権限の設定や操作ログの記録により、不正防止とガバナンス強化を実現します。

紙の書類による管理は、実は多くのセキュリティリスクを抱えています。誰でも閲覧できる場所に置かれていれば情報漏洩のリスクがありますし、紛失や意図的な改ざん、不正な持ち出しといったリスクも否定できません。

経理DXは、こうしたリスクを低減し、企業の内部統制を強化する上で非常に効果的です。システム上では、役職や担当業務に応じて「閲覧はできるが編集はできない」「特定のデータにしかアクセスできない」といった形で、アクセス権限を細かく設定できます。

さらに、「誰が」「いつ」「どのデータにアクセスし」「どのような操作をしたか」という操作履歴(ログ)がすべて自動で記録されるため、不正行為の抑止力として機能します。万が一問題が発生した際も、原因の追跡が容易になるのです。

これらの機能は、企業の重要な情報資産を守るだけでなく、個人情報保護法を遵守し、経済産業省が定めるデジタルガバナンス・コードの実践にも繋がり、企業の社会的信頼性を高めます。

出典参照:個人情報の保護に関する法律|e-Gov法令検索

出典参照:デジタルガバナンス・コード|経済産業省

リアルタイムでの経営状況の可視化

最新の財務データが自動で集計・グラフ化され、経営判断の迅速化に貢献します。

「会社の正確な儲けは、月末に帳簿を締めてみないと分からない」というのが、これまでの経理の常識でした。しかし、変化の激しい現代のビジネス環境において、このタイムラグは経営判断の遅れという致命的なリスクに繋がります。

経理DXツール、特にクラウド会計ソフトなどを導入すると、日々の取引データがリアルタイムでシステムに反映され、売上高や利益、費用といった重要な経営指標がダッシュボードなどで常に可視化されます。

これにより、経営層は「今、会社がどのような状況にあるのか」を正確に把握し、データに基づいた迅速かつ的確な意思決定を下すことが可能になります。例えば、資金繰りの状況をリアルタイムで把握できれば、余裕を持った資金調達の計画が立てられます。

また、部門別や商品別の採算性を即座に分析し、不採算事業からの撤退や、好調な分野への追加投資といった戦略的な判断を素早く行えるようになります。

電子帳簿保存法・インボイス制度など法制度対応

法改正に対応したシステムを利用することで、コンプライアンス業務の負担を軽減します。

近年、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の開始など、経理部門が対応すべき法制度の変更が相次いでいます。これらの法改正に対応するためには、要件を正確に理解し、業務フローを見直したり、新たな書類を作成したりする必要があり、現場の担当者には大きな負担がかかります。

特に、手作業でこれらの要件をすべて満たそうとすると、ミスが発生するリスクや、膨大な確認作業が必要になります。経理DXツール、特にクラウドサービスは、こうした法改正に迅速に対応してくれる点が大きなメリットです。サービス提供事業者が法改正の内容に合わせてシステムを自動でアップデートしてくれるため、ユーザーは常に最新の法令に準拠した形で業務を行うことができます。

これにより、法対応のための情報収集やシステム改修にかかるコストと手間を大幅に削減し、追徴課税などのコンプライアンス違反のリスクを回避しながら、安心して本来の業務に集中できます。

出典参照:電子帳簿等保存制度特設サイト|国税庁

出典参照:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き|国税庁

そもそも経理DXとは?

単に「紙の請求書をPDFにする」「会計ソフトを導入する」といった個別のデジタル化と、経理DXは似て非なるものです。経理DXの本質は、AIやクラウドといった先進的なデジタル技術を前提として、経理業務のプロセス、組織のあり方、そして担当者の役割までを根本から「変革」することにあります。

例えば、請求書の受け取りから仕訳、支払承認、保管までの一連の流れを自動化し、人間は例外処理や分析業務に集中する。これは単なる効率化ではなく、業務のあり方そのものを再定義する取り組みです。

最終的なゴールは、経理部門を、過去の数値を処理するだけでなく、リアルタイムに集まるデータを分析・活用して未来の経営戦略を支援する「ビジネスパートナー」へと進化させることにあります。

手作業をなくしてコストを削減する守りの側面だけでなく、データドリブンな経営判断を支える攻めの側面を強化し、企業全体の競争力を高めることこそが、経理DXの真の目的なのです。

経理DX導入の具体的な4ステップ

経理DXを成功させるためには、計画的に進めることが重要です。このセクションでは、導入のための具体的な4つのステップを紹介します。

ステップ1.課題の可視化と目的の設定

「何のためにDXを行うのか?」という目的を明確にすることが、すべての始まりです。

まずは現状を正しく把握するため、経理部門が抱える課題を具体的に洗い出しましょう。「請求書の処理に毎月合計で何時間かかっているのか」「入力ミスによる差し戻しが月に何件発生しているか」「特定の担当者しか対応できない業務は何か」など、可能な限り数値化してリストアップします。

その上で、これらの課題を解決した先にどのような状態を目指すのか、という目的を定義します。例えば「請求書処理にかかる時間を50%削減する」「ペーパーレス化で印刷・保管コストを年間30万円削減する」といった、具体的で測定可能な目標(KPI)を設定することが重要です。

この最初のステップが曖昧なままでは、後続のツール選定の軸がぶれ、導入後の効果検証もできず、プロジェクト全体が迷走する原因となってしまいます。

ステップ2.DX化する業務範囲の決定

すべての業務を一度に変えようとせず、優先順位をつけて対象範囲を絞り込みましょう。

経理DXの理想像を描くと、つい多くの業務を一度にデジタル化したくなりますが、それは失敗の元です。現場の混乱を招き、新しい業務フローへの適応が追いつかず、かえって生産性を落としかねません。

成功の鍵は「スモールスタート」です。ステップ1で設定した目的に最も貢献し、かつ費用対効果が見えやすい業務から着手するのが定石です。一般的には、「経費精算」「請求書受領」「勤怠管理」といった、定型的で繰り返し発生する手作業が多い領域が最初のターゲットとして適しています。まずは限定的な範囲でツールを導入し、成功体験を積むことが重要です。

小さな成功は、現場担当者のモチベーションを高め、他部署からの協力も得やすくなるなど、次のステップへ進むための強力な推進力となります。焦らず、着実にDXの範囲を広げていくことが、最終的な成功への近道です。

ステップ3.ツールの選定と導入

自社の課題と目的を解決できる、最適なツールを見極めることが極めて重要です。

市場には数多くの経理DXツールが存在しますが、「有名だから」「価格が安いから」といった安易な理由で選んではいけません。必ず、ステップ1で設定した自社の目的に立ち返り、それを達成するために必要な機能が備わっているかを第一の基準にしましょう。

その上で、毎日使うツールだからこそ、経理の専門家でなくても直感的に操作できるか、導入後の疑問やトラブルに迅速に対応してくれるか、そして現在利用している会計ソフトや給与計算システムとスムーズに連携できるかといった観点から比較検討します。多くのツールには無料トライアル期間が設けられています。

この期間を最大限に活用し、実際に業務で使う経理担当者自身が操作感を試すことが不可欠です。現場の納得感を得ることが、導入後のスムーズな定着に繋がり、ツールの価値を最大限に引き出すことに繋がります。

ステップ4.運用と効果測定

ツールを導入して終わりではなく、効果を測定し、継続的に改善していくプロセスが不可欠です。

経理DXは、ツールを導入した瞬間がゴールではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。導入後は、新しい業務フローが現場にスムーズに定着するよう、丁寧なフォローが求められます。

同時に、ステップ1で設定したKPIを元に、定期的に効果を測定しましょう。「残業時間は目標通り削減できたか」「コストは計画通りに減っているか」などを数値で評価し、思うような効果が出ていない場合は、その原因を探ります。「ツールの特定の機能が使いにくい」「マニュアルが分かりづらい」といった現場の声に耳を傾け、ベンダーに改善を要望したり、社内向けの勉強会を開催したりと、具体的な対策を講じます。

このようなPDCAサイクルを粘り強く回し続けることで、導入したツールは真に自社にフィットしたものとなり、経理DXの効果を最大化していくことができるのです。

導入前に知るべき注意点と失敗例

経理DXは多くのメリットをもたらす一方、進め方を誤ると、時間とコストを浪費しただけで終わってしまうリスクも伴います。このセクションでは、多くの企業が陥りがちな3つの典型的な失敗例とその対策を解説します。

導入目的が曖昧

「DXの推進」そのものが目的化してしまい、結局誰も使わないシステムが生まれるケースです。

「競合他社が導入したから」「世の中の流行だから」といった動機でプロジェクトを始めると、この失敗に陥りがちです。DXはあくまで、自社が抱える課題を解決するための「手段」に過ぎません。

「なぜDXをやるのか」という根本的な目的、つまり「どの業務の、どのような課題を解決したいのか」が明確でなければ、ツール選定の基準が定まりません。結果として、営業担当者に勧められるがままに不要な機能までついた高価なツールを導入してしまったり、導入後に効果を測定することもできず、費用だけがかさむ「塩漬けシステム」と化してしまいます。

まずは、自社の課題を徹底的に洗い出し、具体的なゴールを設定すること。この地道な作業こそが、失敗を避けるための最も重要な第一歩となります。

現場の理解を得られず形骸化

経営層や情報システム部門が主導し、実際にツールを使う経理担当者の意見を聞かずに進めてしまうケースです。

新しいシステムの導入は、業務プロセスを大きく変えるため、現場の協力なくして成功はありえません。特に、新しいツールの操作に慣れるまでは、一時的に現場の負担が増えることもあります。その際に、導入の目的やメリットが十分に共有されていなければ、「余計な仕事を増やされた」という反発を招き、新システムの利用が全く浸透しないという事態に陥ります。

これを防ぐためには、プロジェクトの初期段階から経理担当者を巻き込むことが不可欠です。現状の業務で何に困っているのかをヒアリングし、ツール選定の際にも意見を求める。そして、導入によって彼らの業務がどのように楽になるのかを丁寧に説明し、共にDXを進めるパートナーとして巻き込んでいく姿勢が、プロジェクトの成否を大きく左右します。

費用対効果が見合わないツールの選定

自社の規模や課題に対して、機能が過剰な「オーバースペック」のツールを導入してしまうケースです。

ツールのパンフレットを見ると、魅力的な機能が数多く並んでいますが、そのすべてが自社に必要とは限りません。「大は小を兼ねる」という考えで多機能な上位プランを契約したものの、実際に使っているのは基本的な機能だけで、宝の持ち腐れになっている企業は少なくありません。

特に解決したい課題が「経費精算の効率化」だけであるにもかかわらず、会計から給与計算まで網羅した大規模なシステムを導入するのは、明らかな過剰投資です。ツールを選定する際は、まず自社が「絶対に解決したい課題」を明確にし、そのために必要な最低限の機能をリストアップすることから始めましょう。

まずはその課題をピンポイントで解決できるツールを導入し、将来的に他の課題が出てきた際に、連携や機能拡張を検討するという考え方が、無駄なコストをかけない賢明な進め方です。

目的別のおすすめ経理DXツール

経理DXを実現するツールは多岐にわたります。自社の目的に合わせて適切なツールを選ぶことが成功の鍵です。代表的な3つの業務領域に分け、それぞれのツールの特徴と、どのような課題を解決できるのかを具体的に紹介します。自社がどの領域から着手すべきかを考える参考にしてください。

会計ソフト

日々の取引記録から試算表、決算書の作成まで、経理業務全体の根幹を担うシステムです。 近年では、PCにインストールするタイプよりも、インターネット経由で利用するクラウド型会計ソフトが主流となっています。

その最大のメリットは、銀行口座やクレジットカードの取引明細を自動で取得し、AIが勘定科目を推測して仕訳候補を提案してくれる点にあります。これにより、これまで手作業で行っていた面倒な入力作業が劇的に削減されます。また、法改正があった際にも、サービス提供者がシステムを自動でアップデートしてくれるため、常に最新の法令に準拠した状態で業務を行える安心感も大きな魅力です。

さらに、リアルタイムで売上や費用の状況がグラフなどで可視化されるため、単なる帳簿作成ツールに留まらず、経営判断をサポートする強力な武器にもなります。経理業務全体の効率化を目指すなら、まず検討すべき中核的なツールと言えるでしょう。

代表的なツール例として、「freee会計」があります。

出典参照:クラウド会計ソフトfreee会計| フリー株式会社

請求書受領サービス

取引先から届く大量の紙やPDFの請求書をデータ化し、その後の処理を自動化することに特化したサービスです。

多くの企業で、請求書の処理は依然として手作業が多く残る領域であり、担当者の大きな負担となっています。このサービスを利用すると、郵送で届く紙の請求書はサービス提供事業者に直接送付し、スキャンとデータ入力を代行してもらうことが可能です。

PDFで届く請求書も、専用のメールアドレスに転送するだけで自動的にシステムに取り込まれます。AI-OCRが請求書情報を読み取り、仕訳データや支払データを自動で生成するため、担当者は内容の確認と承認作業に集中できます。

特にインボイス制度への対応において、受け取った請求書の登録番号が正しいかを自動でチェックしてくれる機能は非常に有用です。請求書の処理と管理に多くの時間を費やしている企業にとって、即効性の高い解決策となるでしょう。

代表的なツール例として、「Bill One」があります。

出典参照:Bill One領収書受領|Sansan株式会社

経費精算システム

交通費や出張費、備品購入費といった、従業員が立て替えた経費の申請から承認、精算までの一連のフローを電子化するシステムです。

従来の紙の申請書と領収書の糊付けといったアナログな作業は、申請者と経理担当者の双方にとって大きな手間でした。経費精算システムを導入すれば、従業員はスマートフォンのアプリを使い、領収書を撮影するだけで申請が完了します。

交通費も、連携した交通系ICカードの利用履歴から自動で計算されるため、面倒な経路検索や運賃の入力は不要になります。承認者も、外出先からスマートフォンで申請内容を確認し、承認作業を行えます。データは会計ソフトに自動で連携されるため、経理担当者の仕訳入力の手間も大幅に削減されます。

電子帳簿保存法の要件を満たしたシステムであれば、撮影後の領収書の原本を破棄することも可能になり、ペーパーレス化を大きく前進させることができます。

代表的なツール例として、「マネーフォワード クラウド経費」があります。

出典参照:マネーフォワード クラウド経費|株式会社マネーフォワード

さあ、経理DXの第一歩を踏み出そう

ここまで、経理DXがもたらす数々のメリットから、具体的な導入ステップ、そして注意点までを解説してきました。

経理DXは、単に日々の業務を効率化するためのツールではありません。コスト削減、属人化の解消、多様な働き方の実現、そしてデータに基づいた迅速な経営判断を可能にする、企業の未来を創るための重要な経営戦略です。

毎月の請求書処理や経費精算に追われる日々から、会社の経理部門を解放しませんか。そして、そこで生まれた貴重な時間と人材を、より創造的で、企業の成長に直接貢献する戦略的な業務へとシフトさせていきましょう。

「何から始めればいいか分からない」 と感じるかもしれません。しかし、完璧な計画を待つ必要はありません。まずはこの記事を参考に、自社の経理業務における課題を一つでも多く書き出してみること。そして、その課題を解決できそうなツールの資料を請求してみること。

その小さな一歩が、未来の経理部門を創造するための、そして会社の競争力を高めるための、確実な第一歩となるはずです。