法務DXによる業務効率化の進め方!課題解決からツール選定まで徹底解説

法務部門の業務が逼迫していませんか?この記事では法務DXで契約書管理や承認フローを効率化する方法を解説します。ツールの選び方から失敗しない導入ステップ、コストやセキュリティの課題まで、担当者が知りたい情報を網羅します。

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契約書の確認に時間がかかりすぎたり、押印のためだけに出社が必要になったりと、法務部門の業務負担は増していませんか。

この記事では、そのような課題を解決する「法務DX」について、基本から分かりやすく解説します。業務効率化を実現するための具体的な進め方や、自社に合ったツールの選び方が分かり、より戦略的な法務部門へ進化する第一歩となるでしょう。

法務DXとは?求められる背景

人材不足やリモートワーク普及などの構造的な変化に対しデジタル技術で強固な基盤を築き安定した機能を維持する法務DXのイメージ

法務DXとは、法務部門の業務プロセスにデジタル技術を導入し、業務効率と対応品質の向上を目指す取り組みです。近年、企業の法務部門は、定義・目的の整理、人材不足と業務量増加への対応、そしてリモートワーク普及に伴う業務フローの見直しという3つの課題に直面しています。

これらの課題は個別の問題ではなく、相互に関連した構造的な変化として捉えることが重要です。法務DXを推進することで、限られたリソースの中でも安定した法務機能を維持し、組織全体の意思決定を支える基盤を整えることができます。

法務DXの定義と目的

法務DXとはデジタル技術やITツールを使って、法務の仕事の進め方や組織を変革することです。単に紙の書類をデータ化するだけでなく、AIによる契約書チェックなどを通じて、業務全体の最適化を目指します。

主な目的は手作業を減らして業務を効率化することや、契約管理を徹底して企業の守りを固めることです。蓄積されたデータを活用して、経営判断に役立つ情報を提供するなど、事業に貢献する役割も期待されています。

これにより、従来の「守りの法務」から、ビジネスを加速させる「攻めの法務」への転換が可能になります。

💡 あわせて読みたい:[法務DXの基本をマスター!導入メリットと成功への4ステップ]

人材不足と増大する業務への対応

多くの企業では、事業が大きくなるにつれて契約書の数も増えていますが、法務部門の人数はなかなか増えないのが実情です。M&Aや新規事業の立ち上げなど、ビジネスが複雑化する中で、法務部門が対応すべき領域はますます広がっています。

少人数で膨大な業務をこなすには、従来のやり方では限界があります。法務DXは、こうした人手不足の問題をテクノロジーで補い、限られた人数でも高い成果を出すための重要な手段となります。

リモートワーク普及による業務フローの変化

リモートワークが当たり前になった現代でも、法務の仕事では契約書への押印や郵送作業のために出社が必要になることが少なくありません。このような非効率な働き方は、従業員の負担になるだけでなく、ビジネスのスピードを遅らせる原因にもなってしまいます。

紙ベースの業務フローは意思決定の遅延を招き、企業の競争力を損なう要因にもなりかねません。電子契約サービスなどのツールを導入すれば、場所を選ばずに仕事ができるようになり、今の時代の働き方に適応できるでしょう。

💡 あわせて読みたい:[リモートワークを加速させる!法務のペーパーレス化推進ガイド]

法務DXがもたらす4つのメリット

法務DXの推進は、法務部門の業務改善にとどまらず、企業経営全体に多面的な価値をもたらします。具体的には、契約書管理の効率化、コスト削減と生産性の向上、ガバナンス強化とコンプライアンス遵守、そして人的ミスの防止と業務品質の標準化という4つの観点から、その効果を整理できます。

これらのメリットは独立したものではなく、相互に作用しながら法務部門の機能を底上げします。デジタル化による業務プロセスの整備が、組織としての法務品質の安定と、経営判断を支える信頼性の確保につながるでしょう。

💡 あわせて読みたい:[メリットを最大化する法務DX!失敗しない進め方とツールの選び方]

契約書管理業務の大幅な効率化

紙で契約書を管理していると、必要な書類を探すだけで大変な時間がかかることがあります。法務DXツールを導入すれば、すべての契約書をデータで一元管理できるようになります。

キーワードや取引先の名前ですぐに検索できるようになり、過去の契約内容の確認が格段にスムーズになります。また、契約更新の時期が近づくと自動でお知らせしてくれる機能もあり、うっかり更新を忘れてしまうといったリスクを防ぐことが可能です。

これにより、これまで探し物に使っていた時間を、より戦略的な業務に充てられるようになります。

💡 あわせて読みたい:[契約管理のデジタル化がもたらすリスク回避と業務効率化の相乗効果]

コスト削減と生産性の向上

法務DXは、目に見える費用と見えない時間の両方を節約してくれます。紙の契約書を使わなくなることで、印刷代や郵送費、保管場所にかかる費用が不要になります。

例えば、電子契約サービス「クラウドサイン」では、導入してわずか数ヶ月で200万円のコストを削減した事例が紹介されています。

さらに、書類を探したり押印したりする作業時間が大幅に減るため、その時間をより付加価値の高い仕事に使えるようになります。「マネーフォワード クラウド契約」では、契約業務を月62.7時間から15時間へ工数削減した事例が紹介されています。結果として、法務部門全体の生産性が大きく向上することにつながるのです。

削減できたコストや時間は、新たな人材育成やシステム投資に回すこともできるでしょう。

出典参照:導入してわずか数ヶ月で200万円のコスト削減。工程削減も実現し、より良いサービス提供を。|弁護士ドットコム株式会社

出典参照:電子契約のコストはいくら?費用の相場や内訳、安くする方法|株式会社マネーフォワード

ガバナンス強化とコンプライアンス遵守

契約書などの重要書類をデータで一元管理することは、会社のルールを守り、健全な経営を続ける上で非常に重要です。

誰がいつ申請し、承認したのかという履歴がすべて記録されるため、承認の流れが透明になります。また、役職に応じて情報へのアクセス権限を細かく設定できるため、不正な情報の持ち出しや漏洩のリスクを減らし、会社の内部統制を強化できます。

監査の際にも、必要な情報を迅速に提出できるため、スムーズな対応が実現します。

人的ミスの防止と業務品質の標準化

人が手作業で行う以上、どうしても入力ミスや確認漏れは起こりがちです。AIが契約書をチェックするツールを使えば、契約書に潜むリスクや見落としがちな点を自動で指摘してくれます。

また、社内で決められた契約書のひな形をデータで共有することで、誰が担当しても一定の品質を保った書類を作成できるようになります。これにより、担当者の経験やスキルに頼ることなく、業務の質を標準化することが可能になるでしょう。

結果として、法務部門全体の業務品質が底上げされ、企業としての信頼性向上にも貢献します。

法務DXで効率化できる業務領域

属人化しやすい業務を標準化・可視化する法務DXのイメージ

法務DXは、契約業務やコンプライアンス対応など、これまで属人的になりやすかった領域を体系的に見直し、業務プロセスの標準化と可視化を図る取り組みです。企業では、案件数の増加や多拠点展開に伴い、対応の遅延や判断のばらつきが課題となりやすい傾向があります。

本章では、法務部門においてDXの効果が及びやすい主要な業務領域を整理し、それぞれの特徴と改善の方向性を概観します。各領域の役割を踏まえ、業務全体の整合性を維持しつつ効率化を進めることが重要です。

契約書の作成・審査・締結

契約に関する一連の業務は、法務DXによって大きく変わります。契約書を作成する際は、クラウド上にある最新のひな形を使うことで、古いフォーマットを使ってしまうミスを防ぎます。

審査の段階ではAIがリスクのある条文を自動で指摘してくれるため、レビューの時間を短縮し、見落としも減らせるでしょう。そして電子契約サービスを使えば、印刷や押印、郵送の手間がなくなり、契約を結ぶまでの時間の短縮が期待できます。

これにより、事業部門との連携がよりスムーズになり、ビジネス全体のスピードアップに貢献します。

契約書の管理・保管

結び終わった契約書を適切に管理することも、法務の重要な仕事です。専用のシステムを導入すれば、すべての契約書を一つの場所でまとめて管理できるようになります。

契約書の中身をキーワードで検索できるようになるため、必要な情報にすぐにたどり着けます。また、契約の更新時期が近づくと自動で知らせてくれる機能を使えば、対応漏れを防ぎ、適切な管理が実現します。

物理的な保管スペースが不要になるため、オフィスの省スペース化やコスト削減にもつながるでしょう。

社内法務相談・案件管理

他の部署から寄せられる法律に関する相談や、訴訟などの案件管理も効率化できます。相談を専用のフォームで受け付けるようにすれば、メールなどでの依頼が埋もれてしまうことを防げます。

それぞれの案件の担当者や進捗状況を一覧で確認できるため、担当者が不在のときでもスムーズな情報共有が可能です。過去の相談と回答をデータとして蓄積していけば、似たような相談があったときに素早く対応できるようになり、部門全体の対応力が向上します。

こうして蓄積されたナレッジは、部門にとって貴重な財産となり、新人教育などにも活用できます。

コンプライアンス管理・社内規程の整備

コンプライアンス管理や社内規程の整備では、法令改正への対応や社内ルールの周知徹底が重要なテーマの1つです。紙やファイルで分散管理された規程では、最新版の把握や改訂履歴の追跡が困難になる場面があります。法務DXでは、規程類をデジタル化し、バージョン管理や改訂履歴の記録を行うことで、情報の整合性を保ちやすくなるでしょう。

さらに、社内ポータルなどを通じて規程を一元的に公開すれば、従業員が必要な情報へアクセスしやすくなります。理解度テストや確認フローを組み合わせることで、周知状況の把握も可能です。加えて、法令改正に伴う影響範囲を整理し、関連部門への対応を連携して進める仕組みを整備すれば、対応の抜け漏れを抑制できます。

知的財産・リスク管理業務

知的財産やリスク管理に関する業務では、情報の網羅性と更新の適時性が重要です。特許や商標の出願状況、更新期限などを手作業で管理する場合、見落としが発生するリスクがあります。法務DXでは、これらの情報をデータベース化し、期限管理や進捗状況の可視化が可能です。

また、契約リスクや法的リスクに関する情報を一元的に整理すれば、リスク評価の精度向上につながります。過去のトラブル事例や対応履歴を蓄積することで、類似リスクの早期把握にも寄与するでしょう。さらに、関連部門と情報を共有し、リスクの発生可能性や影響度を多角的に検討できる環境を整備すれば、組織全体での対応力向上にもつながります。

【目的別】法務DXを実現する代表的なツール

法務DXを推進するうえで、目的に応じたツールの選定は重要な検討事項のひとつです。現在、法務部門向けのデジタルツールは、契約ライフサイクル管理システム(CLM)、AI契約書レビュー支援ツール、電子契約サービス、法律相談・案件管理システムの4カテゴリに整理できます。

各ツールは対象とする業務領域が異なり、導入目的によって適切な選択肢も変わります。これらを体系的に把握することで、自社の法務課題に対応したツール構成を検討しやすくなるでしょう。

契約ライフサイクル管理システム(CLM)

契約ライフサイクル管理システム(CLM)は、契約書の作成から締結、その後の保管や更新まで、契約に関する業務全体を一元的に管理するシステムです。

例えば「ContractS CLM」は、契約業務のプロセス全体を最適化し、業務の属人化を防ぐのに役立ちます。「LegalForceキャビネ」は、AIが締結済みの契約書を自動で読み取ってデータベース化してくれるため、管理の手間を大幅に削減できるでしょう。

また、「Hubble」は契約書のバージョン管理に強く、Wordファイルとの連携もスムーズなため、修正履歴の確認がしやすいという特徴があります。

出典参照:ContractS CLM|ContractS株式会社

出典参照:LegalForceキャビネ|株式会社LegalOn Technologies

出典参照:Hubble|株式会社Hubble

AI契約書レビュー支援ツール

AI契約書レビュー支援ツールは、AIが契約書の内容を分析し、リスクのある箇所や自社に不利な条文などを瞬時に見つけ出してくれるものです。

業界で多くの企業に導入されている「LegalForce」は、AIが瞬時にリスクを検知し、修正案まで提示してくれます。「LeCHECK」は弁護士が監修したAIを搭載しており、信頼性の高いチェックが期待できるでしょう。

「OLGA」は契約書レビュー機能だけでなく、法務相談の管理機能も備わっているため、複数の課題を一つのツールで解決したい場合に適しています。

出典参照:LegalForce|株式会社LegalOn Technologies

出典参照:LeCHECK(リチェック)|株式会社リセ

出典参照:OLGA|GVA TECH株式会社

電子契約サービス

電子契約サービスはこれまで紙とハンコで行っていた契約を、オンライン上で完結させるためのサービスです。

弁護士ドットコムが提供する「クラウドサイン」は、国内で非常に多くの企業に利用されており、安心して導入できます。「GMOサイン」も導入実績が豊富で、企業の規模に合わせた多様なプランが用意されているのが魅力です。

「マネーフォワード クラウド契約」は、会計や請求書発行といった他のバックオフィス業務のツールと連携しやすい点が大きなメリットと言えるでしょう。

出典参照:クラウドサイン|弁護士ドットコム株式会社

出典参照:GMOサイン|GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

出典参照:マネーフォワード クラウド契約|株式会社マネーフォワード

法律相談・案件管理システム

法律相談・案件管理システムは、社内から寄せられる法律相談や訴訟などの案件を一元管理し、対応状況を可視化するツールです。

例えば「OLGA」は相談の受付から回答、そして過去の事例として知識を蓄積するまでを一貫して管理できます。また、「LegalOn Cloud」は、契約書レビューから案件管理まで、法務に関する幅広い業務を一つのプラットフォームでカバーしているため、総合的な業務改善を目指す企業にとって心強い存在です。

出典参照:OLGA|GVA TECH株式会社

出典参照:LegalOn Cloud|株式会社LegalOn Technologies

失敗しない法務DXツールの選定ポイント

法務DXの効果を引き出すには、ツールの機能だけでなく、自社の実情に即した選定が不可欠です。選定時に確認すべきポイントは、自社課題との適合性、操作性とサポート体制の充実度、そしてセキュリティ要件への対応という3つの観点に整理できます。

これらの視点を軸に評価を進めることで、導入後のミスマッチや運用上の問題を未然に防ぎやすくなります。ツール選定は法務DX全体の成否に関わる工程であり、組織としての要件を整理したうえで判断することが重要です。

自社の課題を解決できるか

最も大切なのは、ツールを導入する目的をはっきりさせることです。「契約書を探すのに時間がかかっている」など、自分たちの部署が抱えている一番大きな課題を特定しましょう。

その課題を直接解決できる機能があるツールを選ぶことが、成功への近道です。流行っているからという理由だけで多機能なツールを選んでしまうと、結局使わない機能ばかりでコストだけがかさむことになりかねません。まずは現場の担当者が何に一番困っているのかを丁寧にヒアリングし、課題の優先順位をつけることが大切です。

機能が多くあるツールが必ずしも良いとは限りません。本当に必要な機能は何かを見極めることが重要になります。

操作性とサポート体制の充実度

法務担当者が必ずしもITツールに詳しいわけではありません。そのため、誰でも直感的に使えるような、分かりやすい操作性のツールを選ぶことが非常に大切です。

導入する前に無料でお試し利用などを活用し、実際に使いやすいかどうかを確認することをおすすめします。どんなに優れた機能があっても、操作が複雑で分かりにくいと、結局は使われなくなり、従来の非効率な業務に戻ってしまいます。

導入後の定着をスムーズに進めるためにも、ベンダーが提供する研修やマニュアルが充実しているかどうかも確認しておくと良いでしょう。また、困ったときにすぐ相談できるような、手厚いサポート体制が整っているかどうかも確認しておくと安心です。

セキュリティ要件を満たしているか

法務部門が扱う契約書などの情報は、会社の重要な機密情報です。そのため、ツールのセキュリティが安全であることは、絶対に妥協できないポイントになります。

データが暗号化されているか、不正なアクセスを防ぐ仕組みがあるか、そして信頼できる第三者機関の認証を取得しているかなどを確認しましょう。万が一、情報漏洩が発生してしまった場合、企業は計り知れない損害を被る可能性があります。

ツールの選定にあたっては、法務部門だけでなく、自社の情報システム部門やセキュリティ担当者にも相談し、専門的な視点から評価してもらうことが非常に重要です。自社のセキュリティルールを満たす、安全なツールを選ぶことが不可欠です。

法務DX導入の具体的な進め方

法務DXを着実に推進するには、感覚的な判断ではなく、段階的なプロセスに沿った進め方が有効です。具体的には、現状課題の可視化、導入範囲と目標の設定、ツール選定と費用対効果の検証、そしてスモールスタートによる効果検証という4つのステップで整理できます。

各ステップは順序に意味があり、前段階の検討結果が次の判断に影響します。このプロセスを順番に踏むことで、組織全体への展開を見据えた、再現性のある導入が可能になるでしょう。

ステップ1:現状の課題を可視化する

まず初めに、法務部門の現在の仕事の流れをすべて書き出し、どこにどのような問題があるのかを具体的に見えるようにします。「契約書のレビューに平均で何時間かかっているか」など、できるだけ数字で課題を把握することがポイントです。

なぜその課題が起きているのか、根本的な原因まで掘り下げて考えることで、より的確な解決策が見つかります。業務フロー図を作成して、どこに時間がかかっているのかを視覚的に捉えるのも非常に効果的です。

関係する部署の人に話を聞いて、現場のリアルな声を集めることも忘れないようにしましょう。

ステップ2:導入範囲と目標を設定する

すべての業務を一度に変えようとすると、現場が混乱してしまい、うまくいかないことが多いです。ステップ1で見つけた課題の中から、特に効果が大きそうな業務や、始めやすい業務に範囲を絞りましょう。まずは法務部門内だけで完結しやすい業務から着手すると、他部署との調整が少なくスムーズに進められます。

その上で、「契約レビューの時間を30%減らす」といった、具体的で分かりやすい目標を立てることが大切です。その際には、「いつまでに」という期限も忘れずに設定し、関係者全員で共有することで、全員が同じ方向を向いて取り組めるようになります。目標が明確であれば、進捗も確認しやすくなります。

ステップ3:ツール選定と費用対効果の検証

設定した目標を達成するために、最適なツールを選びます。いくつかのツールの資料を取り寄せて、機能や料金を比較検討してみましょう。ツールを選ぶ際は、現在の課題を解決できるかに加え、将来的に会社の成長に合わせて機能を拡張できるかどうかも見ておくと安心です。

導入にかかる費用と、それによってどれくらいの時間が節約できるかなどを計算し、投資する価値があるかを検証します。時間的なコスト削減だけでなく、コンプライアンス違反のリスクが減るといった「見えない効果」も考慮に入れると、より説得力が増すでしょう。こうすることで、社内で導入の承認を得やすくなるでしょう。

ステップ4:スモールスタートで効果検証

最初から会社全体で一斉に導入するのではなく、まずは特定のチームや業務から小さく始めてみるのが成功のコツです。小さな範囲でツールを使ってみて、その効果を確かめます。

この段階で得られた「業務がこれだけ楽になった」という成功体験は、今後、全社に展開していく際の強力な後押しとなります。導入したチームから定期的に意見を聞き、ツールの設定や運用ルールを改善していくことも大切です。

そこで分かった良い点や改善点を踏まえながら、少しずつ利用範囲を広げていくことで、無理なく全社に定着させることができます。

法務DX導入の障壁と対策

コストやセキュリティなど導入時の課題を整理する法務DXのイメージ

法務DXの導入を検討する際、多くの企業がコスト、セキュリティ、社内合意形成という3つの壁に直面します。これらは技術的な問題だけでなく、組織的・制度的な課題も含んでおり、それぞれに対応した視点を持つことが重要です。

障壁を正確に把握し、導入・運用コストへの考え方、セキュリティリスクへの対策、そして社内理解を得るための進め方を整理することで、推進上の課題に対して現実的な対応策を講じることができます。

導入・運用コストに対する考え方

新しいツールを導入するには、もちろん費用がかかります。この費用を単なる「出費」と考えるのではなく、将来の業務効率化やリスクを減らすための「投資」と捉えることが大切です。まずはスモールスタートで初期費用を抑えつつ、効果を実感してから段階的に投資を拡大していくという方法も有効です。

経営層に説明する際には、「このツールを導入すれば、年間でこれだけの時間が節約でき、人件費に換算するとこれだけの価値があります」というように、具体的な費用対効果を示して説明すると理解を得やすくなります。コンプライアンス違反による損害賠償リスクの低減といった、金額に換算しにくいメリットも合わせて伝えることで、より説得力が増すでしょう。

セキュリティリスクへの具体的な対策

クラウド上のサービスを利用することに、セキュリティ面で不安を感じる声が社内からあがるかもしれません。この不安をなくすためには、ツールを選ぶ段階でセキュリティ対策が万全か、十分に確認することが不可欠です。信頼できる認証を取得しているかなどをチェックし、その安全性を社内に丁寧に説明しましょう。

ツール選定の際には、法務部門だけでなく情報システム部門にも協力を仰ぎ、専門的な視点から安全性を評価してもらうことが重要です。また、ツールを利用する際の社内ルールをきちんと決めておくことも、リスクを減らす上で重要です。

社内の理解を得るための進め方

法務DXは、法務部門だけで進められるものではありません。契約業務には他の事業部も関わるため、関連部署の理解と協力がなければうまくいきません。なぜDXが必要なのか、導入するとどんないいことがあるのかを、相手の立場に立って分かりやすく説明することが大切です。

例えば、事業部向けには「契約締結までのスピードが上がり、ビジネスチャンスを逃さなくなります」といったメリットを伝えると、協力を得やすくなります。まずは協力的な部署から小さく始めて成功事例を作ることで、他の部署にも広めやすくなるでしょう。

まとめ|法務DXによる業務効率化を推進し現場と経営をつなぐ法務体制を構築しよう

法務DXはもはや特別なものではなく、会社の成長にとって重要な取り組みとなっています。業務を効率化し、会社の守りを固め、多様な働き方を実現するために、避けては通れない道と言えるでしょう。

何から始めたら良いか分からないと感じるかもしれませんが、その第一歩は、自分たちの部署が抱えている課題を一つひとつ見ることです。

日々の業務で感じている小さな不便や課題をリストアップし、この記事を参考にしながら、どこから手をつけるべきか考えてみてください。その小さな一歩が、未来の法務部門を大きく変えるきっかけになるはずです。

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