『n8n×Pinecone』社内知識を検索 フォルダを参照するRAGチャットボットの構築術

『n8n×Pinecone』で社内知識検索を自動化し、Googleドライブのフォルダを参照するRAGチャットボットをノーコードで構築することで、情報活用率を劇的に向上させるDX実践ガイドです。

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はじめに|n8n×Pineconeで実現する「社内知識検索」RAGシステム

「社内の膨大な資料を、セキュアに、高速に検索できるAIシステムが欲しい」

現代の企業では、契約書、技術文書、マニュアル、提案書など、膨大なドキュメントがGoogleドライブやSharePointに散在しています。これらの情報を効率的に活用することは、競争力の源泉となります。

本記事では、n8nPineconeを組み合わせて、Googleドライブのフォルダを参照する高性能RAGチャットボットを構築する方法を詳しく解説します。

💡 あわせて読みたい:[n8nを活用したRAG(知識検索と応答生成)の基本とノーコードチャットボット作成の全体像]

RAGチャットボットの実際の活用シーン:法務・技術・営業部門での具体例

このシステムは以下のような場面で威力を発揮します。

  • 法務部門:過去の契約書から類似条項を瞬時に検索
  • 技術部門:技術仕様書やトラブルシューティング情報を即座に参照
  • 営業部門:提案書のテンプレートや成功事例を素早く取得
  • カスタマーサポート:製品マニュアルから顧客の質問に即答
  • 経営企画:戦略文書や市場分析レポートを横断的に分析

システムアーキテクチャの全体像

システムアーキテクチャの全体図

Googleドライブ、n8n、Pinecone、OpenAIが連携する全体構成

コンポーネント

役割

特徴

Googleドライブ

データソース

既存の文書管理システムを活用

n8n

オーケストレーション

ノーコードで複雑なワークフロー構築

Pinecone

ベクターデータベース

超高速検索と無限のスケーラビリティ

OpenAI

AI処理エンジン

最先端の自然言語処理

それでは、実際にRAGシステムを構築していきましょう。

第1章:n8n×Pinecone RAG構築に必要なツールの準備と環境設定

この章では、Pinecone RAGチャットボット構築に必要な環境設定を行います。

1-1. Googleドライブ連携のためのOAuth認証 詳細設定とGCPでの手順

GoogleドライブとのAPI連携には、セキュアなOAuth2.0認証を使用します。

Step 1:OAuth認証の事前準備

必要な情報

  • n8nのインスタンスURL(例:https://your-n8n.com
  • Googleアカウント(Workspace推奨)
  • Google Cloud Platformへのアクセス権

Step 2:Google Cloud Projectの作成

  1. Google Cloud Platformにアクセス
  2. My First Project」→「新しいプロジェクト」をクリック

Google Cloud Projectの作成画面

新しいGCPプロジェクトを作成

  1. プロジェクト情報を入力

項目

入力値

備考

プロジェクト名

n8n google credentials

わかりやすい名前

組織

あなたの組織

個人の場合は「組織なし」

場所

デフォルト

そのまま

新しいプロジェクト選択画面

Step 3:OAuth同意画面の設定

  1. 左メニューから「APIとサービス」→「OAuth同意画面

OAuth同意画面の設定を選択している画面キャプチャ

  1. 以下の情報を設定

設定項目

設定値

重要度

アプリ名

n8n google API

必須

サポートメール

あなたのアドレス@domain.com

必須

ユーザータイプ

外部

必須

連絡先情報

あなたのアドレス@domain.com

必須

アプリ情報確認画面

外部を選択している画面キャプチャ

連絡先情報の確認画面

終了して作成する画面キャプチャ

Step 4:OAuth認証情報の作成

  1. 左メニューから「認証情報」→「認証情報を作成」→「OAuthクライアントID

OAuth認証情報の作成画面

  1. 以下を設定

設定項目

設定値

アプリケーションの種類

ウェブアプリケーション

名前

n8n google Drive

承認済みリダイレクトURl

n8nから取得したURL

制いて情報の確認画面

承認済みリダイレクトURL確認画面のキャプチャ

クライアントIDとクライアントシークレットの保存画面

  1. 生成された情報を保存
  • クライアントID:xxxxx.apps.googleusercontent.com
  • クライアントシークレット:GOCSPX-xxxxx

Step 5:OAuthユーザーの追加

  1. 左メニューから「APIとサービス」→「OAuth同意画面

OAuth同意画面の選択画面

  1. 「対象」のテストユーザーにある「Add users」をクリック
  2. ユーザー(認証するGoogleアカウントのアドレス)を入力し「保存」

ユーザー追加画面

Step 6:必要なAPIの有効化

以下のAPIを有効化します。

API名

用途

必須

Google Drive API

ファイルアクセス

Google Sheets API

スプレッドシート連携

Google Docs API

ドキュメント処理

有効化手順

  1. 左メニューから「APIとサービス」→「ライブラリ

ライブラリ選択画面

  1. 各APIを検索して「有効にする」をクリック

APIを検索して有効にする画面

Google Drive API検索画面

有効にする画面キャプチャ

Step 7:n8nでの認証設定

  1. n8nでGoogle Driveノードを追加

n8nでの認証設定画面

フォルダ検索画面のキャプチャ

  1. Create new credentialをクリック
  2. 以下を入力

項目

入力値

Client ID

GCPで取得したID

Client Secret

GCPで取得したシークレット

  1. Sign in with Google」をクリックして認証完了

Googleでサインインする画面のキャプチャ

認証が成功した状態

💡 あわせて読みたい:[Googleドライブ連携の応用:動画保存をトリガーに記事作成やSNS投稿を自動化する仕組み]

1-2. AI処理エンジンとなるOpenAI APIキーの取得と管理

AI処理エンジンとなるOpenAIのAPIキーを取得します。

APIキーの作成と管理

  1. OpenAI Platformにアクセス
  2. 左メニューから「API keys
  3. 右上にある「Create new secret key」をクリック

Open AI Platformにアクセスした画面

APIキーの作成画面

1-3. Pineconeベクターデータベースの設定と高性能Index作成

Pineconeベクターデータベースを構築します。

Pineconeアカウントの作成

  1. Pineconeにアクセス
  2. Start Free」をクリック
  3. アカウント情報を入力

Pineconeアカウント作成画面のキャプチャ

APIキーの生成と管理

  1. ダッシュボードから「API Keys」を選択
  2. Create API Key」をクリック

APIキーの生成と管理画面

APIキーの管理画面

Indexの作成と最適化

Indexは検索性能の要です。適切な設定が重要です。

  1. 左メニューから「Indexes」 → 「Create Index」をクリック

Indexの作成と最適化の画面キャプチャ

  1. 以下の画像の通り設定を行う

new indexの作成画面

Dimensionの設定画面

awsの選択画面のキャプチャ

最適なIndex設定

作成されたIndexの画面キャプチャ

作成されたIndex

1-4. RAGチャットボットが参照するGoogleドライブのデータ準備

RAGチャットボットが参照するデータを準備します。

サンプルデータのダウンロード

テスト用のサンプルファイルを用意しました。

[ サンプル就業規則.pdf – ダウンロード]

[ サンプル技術マニュアル.pdf – ダウンロード]

第2章:n8nで構築する自動化システム|RAGワークフローの実装手順

この章では、実際にn8nでRAGチャットボットのワークフローを構築します。

ワークフロー全体の構成

構築するワークフローは2つの主要部分から構成されます。

ワークフローの全体図

完成するワークフローの全体像

パート

ノード群

役割

データ処理部

Google Drive → Pinecone

ドキュメントのベクター化と保存

チャット部

Chat Trigger → AI Agent

ユーザーとの対話処理

STEP1|GoogleドライブからRAGデータソースを効率的に取得する設定

Googleドライブから複数のファイルを効率的に取得する設定を行います。

Manual Triggerを追加します。

1-1. Google OAuth認証の詳細設定のStep7の工程によりAPI連携まで完了しています。

  1. n8nで「Search files and folders」ノードをクリック
  2. 「Credential to connect with」でGoogleドライブのアカウントとAPI連携がされているかを確認

※GoogleコンソールでGoogleドライブのAPI連携を許可しないと連携できません

  1. 連携が完了したら、Filter項目にある「Add Filter」をクリック
  2. 「From list」で第1章で用意したGoogleドライブのフォルダ名を指定

GoogleドライブのアカウントとAPI連携がされているか確認画面

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

次にGoogle Driveノードの「Download file」を追加します。

  1. 「Search files and folders」の右側の「+」をクリック
  2. 検索窓にGoogle Driveと入力
  3. 「Download file」を選択
  4. 「Credential to connect with」でGoogleドライブのアカウントと連携
  5. File項目で「By ID」を指定し、FixedからExpressionに切り替える
  6. By IDの右側にあるフォームに {{ $json.id }} と入力

Google DriveノードのDownload fileの追加画面

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

STEP2|取得ファイルをベクター化しPineconeベクターストアへ保存する構築手順

取得したファイルをベクター化してPineconeに保存します。

  1. 「Download file」の右側の「+」をクリック
  2. 検索窓にPinecone Vector Storeと入力

取得ファイルをベクター化しPineconeベクターストアへ保存する構築手順画面

  1. 「Add documents to vector store」を選択

Add documents to vector store選択画面

  1. 「Credential to connect with」で、第1章で準備したPinecone APIキーを入力し認証

APIキー入力画面

  1. 認証したら、Pinecone Index項目でIndexを指定 ※第1章で作成したものです。

index指定画面のキャプチャ

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

次に「Embeddings OpenAI」ノードを追加します。

  1. Pinecone Vector Storeから分岐するEmbeddingの「+」をクリック
  2. 検索窓にEmbeddings OpenAIと入力し、表示されるノードを追加

Embeddings OpenAIノードを追加している画面

  1. 「Credential to connect with」でAPI連携を完了させる
  2. Model項目を「text-embedding-3-small」に設定

※PineconeでIndexを作成した際に指定したModelを選択してください。

Credential to connect withでAPI連携させている画面

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

更に「Default Data Loader」を追加します。

  1. Pinecone Vector Storeから分岐するDocumentの「+」をクリック
  2. 検索窓にDefault Data Loaderと入力し、表示されるノードを追加

検索窓にDefault Data Loaderと入力して表示されるノードを追加している画面

  1. Type of Data項目を「Binary」に設定

Type of Data項目をBinaryに設定している画面

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

ここまでの設定が終わったら、ワークフローを実行してみましょう。

するとPinecone にデータがアップロードされ、RAGの情報源となるデータの準備が完了します。

データのアップロード実行

  1. ワークフロー全体を Save
  2. Execute Workflow をクリック
  3. 各ノードが緑色になることを確認
  4. Pineconeの管理画面からアップロードされたデータを確認

Execute workflowしている画面

アップロードされたデータを確認している画面キャプチャ

Pineconeの管理画面からアップロードされたデータ

STEP3|Chat TriggerとAI Agentを活用したチャットボットインターフェースの実装

ユーザーとの対話部分を既存のワークフローとは離れた場所に構築します。

Chat Triggerの追加

  1. キャンバスの右側にある「+」をクリック
  2. 「Chat Trigger」を検索して追加
  3. Back to canvas でキャンバスに戻る

Chat Triggerの追加画面

AI Agentノードの追加

  1. Chat Triggerの右側の「」をクリック
  2. AI Agent」を検索して追加
  3. Back to canvas でキャンバスに戻る

AI Agentノードの追加画面

OpenAI Chat Modelの追加

  1. AI Agentから分岐する「Chat Model」の「」をクリック
  2. OpenAI Chat Model」を選択して追加
  3. Back to canvas でキャンバスに戻る

Memoryの追加

  1. AI Agentから分岐するMemoryの「+」をクリック
  2. 「Simple Memory」を選択
  3. Back to canvas でキャンバスに戻る

Memoryの追加画面のキャプチャ

更にPinecone検索ツールの追加

  1. AI Agentから分岐するToolの「」をクリック
  2. AI Agentノードから分岐する「Tool」の「+」をクリック
  3. 検索窓にPinecone Vector Storeと入力

更にPinecone検索ツールの追加画面

  1. 「Add documents to vector store」を選択
  2. 「Credential to connect with」でAPI連携を行う
  3. Operation Modeを「Retrieve Documents (As Tool for AI Agent)」に設定
  4. Descriptionに「ユーザーからのチャットに対して返信するときに参照する情報です。」と入力
  5. Pinecone Indexは「n8n-rag」を選択

n8n-rag等設定している画面

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

検索用Embeddingの追加

  1. AI Agentノード傘下のPinecone Vector Storeから分岐するEmbeddingの「+」をクリック
  2. 検索窓にEmbeddings OpenAIと入力し、表示されるノードを追加

検索用Embeddingの追加画面

  1. 「Credential to connect with」でAPI連携を完了させる
  2. Model項目を「text-embedding-3-small」に設定

API連携とモデル項目を設定している画面キャプチャ

  1. Back to canvas でキャンバスに戻る

チャットボット部分の完成形図

チャットボット部分の完成形

💡 あわせて読みたい:[インターフェースを拡張!SlackにAIチャットボットを組み込み、社内コミュニケーションを活性化させる方法]

STEP4|構築したRAGチャットボットの動作確認とテスト実行

完成したシステムの動作を確認します。

チャットインターフェースの起動

  1. ワークフロー全体を「Save
  2. Execute Workflow」の横の「Hide chat」をクリック
  3. チャットウィンドウが表示される

チャットインターフェースの起動画面

チャットインターフェース

おわりに|企業DXを推進する知識管理の未来とRAGシステムの可能性

本記事では、n8nPineconeを活用したRAGチャットボットの構築方法を詳しく解説しました。

このPinecone RAGシステムは、単なる検索ツールではありません。組織の知的資産を最大限に活用し、競争優位性を生み出す戦略的プラットフォームです。

ぜひこのシステムを基盤として、あなたの組織独自の知識管理システムへと発展させ、デジタル変革を推進してください。

📚 参考リソース

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