『Dify×スプレッドシート』バッチ処理でビジネスアイデアを量産!AIによる自動考案・評価システム構築方法

AIプラットフォーム『Dify』とスプレッドシートを使い、ビジネスアイデアを自動で量産・評価するシステム構築術を解説します。バッチ処理機能を活用し、誰でもノーコードでDXを実践できるワークフロー設計を網羅したガイドです。

はじめに|DifyとAIを活用したビジネスアイデア自動生成の可能性

優れたビジネスは「一見ありえないものの組み合わせ」から生まれるという考え方があります。本記事では、この法則に則り、AIが持つ「存在しないものをそれらしく表現する能力」を活用して、革新的なビジネスアイデアを自動生成するシステムを構築します。

このシステムの作成には、Difyというプラットフォームを使用します。Difyは、オープンソースで提供されているLLMOps(Large Language Model Operations)プラットフォームであり、プログラミングの専門知識がなくても、AIを活用したアプリケーションを簡単に構築・運用できるツールです。

Difyの主な機能は以下のとおりです。

機能

説明

複数LLMの統合管理

OpenAI、Claude、Mistralなど、様々な大規模言語モデルを切り替えて利用可能

プロンプト編集

直感的なインターフェースでプロンプトの作成・調整が可能

DSLファイルによる共有

他者が作成したワークフローを自分の環境に簡単に複製可能

バッチ処理

CSVファイルを使った一括処理が可能

Dify×スプレッドシート連携による「アイデア量産システム」の全体像

本システムは、以下の4つのステップで動作します。

  1. キーワードを一つ設定する
  2. 設定したキーワードとは全く関係のないランダムなキーワードを生成する
  3. 二つのキーワードを組み合わせたビジネスアイデアを考えさせる
  4. 生成されたアイデアを評価させる

特にステップ2の「ランダムなキーワードを生成させる部分」は、試行錯誤の余地が大きいポイントです。使用するモデルや設定の調整によって結果が大きく変わるため、様々なパターンを試してみることをおすすめします。

ビジネスアイデア自動生成システムの処理フロー

第1章|事前準備:Difyワークフロー用のDSLファイルと入力用CSVを用意する

この章では、システム構築に必要なファイルを準備します。

【効率化の鍵】Dify用DSLファイルの取得と活用のメリット

以下のDSLファイルをダウンロードしてください。このファイルには、ビジネスアイデア生成のためのワークフロー設定が含まれています。

ダウンロードファイル

– ファイル名: Business Idea.yml

DSLファイルとは、Difyで作成したワークフローの設定を外部ファイルとして書き出したものです。このファイルをインポートすることで、他者が構築したワークフローを自分の環境で再現できます。

バッチ処理を成功させるための入力用CSVファイル作成手順

以下の形式でCSVファイルを用意してください。

A列に記載された単語がキーワードの一つとして設定され、行の数だけ並列で処理が実行されます。A列にはご自身の得意領域や興味のある分野を設定することをおすすめします。

第2章|実践ガイド:Difyでビジネスアイデア生成ワークフローを構築する4ステップ

この章では、Difyを使ってビジネスアイデア自動生成システムを実際に構築していきます。以下の4つのステップに沿って進めてください。

STEP1. DSLファイルをインポートしてDifyワークフローを即時構築

Difyにログインし、ダウンロードしたDSLファイルからワークフローを作成します。

手順

  1. Difyのダッシュボードを開く
  2. 「スタジオ」に移動する
  3. 「DSLファイルをインポート」を選択する
  4. ダウンロードしたBusiness Idea.ymlファイルを選択する
  5. インポートが完了すると、ワークフローが作成される

DSLファイルからワークフローをインポートする画面

STEP2. AIの応答精度を高めるプロンプトとLLMパラメータの最適化

ワークフローが作成されたら、プロンプトなどの設定をお好みに合わせて調整します。

設定可能な主な項目は以下のとおりです。

  • 使用するLLMモデルの選択
  • プロンプトの文言調整
  • 生成パラメータ(温度、最大トークン数など)の調整

プロンプトの編集画面。各パラメータを調整できます

STEP3. 「Run Batch」機能による複数アイデアの一括生成と実行手順

設定が完了したら、ワークフローを公開してバッチ処理を実行します。

実行手順

  1. 「公開する」をクリック
  2. 「更新を公開」をクリック
  3. 「アプリを実行」を選択
  4. 「Run Batch」で1章で準備した入力用CSVファイルをアップロード
  5. 「EXECUTE」をクリックして実行開始

結果の取得

実行が完了すると、右上の「Download」ボタンから結果のCSVファイルを取得できます。

STEP4. Google スプレッドシートを活用した出力データの可視化・整理

出力されたCSVファイルはそのままでは見づらいため、整形用のスプレッドシートを使用してデータを整理します。

[整理用スプレッドシートのURLを貼る]

手順

  1. 提供されているスプレッドシートを開く
  2. 「ファイル」→「コピーを作成」を選択し、自分のGoogle ドライブにコピーする
  3. スプレッドシートの「result」タブを開く
  4. A2セルを先頭に、CSVファイルのデータを値貼り付けする
  5. 「整形」タブを開くと、見やすく整形されたデータが表示される

resultタブにCSVデータを貼り付ける

整形タブで見やすくなったデータ

アイデアの評価・スコアリング:有望なビジネスの種を見極める方法

整形されたデータには、生成されたビジネスアイデアとともにスコアが表示されます。

スコア付きで表示されたビジネスアイデアの一覧

スコア表示機能により、アイデアの評価が一目で把握できます。一定のスコアを基準に足切りを行い、有望なアイデアのみを抽出するという活用方法も考えられます。

今回はDifyのバッチ処理機能のユースケースの一つとして構築しましたが、様々なモデルの特性を比較・理解する上でも有用なシステムといえます。

おわりに|Difyのバッチ処理でビジネスのDXと創造性を加速させる

Difyとスプレッドシートを連携させ、ビジネスアイデアを自動で量産・評価するシステムの構築は以上となります。

バッチ処理を活用したこのワークフローは、単なるアイデア出しにとどまらず、以下のような様々なビジネスシーンへの応用が可能です。

  • 市場調査の初期フェーズにおける仮説生成
  • 市場調査の初期フェーズにおける仮説生成

膨大な市場データやトレンド情報をバッチ処理で一括解析することにより、人間が手作業で行うには膨大な時間を要する「初期仮説の立案」を迅速化します。AIが多角的な視点から市場の相関関係や潜在的なニーズを抽出することで、主観に囚われない客観的な市場分析が可能となります。

  • 新商品のコンセプト立案

過去のヒット商品の特徴、顧客レビュー、競合他社の動向といった多層的な情報を一度に処理することで、新しい価値を生み出すコンセプトの種を量産できます。このプロセスにより、数多くのアイデアから筋の良いものだけを効率的に絞り込むことができ、商品開発における「企画の質とスピード」を両立させることが可能です。

  • 既存事業の改善案の抽出
  • 既存事業の改善案の抽出

日々の業務フローや顧客からのフィードバック、運営データなどを網羅的に読み込ませることで、現状のボトルネックや非効率なプロセスを自動的に洗い出します。バッチ処理によって一貫性のある基準で全体を俯瞰(ふかん)できるため、担当者レベルでは気づきにくい構造的な課題に対する具体的な改善策を、ナレッジとして蓄積・共有することができます。

これらの応用により、単純な作業の自動化にとどまらず、組織全体の意思決定の精度を高める「知的生産の基盤」としてワークフローを機能させることが可能になります。

DSLファイルやプロンプトの調整次第で、さらに精度の高い、革新的なアウトプットを得ることができます。ぜひ、あなたのビジネスを加速させるツールとしてご活用ください。

Difyの公式ドキュメントおよび用語解説(参考情報一覧)

本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしました。

公式ドキュメント・リポジトリ

  • Dify公式サイトhttps://dify.ai/jp
  • Dify公式ドキュメントhttps://docs.dify.ai/ja-jp
  • Dify GitHubリポジトリ https://github.com/langgenius/dify
  • LLMOpsとは(Dify公式) https://docs.dify.ai/ja-jp/learn-more/extended-reading/what-is-llmops

用語解説

用語

説明

Dify

オープンソースのLLMOpsプラットフォーム。ノーコードでAIアプリケーションを構築可能

LLMOps

Large Language Model Operationsの略。大規模言語モデルの開発・運用・管理を効率化するための手法

DSLファイル

Difyで作成したワークフローの設定を外部ファイルとして書き出したもの

バッチ処理

複数のデータを一括で処理する方式

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