DifyとLINEを連携してAIチャットボットを構築する方法を解説

DifyとLINEを連携させ、プログラミング不要でAIチャットボットを構築する具体的な手順を解説します。アカウント作成からMessaging APIの設定、Webhookの接続までを網羅。さらに文書要約やOCRといったビジネス活用例も紹介し、業務効率化や顧客対応の自動化を目指す方に向けたガイドです。

生成AIの活用が企業や個人問わず広がりを見せる中、ノーコード開発プラットフォームである「Dify(ディファイ)」と、コミュニケーションアプリ「LINE」を連携させたチャットボット開発に注目が集まっています。

従来、高機能なAIチャットボットを自社サイトやアプリケーションに導入するには、複雑なプログラミング知識や高額な開発費用が必要でした。しかし、Difyを活用することで、専門的なコードを書くことなく、LLM(大規模言語モデル)を搭載したボットを作成できます。

本記事では、DifyとLINEを連携させるための設定手順から、文書要約やOCR(光学文字認識)といった応用的な活用例までを網羅的に解説します。社内業務の効率化や顧客対応の自動化を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

※画像は全てイメージです。

Dify(ディファイ)とは

Difyは、オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォームです。GPT-4やClaude、Geminiといった主要な生成AIモデルを自由に選択し、チャットボットやテキスト生成ツールなどを直感的な操作で作成できます。主な特徴は、RAG(検索拡張生成)と呼ばれる技術を実装できる点にあります。これにより、社内マニュアルや特定のドキュメントをAIに参照させ、その内容に基づいて回答する「独自データに強いボット」を構築できます。

LINE連携による3つのメリット

LINE連携による3つのメリットは、以下のとおりです。

  • アプリ不要で使い慣れた画面から利用できる
  • 通知に気づきやすく即座に情報が届く
  • 画像や音声による直感的な入力ができる

Webサイト上のチャットボットと比較して、国内で多くのユーザー数を抱えるLINEを活用することで、導入のハードルを下げつつ利便性を高めることが可能です。それぞれの特徴を理解し、自社の課題解決にどのように寄与するか検討してください。

アプリ不要で使い慣れた画面から利用できる

LINE連携の利点は、ユーザーに新たなアプリケーションのインストールや操作学習を強いる必要がない点です。日常的に利用しているLINEアプリ上で完結するため、ITツールに不慣れな層でも抵抗感なく利用を開始できます。

専用の社内アプリやWebポータルを構築しても、使い方が複雑であれば利用率は伸び悩みます。対してLINEであれば、トーク画面を開くだけでAIチャットボットと対話できるため、導入直後からスムーズな活用が期待できます。

通知に気づきやすく即座に情報が届く

メールやWebブラウザ上のチャットツールとは異なり、プッシュ通知機能によって情報の到達率が高まる傾向にあります。AIからの回答や業務上の重要な通知をスマートフォンの待ち受け画面でリアルタイムに確認できるため、見落としを防ぎやすくなるでしょう。

例えば、業務フローの承認依頼や緊急の連絡事項などをDify経由でLINEに通知できれば、外出中の担当者でも即座に対応の判断が可能になります。コミュニケーションの滞留時間を短縮し、業務スピード全体の向上が期待できるでしょう。

画像や音声による直感的な入力ができる

テキスト入力だけでなく、画像の送信や音声入力といったLINEの標準機能を、そのままAIへのプロンプト(指示)として活用できます。外出先や移動中など、スマートフォンでの文字入力が煩わしい状況でも、直感的な操作でAIを利用可能です。

Difyのマルチモーダル機能と組み合わせることで、カメラで撮影した書類や現場の写真を送信してAIに解析させたり、音声入力で日報を作成したりといった使い方が視野に入ります。キーボード操作を前提としないインターフェースは、現場業務のDXを推進する助けとなるはずです。

連携に必要な事前準備

スムーズに設定を進めるために、以下の環境とアカウントをあらかじめ用意してください。

  1. Difyアカウント

AIチャットボットの頭脳となる部分を作成・管理します。クラウド版とローカル版がありますが、本記事ではクラウド版を想定して解説します。

  1. LINEアカウント

開発者アカウントの作成や動作確認に必要です。普段利用している個人のLINEアカウントで問題ありません。ただし、会社によっては利用不可の場合もあるため、所属する会社に確認してください。

  1. LINE Developersアカウント

LINEと外部ツール(Dify)をつなぐための設定を行う管理画面です。既存のLINEアカウントでログインして登録します。

  1. PC環境(ブラウザ)

設定作業は複雑なコピー&ペーストを伴うため、スマートフォンではなくPCでの作業を推奨します。

【手順】DifyとLINEを連携させる5つのステップ

ここからは、実際に連携を行う手順をステップバイステップで解説します。専門的な知識は不要ですが、IDやキーのコピー&ペーストを正確に行う必要があります。

ステップ1:Difyでチャットボットを作成

まずはDify側でアプリケーションの土台を作成します。

  1. WebブラウザでDifyの公式サイトにログインし、「スタジオ」またはダッシュボード画面を開きます。
  2. 「最初から作成」をクリックし、アプリケーションのタイプとして「チャットボット」を選択します。
  3. アプリ名(例:LINE連携AIボット)を入力し、「作成する」ボタンをクリックしてください。
  4. 設定画面が開いたら、使用するモデル(GPT-4oなど)を選択し、プロンプト(AIへの指示)を入力します。「あなたは親切なカスタマーサポートです」といった役割を与えるとスムーズです。

ただし、GPT-4oやClaude3など外部モデルを利用する場合は、各社の有料APIキーが必要です。Difyの無料枠だけでは使用できないモデルもあるため、事前にAPIキーを取得して設定してください。

ステップ2:LINE Developersでチャネルを開設

次に、LINE側の受け口となる「Messaging APIチャネル」を作成します。

  1. 「LINE Developers」にアクセスし、ご自身のLINEアカウントでログインします。
  2. 初めて利用する場合は開発者名などを登録し、コンソール画面へ進みます。
  3. 「新規プロバイダー作成」をクリックし、プロバイダー名(組織名や個人名など)を入力して作成します。
  4. 作成したプロバイダーを選択し、「新規チャネル作成」から「Messaging API」を選択してください。
  5. 必須項目(チャネル名・チャネル説明・業種など)を入力し、利用規約に同意して作成を完了させます。

ステップ3:連携に必要なキー情報を取得

DifyとLINEが通信するために必要な情報を取得します。これらはセキュリティ上、重要な情報ですので、取り扱いには注意してください。

  1. 作成したMessaging APIチャネルの「チャネル基本設定」タブを開きます。
  2. 画面をスクロールし、「チャネルシークレット(Channel Secret)」を見つけ、コピーしてメモ帳などに控えます。
  3. 次に「Messaging API設定」タブに切り替えます。
  4. 一番下にある「チャネルアクセストークン(長期)」の項目で「発行」ボタンをクリックします。表示された長い文字列をコピーして控えてください。

ステップ4:DifyにLINEの情報を登録

Difyの管理画面に戻り、取得したキーを入力して連携を有効化します。

  1. Difyのアプリ編集画面にあるメニューから「ツール」あるいは「公開する」の近くにある「Settings」を探します。

※バージョンにより配置が異なりますが、「チャネル(Channels)」や「統合」という項目を選択します。

  1. 連携可能なプラットフォーム一覧から「LINE」を選択します。
  2. 以下の項目に、ステップ3で控えた情報を貼り付けます。
  • Channel Secret(チャネルシークレット)
  • Channel Access Token(チャネルアクセストークン)
  • IP Allowlist(基本設定のままで問題ありませんが、IP制限が必要なケースもあります)
  1. 「保存」をクリックします。
  2. 保存後、画面上に LINE用の Webhook URLが自動生成されます。これがLINEからDifyへメッセージを送るための住所になります。

ステップ5:LINE側にWebhookを設定してテスト

最後に、Difyの住所(Webhook URL)をLINE側に教えます。

  1. LINE Developersコンソールの「Messaging API設定」タブに戻ります。
  2. 「Webhook設定」の項目にある「Webhook URL」の入力欄に、先ほどDifyでコピーしたURLを貼り付けます。
  3. 「更新」をクリックした後、必ず「Webhookを利用する」というスイッチをオンにしてください。これを忘れると連携が機能しません。
  4. 「検証」ボタンを押し、「成功(Success)」と表示されることを確認します。

【注意点】自動応答メッセージの解除と動作確認

LINE公式アカウントには、デフォルトで自動応答メッセージが設定されています。これがオンのままだと、DifyのAIからの返信と、LINE側の定型文が重複して送信されてしまいます。LINE Official Account Manager(旧:LINE@ MANAGER)にアクセスし、「設定」>「応答設定」から、「応答メッセージ」をオフ、「Webhook」をオンに設定してください。

これで設定は完了です。LINE Developers画面にあるQRコードを読み込み、ボットを友だち追加してメッセージを送ってみましょう。AIからの返信が届けば成功です。

Dify×LINEチャットボットの活用例3選

単なる雑談ボットにとどまらず、Difyの機能をフル活用することで、ビジネスの現場や日常生活に役立つ実用的なツールをLINE上で構築するケースが増えています。ここでは、実際に公開されている例や技術情報を基に、代表的な3つの活用パターンを紹介します。

例1.顧客対応・社内ナレッジ活用Q&Aボット

Sun Asteriskなどの例で見られる代表的な活用法は、問い合わせ対応の自動化です。Difyのナレッジ機能(RAG)を駆使し、膨大な社内マニュアルや製品ドキュメントをAIの検索拡張により文書を参照することで、顧客からの質問に対して即座に回答するボットを構築できます。これにより、顧客は待ち時間なく問題を解決でき、対応スタッフの工数も削減されるでしょう。

また、この仕組みは対外的なサポートだけでなく、社内ヘルプデスクにも応用可能です。総務への申請手順や経費精算のルールなど、頻繁に発生する社内問い合わせをLINEボットが代行することで、バックオフィス業務の効率化と属人化の解消に寄与するでしょう。

出典参照:Dify導入事例10選|業務効率化・社内活用の成功パターンと注意点を解説|株式会社Sun Asterisk

例2.LINE連携による社内ナレッジ検索・業務効率化

技術情報共有サイトZennで公開されているSolvio株式会社の例は、社内に散在する情報をLINEから検索できる仕組みです。従来のキーワード検索では、目的のドキュメントに辿り着くまでに時間を要することが課題でしたが、Difyと連携させることで、自然な話し言葉での質問が可能になります。「会社の住所は?」「〇〇事業の概要を教えて」とLINEに送るだけで、AIがナレッジベースから適切な回答を抽出して提示します。

PCを開けない外出先や移動中でも、スマートフォン一つで必要な社内情報にアクセスできるため、営業担当者や現場スタッフの業務生産性を高める有効な手段といえるでしょう。

出典参照:Dify×LINE公式連携で作る!AIチャットボット構築|クラスメソッド株式会社

例3.画像認識(OCR/Vision)による栄養分析ボット

YouTubeなどで具体的な開発手順が公開されている「栄養分析ボット」は、Difyのマルチモーダル機能を活かした先進的な例です。Difyのプランやモデル選択によってですが、ユーザーが食事の写真をLINEで送信するだけで、GPT-4oなどの高性能モデルが画像を解析し、料理名や推定カロリー、栄養素を算出します。

テキスト入力の手間をかけずに、写真を撮って送るという直感的な操作で完結するため、継続的な利用を促しやすいのが特徴です。この画像認識技術は、レシートの経費入力や手書きメモのデジタル化など、アナログ情報をデータ化する多様な業務プロセスへの応用が期待でき、DX推進の新たな切り口となるでしょう。

出典参照:【Dify事例】Dify × LINE × Makeでできる栄養分析bot | れみおさん @lemilemilemio

トラブルシューティング:動かない場合のチェックリスト

設定したはずなのにボットが反応しない場合は、以下の項目を確認してください。

(1)Webhookの利用がオフになっていないか

LINE Developersコンソールでスイッチがオンになっているか再確認しましょう。

(2)アクセストークンのコピーミス

余分なスペースが入っていたり、文字が欠けていたりしませんか。再発行して貼り直すことで解決する場合があります。

(3)Difyアプリが公開状態か

Difyでは、アプリを利用可能にするには 「Publish」 または 「Deploy」 を実行する必要があります。アプリの種類によって表記が異なります。編集途中の状態では外部連携が動作しないことがあるため、公開またはデプロイ済みであることを確認してください。

(4)LINE公式アカウントの応答設定

「応答メッセージ」がオンになっていると、Webhookの正常な動作を妨げる場合があります。必ずオフに設定してください。

まとめ|DifyとLINEを連携して業務効率を加速させよう

DifyとLINEを連携させることで、専門的な開発スキルがなくても、実用性があるAIチャットボットを構築できます。特に、LINEという慣れ親しんだインターフェースを通じてAIの力を提供できる点は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進において役立つでしょう。

まずはシンプルな会話ボットから始め、徐々に社内ドキュメントとの連携や画像認識などの機能を付加していくことで、自社に最適な業務効率化ツールへと育てていくことをおすすめします。ぜひ本記事の手順を参考に、AI活用の第一歩を踏み出してください。

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