総務DXのメリットとは?業務効率化とコスト削減のポイント
医療
「医療現場でAIをどう活用できるか具体的な事例や導入方法を知りたい」
「医療DXでAIを活用した診療効率化や業務自動化の方法を探している」
「自院・組織での医療DX推進において、AI導入のメリットや効果を検討している」
医療DXでAI活用を検討している方のなかには、上記のようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
医療DXにおけるAI活用は、画像診断支援や医薬品開発、手術支援ロボットなどさまざまな場面で注目されています。この記事では、医療DXでAIの活用例やAI活用に成功した国内の事例を解説します。
医療DXでAI活用を導入する際のステップや、医療DXでAI活用を成功させるポイントもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

医療DXとは、デジタル技術を医療現場に取り入れ、業務の効率化や医療の質向上を目指す業界全体の変革です。電子カルテやオンライン診療などを通じて、患者さんの情報を共有し、医療従事者の負担を軽減するのが目的です。
とくに、集まった医療データをAIで分析し、診断支援や創薬に活かす動きは、医療DXにおける中心的な取り組みといえます。
医療DXの推進は、少子高齢化が進む日本で、持続可能な医療を提供するための重要な戦略です。

医療現場でAI活用が注目される理由は、以下の3つです。
1つずつ見ていきましょう。
医療現場でAI活用が注目される背景には、国が政策としてその導入を強力に後押ししている状況があります。国が主導すると、開発や導入に対する補助金制度の充実や、安全に利用するためのルール作りが進みます。
政府は医療DX推進本部を設置し、AIによる診断支援をはじめとする実証事業を積極的に進めている現状です。国の支援が、各医療機関にとってAI導入のハードルを下げているため、医療現場ではAI活用が注目されています。
出典参照:医療DX推進本部|内閣官房
医療DXでAI活用が注目されている理由は、高齢化で医療の需要が増す一方、医療現場の深刻な人手不足の解決につながるからです。AI問診を導入すると、医師が患者さんの症状を聞き取る時間を短縮できます。
また、レントゲン画像の読影支援は、AIが医師の判断をサポートする技術も実用化されつつあります。限られた人材でより質の高い医療を提供するため、AIによる業務の自動化や効率化が必要です。
出典参照:社会保障を支える人材を取り巻く状況 図表1-1-3医療・福祉の就業者数の推移|厚生労働省
画一的な治療だけでなく、個人の体質や生活習慣に合わせた医療へのニーズが高まっているのも、AI活用が注目される理由の1つです。AIは、電子カルテに蓄積された医療データを分析し、病気の早期発見や、患者さん1人ひとりに合った治療法を予測するのが得意です。
これまで医師の経験に頼っていた部分を、データといった客観的な根拠で支えられるため、AIの活用は、予防医療や個別化医療を実現する有効な手段になります。

医療DXでAIを活用するメリットは、以下の3つです。
それぞれご紹介します。
医療DXでAIを活用すると、問診やカルテ入力といった定型的な業務を自動化し、医療従事者の負担軽減が可能です。AIが患者さんの話から重要な情報を整理してくれるため、医師は診察により集中できるようになり、スタッフは人間にしかできない、患者さんとのコミュニケーションといった業務に時間を使えます。
医療DXにおけるAIの活用は、慢性的な人手不足に悩む医療現場の、働き方改革につながります。
医療DXにおけるAIの活用は、医師の診断をサポートし、医療の質向上につながります。AIによる画像診断支援は、レントゲン写真から人間では見つけにくい小さな病気の兆候を発見するのに役立ちます。
また、論文や臨床データを分析し、個々の患者さんに合った治療法を提案することも可能です。
医療DXを推進し、医師の経験とAIの分析を組み合わせた場合、より確実な医療につながります。
AIのデータ分析能力によって、患者さん1人ひとりの体質や生活に合わせた医療を提供できます。過去の診療履歴や生活習慣などの情報をAIが総合的に分析すると、患者さんの病気のリスクを予測し、その人に合った予防策の提案が可能です。
医療DXでAIを活用すると、これまで画一的になりやすかった治療を、個々の患者さんに合わせて最適化できます。まさにオーダーメイド医療の実現に、AIは必要な技術です。

医療DXにおけるAIの活用例は、以下の6つです。
1つずつ解説します。
医療におけるAI活用で進んでいるのが、CTやMRIなどの画像を解析して医師の診断を助ける画像診断支援です。AIは、過去の膨大な画像データを学習し、がんや微細な病変を見つけ出せるため、医師の見落としを防ぎ、読影にかかる負担を減らせます。
診断の精度とスピードが向上するため、医療DXによるAI活用は、病気の早期発見につながる有効な技術です。
医療DXにおけるAI活用は、患者さんの問診内容や検査データをもとに、関連する病名を予測して医師を助ける診断・治療支援でも活躍します。膨大な医学論文や症例を学習したAIが、客観的な視点で診断の候補を提示するため、医師はより多角的に症状を検討でき、初診時の見落とし防止に役立ちます。
医療DXでAIを活用し、医師の経験とAIのデータ分析力を組み合わせるのは、より迅速で正確な診断に効果的な取り組みです。
医療DXにおけるAI活用は、新しい薬を開発する創薬の分野でも、注目されています。従来、医薬品開発には長い年月と莫大な費用がかかっていましたが、AIを活用すると、膨大な化合物データのなかから、薬の候補となりうる物質を短時間で探し出すことが可能です。また、副作用の予測や、臨床試験の効率化にも役立ちます。
医療DXでAI活用をするのは、より早く、安く、効果的な新薬を患者さんに届けられる未来に向けて重要な取り組みです。
AIを搭載した手術支援ロボットは、医師の手の動きをより精密に再現し、手術の精度を高めるのに役立ちます。ロボットアームが医師の手ぶれを自動で補正し、人間の関節では不可能な角度で器具を動かせます。結果、小さい傷口での手術が可能となり、患者さんの出血量を減らすことが可能です。
医療DXでAIを活用し、手術支援ロボットを採用すると、患者さんの手術後の回復を早め、合併症のリスクを低減させる効果も期待できます。
介護や認知症ケアの分野でも、AIが高齢者の見守りや介護計画の作成を支援しています。ベッドや部屋に設置されたセンサーが、睡眠や活動のデータをAIで分析し、体調の異変を早期に検知する仕組みです。
また、個人の状態に合わせたケアプランを提案し、介護スタッフの業務を助けます。医療DXでAIを活用すると、介護者の負担を減らしながら、質の高いケアが実現できます。
AIは、個人の遺伝子情報を解析し、最適な治療法を見つけ出すゲノム医療で中心的な役割を担います。とくに、がん治療において、膨大な遺伝子データから、どの抗がん剤が患者さんに効きやすいかをAIで予測が可能です。
医療DXでAIを活用すると、ゲノム医療により、治療効果を最大化しながら副作用を最小限に抑える個別化医療が可能になります。
医療DXにおけるAI活用は、難病の克服にもつながる未来の医療に必要な技術です。

医療DXのAI活用に成功した国内の事例は、以下の3つです。
1つずつ見ていきましょう。
東京ミッドタウンクリニックは、健康診断の結果をAIで分析し、将来の生活習慣病リスクを予測するシステムを導入しています。血液検査のデータから、数年以内に糖尿病を発症する確率を具体的に示すのが特徴です。
疾病予測システムにより、受診者は自分の健康状態をより深く理解し、予防に向けた行動を起こしやすくなります。
AIで病気の予防をするといった、新しい価値を提供する先進的な事例です。
出典参照:導入事例・ユースケース | 疾病リスク予測AIサービス | 東芝デジタルソリューションズ
出典参照:AI解析可能な新問診票が2020年中にスタートいたします|東京ミッドタウンクリニック
波乗りクリニックは、AI搭載カメラで喉を撮影してインフルエンザを判定する検査機器を導入しています。従来のような鼻の奥に綿棒を入れる痛みをともなう検査が必要なく、とくに小さなお子さんの負担を減らせるのがメリットです。
AIが喉の画像からインフルエンザに特徴的な所見を解析し、医師の診断を補助できます。患者さんの苦痛を和らげる、新しい技術活用の良い事例です。
出典参照:AI搭載の新しいインフルエンザ検査「nodoca」を導入しました。 | 波乗りクリニック
大阪公立大学では、胸部のX線写真1枚から、AIが肺の機能を推定する高精度なモデルが開発されました。従来、肺の機能検査は専門の機器が必要でしたが、どこでも撮影できるX線写真を使うと、より手軽に病気のスクリーニングをおこなえます。
この技術は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)といった呼吸器の病気を、自覚症状が出る前に発見するのに役立つと期待されています。
出典参照:AIが肺機能を推定! 胸部X線画像を使用した高精度モデルを開発|大阪公立大学

医療DXでAIを活用するうえでの課題は、以下の3つです。
それぞれ解説します。
医療AIの課題は、判断が常に正しいとは限らず、精度や信頼性をどう保証するかにあります。AIの性能は、学習に使われたデータの質や量に左右されるため、人の命に関わる医療現場では、わずかな診断ミスや見落としも許されません。
AIの信頼性・精度の担保が困難であるため、AIが出した結果を鵜呑みにせず、最終的には医師が責任を持って判断するのが重要です。
AI活用でさまざまな患者データを扱うと、サイバー攻撃による情報漏洩のリスクが高まるといった課題があります。医療情報はとくにプライバシー性が高く、万が一外部に流出してしまうと、病院の信頼を損ないかねません。
データを安全に管理・運用するための、高度なセキュリティ対策が必要です。
AIのメリットを享受するためにも、まずは患者さんが安心して情報を提供できるデータ管理体制を築きましょう。
AIの診断支援で医療ミスが起きた場合、責任の所在が不明確なのも、AIの普及を阻む課題です。最終的な判断は医師がおこなうとしても、AIが出した誤った情報を参考にした場合、誰がどこまで責任を負うのかルールが定まっていません。
法的な問題がはっきりしないため、多くの医療機関がAIの本格導入に慎重になっているのが実情です。AI技術にともない、安心してAIを活用できる社会的な仕組みづくりが求められます。

医療DXでAI活用を導入する際のステップは、以下の4つです。
1つずつご紹介します。
医療AI導入の最初のステップは、「何のために使うのか」といった目的を明確に定めることです。「医師の読影作業の負担を減らしたい」といった、解決したい課題を具体的にしましょう。
目的がはっきりしていると、導入が望ましいAIの種類が絞り込めるうえ、導入後にその効果を正しく評価できます。
解決する課題と導入目的を明確にし、なぜAIが必要なのかを関係者全員で共有するのが、プロジェクト成功には重要です。
導入目的を達成できるAIシステムを、複数の候補のなかから機能や費用、サポート体制などを比較して選びます。AIの診断精度はもちろん重要ですが、現在使っている電子カルテとスムーズに連携できるかも大切なポイントです。
また、導入後のトラブルに対応してくれるサポート体制が整っているかも見極めましょう。自院の運用環境に合う製品を選ぶのが重要です。
導入するAIシステムが決まった場合、院内でスムーズに活用するための運用体制を整え、職員への教育をおこないます。AIの利用方法や、トラブル発生時の対応などを定めたルールを明確にし、すべての職員が安心して使えるよう、操作研修や勉強会を実施しましょう。
とくにITに不慣れなスタッフへの丁寧なフォローが、医療DXの定着を促し、AIを最大限に活用する体制づくりにつながります。
AI導入は、まず一部の診療科や特定の業務で小規模に開始し、その効果を検証しながら進める「スモールスタート」がおすすめです。放射線科の画像診断支援のみで試験的に運用して、そこで得られた課題を改善し、効果が確認できてから全院へ展開すると失敗を防げます。
小さな成功体験を積み重ねていくのが、院内全体へAIを浸透させる確実な方法です。

医療DXでAI活用を成功させるポイントは、以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
医療AIの活用を成功させるには、まず「AIで何を解決したいのか」といった目的を明確に定めるのが重要です。「画像診断の見落としを減らしたい」といった、具体的な課題を設定します。
目的がはっきりしていると、数あるAIのなかから自院に合ったツールを選びやすいです。また、導入後にその効果を正しく評価するためにも、最初の課題設定が重要です。
医療AIの活用では、患者さんの大切な情報を守るため、万全のセキュリティ体制を整えるのが大前提です。外部からのサイバー攻撃への対策はもちろん、院内でのデータへのアクセス管理ルールを厳格に定める必要があります。個人情報保護法の法令を守り、職員へのセキュリティ教育を徹底しましょう。
安全な環境があって初めて、患者さんも安心してデータを提供してくれます。
AIを導入しても、現場スタッフが使いこなせないと意味がないため、職員への教育と運用体制の整備が、医療DXでAI活用を成功させるポイントです。操作方法の研修会実施や分かりやすいマニュアル用意など、誰もが安心して使える環境を整えましょう。
また、「AIの分析結果を誰がどう確認するか」といった院内ルールを明確に定めるのも大切です。継続的なサポートが、AIを現場に定着させるのにつながります。

医療AI導入で失敗しないための注意点は、以下の3つです。
1つずつ解説します。
医療AIはあくまで医師を支援する技術であり、最終的な診断は必ず医師自身の責任でおこなうのが大前提です。AIの判断が常に正しいとは限らないため、その結果を鵜呑みにするのは危険です。
AIが示した診断候補を参考にしつつも、自らの専門知識と経験にもとづいて総合的に判断する姿勢が求められます。AIと医師の役割分担を明確にしておくのが、安全な医療提供において重要です。
AIのなかには、判断の根拠やプロセスが不明瞭な状態のものがあるのを理解しておきましょう。なぜAIがその診断結果を出したのかを医師が説明できないと、患者さんへの説明責任を果たせません。
また、万が一の医療ミスの際にも、原因の検証が困難です。近年では、判断理由を提示してくれる説明可能なAIも登場しているため、導入時にはAIによる判断の根拠やプロセスも考慮して選定しましょう。
医療DXでAIを導入する際の判断では、初期費用に加えて、保守や更新にかかる継続的な運用コストも正確に把握しておくのが大切です。導入費用が安くても、毎月のライセンス料が高額な場合、長期的な経営負担になりかねません。
医療DXでAIを導入する際は、「トータルでいくらかかるのか」を数年単位で見積もり、得られる効果と見合うかを慎重に検討するのが重要です。導入前に中長期的な費用対効果を試算しておくのが、失敗を避けるポイントです。

医療DXにおけるAIは、医療従事者の能力を引き出し、より質の高い医療を実現するのに有効な技術です。AIは医師の代わりではなく、その判断を助けるサポート役であり、過信は禁物といえます。
AI活用における導入目的を明確にし、安全な運用とスタッフの協力体制を築くのが成功のポイントです。
AI導入時の課題も理解したうえで、医療DXでAIを活用しましょう。