プロトタイプ開発によってプロダクトが生み出された3つの事例を紹介
開発手法
アジャイル開発の具体的な進め方を図解付きでわかりやすく解説します。仮説設定からバックログ作成、実装と検証、振り返りまでの全体像を把握し、実務で活用するためのポイントも紹介しており、開発プロセスを改善したい方に役立つ内容となっています。
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※エンジニア数は2026年8月期 第1四半期決算説明資料に基づきます。
システム開発を進める中で、途中で要件が変わったり、完成後にユーザーのニーズとズレが生じたりした経験はありませんか。従来の開発手法では、計画通りに進めても実際の現場で求められる機能とのギャップが生まれやすく、手戻りや無駄なコストが発生しがちでした。
そこで注目されているのがアジャイル開発という進め方で、変化に柔軟に対応しながらプロダクトを成長させていく手法として多くの開発現場で採用されています。本記事では、アジャイル開発の基本的な考え方から、実際にどのようなステップで進めていくのかまで、図解を交えながら詳しく紹介していきます。
記事を読むと、アジャイル開発がどのような流れで行われるのか全体像を把握でき、実務でどう取り入れればよいかイメージしやすくなるでしょう。

アジャイル開発とは、短い期間で設計・実装・テストを反復し、動作する成果物(インクリメント)を継続的に積み上げながらプロダクトを改善していく開発手法を指します。各反復で「リリース可能な状態」を目指しつつ、実際のリリース頻度は体制やプロダクト特性に応じて調整します。従来のウォーターフォール型開発では、最初に全体の要件を固めてから順番に工程を進めていくため、途中で仕様変更が発生すると対応が難しくなりがちでした。
一方でアジャイル開発では、計画を細かく区切って実装と検証のサイクルを何度も回すため、市場の変化やユーザーの声に応じて柔軟に方向修正できる点が特徴となります。完璧な計画を最初から立てるのではなく、実際に動くものを早い段階で作り、フィードバックを得ながら改善を重ねていく姿勢が重視されます。
このアプローチによって、プロジェクトの途中で新たな課題が見えてきたときにも素早く対応でき、結果としてユーザーにとって本当に価値のあるプロダクトを届けやすくなるでしょう。
アジャイル開発は大きく分けて、仮説と目的の設定、バックログ作成と優先順位付け、短期間での実装と検証、振り返りと改善という流れで進められます。それぞれのステップは独立しているのではなく、循環しながら繰り返されていく構造になっており、この反復によってプロダクトが徐々に成長していきます。
ここでは各ステップについて、具体的にどのような作業を行うのか詳しく見ていきましょう。
アジャイル開発の最初のステップでは、何のためにプロダクトを開発するのか、どのような価値を提供したいのかを明確にします。この段階で仮説や目的がぶれていると、その後の優先順位付けや実装の判断に迷いが生じやすくなるため、チーム全体で共通認識を持つことが大切です。
目的が明確になれば、開発中に判断に迷ったときでも立ち返る基準ができ、方向性を見失わずに進められるでしょう。
アジャイル開発では、最初にどのような課題を解決したいのかを具体的に洗い出します。現状でユーザーや市場が抱えている問題点を整理し、それに対してどのようなアプローチで解決できるかという仮説を立てていきます。
例えば、業務の効率化が課題であれば、どの作業に時間がかかっているのか、なぜ時間がかかるのかを掘り下げていく作業が必要です。仮説を立てるときには、思い込みだけで進めるのではなく、実際のユーザーの声や現場の状況を踏まえて検証しやすい形で設定するとよいでしょう。
課題と仮説が明確になると、開発中に機能を追加するかどうか迷ったときにも、本当に課題解決につながるかという視点で判断しやすくなります。
課題が明確になったら、次にプロダクトを通じて提供したい価値とゴールを定義していきます。ここでいう価値とは、ユーザーがそのプロダクトを使うことでどのようなメリットを得られるかという視点で考えるとわかりやすいでしょう。
ゴールを設定する際には、抽象的な表現ではなく、達成したかどうかを判断できる形にすることが大切です。価値とゴールが曖昧なままだと、開発途中で関係者の認識がずれていき、方向性を修正するのが難しくなってしまいます。
チーム全員が共通の価値観とゴールを持つことで、優先順位を決める際にも議論がスムーズになり、一貫性のある判断ができるようになるでしょう。
プロダクトの価値を検証するためには、誰がどのような場面で使うのかを具体的にイメージしておく必要があります。ターゲットとなるユーザーの属性や行動パターン、抱えている課題を整理し、実際にプロダクトを使う場面を想定していきます。
利用シーンが明確になると、どの機能を優先的に開発すればよいか判断しやすくなり、検証の際にも適切なフィードバックを得やすくなるでしょう。ユーザー像が曖昧なままだと、誰にとっても中途半端な機能になってしまうリスクがあります。
開発チームだけでなく、営業やサポートなど他部門のメンバーとも連携しながら、リアルなユーザー像と利用シーンを描いていくとよいでしょう。
仮説と目的が明確になったら、次に実現したい機能や要件を洗い出してバックログとして整理していきます。バックログとは、開発すべき項目をリスト化したもので、アジャイル開発ではこのリストを基に作業を進めていく流れです。
ここでは優先順位を適切に設定することが大切で、価値の高いものから順に取り組むことで効率的な開発が実現できるでしょう。
バックログを作成する際には、プロダクトに必要な機能や要件をできるだけ幅広く洗い出していきます。この段階では細かい仕様まで決める必要はなく、まずはどのような機能があればユーザーにとって価値があるかを列挙していく作業が中心となります。
洗い出しの際には、開発チームだけでなく、実際にプロダクトを使う立場の人や顧客と接している営業担当者などからも意見を集めると、多角的な視点で機能を検討できるでしょう。すべてを完璧に定義する必要はなく、開発を進めながら追加や修正を行っていく前提で進めていきます。
幅広く機能を洗い出すことで、後から重要な要件が漏れていたと気づくリスクを減らせるでしょう。
洗い出した機能や要件に対して、ユーザーにとっての価値や、開発におけるリスクを基準に優先順位を決めていきます。価値が高く、かつ技術的なリスクが低いものから順に取り組むことで、早い段階で成果を出しやすくなります。
優先順位を決める際には、ビジネス的な価値だけでなく、技術的な依存関係や、検証を早く行いたい仮説があるかどうかも考慮するとよいでしょう。すべての機能を同時に進めるのではなく、優先度の高いものに集中することで、チームのリソースを効果的に使えます。
また、優先順位は固定されたものではなく、状況の変化に応じて柔軟に見直していく姿勢が大切です。
バックログの各項目は、短期間で実装と検証ができるサイズに分割していきます。大きな機能のまま扱うと、完成までに時間がかかり、途中でフィードバックを得る機会が減ってしまうため、小さな単位に分けることが大切です。
分割する際には、それぞれの作業単位が独立して価値を提供できるか、動作確認やテストが行えるかという視点で考えるとよいでしょう。小さく分割することで、問題が発生した際にも影響範囲を限定しやすくなり、修正の負担軽減につながります。
適切なサイズに分割されたバックログがあれば、チームメンバーが並行して作業を進めやすくなり、開発のスピードも向上するでしょう。
優先順位が決まったバックログをもとに、実際に設計から実装、テストまでを短いサイクルで繰り返していきます。短い反復サイクルで進める場合、スクラムではこの期間を「スプリント」と呼びます。フレームワークによって運用は異なりますが、短いサイクルで実装と検証を回す点が共通します。
完璧なものを目指すよりも、まずは動くものを作ってフィードバックを得ることが重視されるため、素早く改善を重ねられるでしょう。
アジャイル開発では、スプリントと呼ばれる短い期間を設定し、その中で設計、実装、テストまでを完結させます。スプリントの期間は固定されており、その期間内で実現できる範囲の作業を選んで進めていく流れです。
各スプリントの開始時には、何を実現するか目標を明確にし、終了時にはその成果を確認する場を設けます。期間が決まっているため、作業の範囲を適切に調整する判断力が求められます。
スプリント単位で区切ることで進捗が可視化され、問題が発生した場合でも迅速に対処できます。
アジャイル開発では、細部まで作り込んだ完璧な成果物を目指すのではなく、まずは動作する最低限の機能を実装することを優先します。動くものがあれば、実際にユーザーに使ってもらったり、関係者に見せたりしてフィードバックを得ることができるためです。
最初から完璧を目指すと、時間をかけて作ったものが実際には求められていなかったというリスクが高まります。早い段階で動くものを作ることで、方向性が正しいかどうかを確認でき、必要に応じて軌道修正しやすくなるでしょう。
完成度を高めるのは、方向性が正しいと確認できてから行う方が効率的です。
スプリントで作った成果物は、実際のユーザーやプロジェクトの関係者に見せてフィードバックをもらいます。この段階で得られる意見や反応が、次のスプリントで何を優先すべきかを判断する重要な材料となります。
フィードバックを得る際には、ただ感想を聞くだけでなく、実際に使ってもらいながら観察したり、具体的な改善点を質問したりすると有益な情報が得られるでしょう。期待していた反応と異なる場合でも、それが貴重な学びとなり、プロダクトの改善につながります。
定期的にフィードバックを得る仕組みを作ることで、ユーザーのニーズからずれたまま開発が進むリスクを防げるでしょう。
各スプリントが終わったら、チームで振り返りの時間を設けて成果と課題を共有します。この振り返りは、プロダクトの改善だけでなく、開発プロセスやチームのコミュニケーション方法など、あらゆる側面を対象として行われます。
継続的に振り返りと改善を繰り返すことで、チームの生産性が向上し、より質の高い成果物を生み出せるようになるでしょう。
振り返りでは、スプリント中に達成できたことと、できなかったことを率直に共有します。個人の責任を追及するのではなく、チーム全体でどのような状況だったかを客観的に整理し、次に活かせる学びを見つけることが目的です。
成果については、どの取り組みがうまくいったのか、なぜうまくいったのかを分析することで、今後も再現できる要素を見つけられるでしょう。課題については、原因を掘り下げて考え、同じ問題を繰り返さないための対策を検討していきます。
チームメンバー全員が発言しやすい雰囲気を作ることで、多様な視点から振り返りができ、気づきが深まるでしょう。
振り返りでは、開発プロセスや進め方そのものについても改善点を探します。例えば、タスクの見積もり方法、コミュニケーションの取り方、ツールの使い方など、開発をスムーズに進めるための工夫を考えていきます。
小さな非効率が積み重なると、チーム全体の生産性に影響を与えるため、気になった点はすぐに改善策を検討するとよいでしょう。改善点を洗い出す際には、具体的にどうすればよくなるかまで考え、実行可能なアクションに落とし込むことが大切です。
プロセスを継続的に改善していくことで、チームの働きやすさが向上し、結果としてプロダクトの品質も高まるでしょう。
振り返りで見つかった改善点は、次のスプリントで実際に試してみます。改善策を考えただけで終わらせず、実践して効果を確かめることが大切です。
試してみて効果があれば継続し、期待した結果が得られなければ別のアプローチを考えるというサイクルを回していきます。すべての改善を一度に行うのではなく、優先度の高いものから段階的に取り組むとよいでしょう。
改善内容を実際に反映させることで、チームが成長し続ける文化が根付き、アジャイル開発の本質的な価値の実現につながります。
アジャイル開発を実践する際には、具体的な手法やツールの使い方だけでなく、チームとしての姿勢や考え方が成功に影響します。どれだけ優れたフレームワークを導入しても、メンバーの意識や組織文化が伴わなければ、形だけのアジャイル開発になってしまい、本来の効果を発揮できません。
逆に、チーム全体が共通の価値観を持ち、適切な意識でプロジェクトに取り組めば、手法を柔軟にアレンジしながらも高い成果を生み出せるでしょう。ここでは、アジャイル開発を効果的に進めるために特に意識しておきたいポイントを紹介していきます。
アジャイル開発にはスクラムやカンバンなどさまざまな手法があり、それぞれに推奨される進め方が存在しますが、手法そのものを守ることが目的ではありません。重要なのは、ユーザーに価値を届けるという本来の目的を達成することであり、手法はそのための手段にすぎないという認識を持つことが大切です。
チームの状況やプロジェクトの特性に応じて、手法をアレンジしたり、複数の手法を組み合わせたりする柔軟性が求められます。形式的に手法を守ることにこだわりすぎると、本質的な価値提供がおろそかになってしまうリスクがあります。
常に目的に立ち返りながら、今のやり方が最適かどうかを問い続ける姿勢が、アジャイル開発を成功させるカギです。
アジャイル開発では、チームメンバー間だけでなく、ユーザーやステークホルダーと密にコミュニケーションを取ることが重要です。頻繁にやり取りすることで、認識のズレを早期に発見でき、方向性を修正しやすくなるためです。
定期的なミーティングだけでなく、日常的に気軽に相談できる環境を整えることで、問題が小さいうちに解決でき、後から手戻りが発生するリスクを減らせるでしょう。コミュニケーションの頻度を高めるには、物理的な距離を近くする、チャットツールを活用する、ペアプログラミングを取り入れるなど、さまざまな工夫が考えられます。
積極的にコミュニケーションを取る文化があれば、チーム全体の理解が深まり、協力して課題を乗り越えやすくなるでしょう。
アジャイル開発では、完璧を目指して慎重に進めるよりも、小さく試して失敗から学ぶ姿勢が重視されます。失敗を恐れてチャレンジしなくなると、改善の機会が失われ、成長が止まってしまうためです。
失敗が起きたときに個人を責めるのではなく、なぜそうなったのかを分析し、次に活かす学びに変える文化を育てることが大切です。早い段階で失敗すれば影響も小さく、修正するコストも低く抑えられるでしょう。
チームメンバーが安心してチャレンジできる環境を作ることで、新しいアイデアが生まれやすくなり、結果としてより良いプロダクトが生まれる土壌ができるでしょう。

アジャイル開発は、仮説と目的の設定、バックログ作成、短期間での実装と検証、振り返りと改善というサイクルを繰り返しながら、柔軟にプロダクトを成長させていく開発手法です。それぞれのステップで重要なのは、ユーザーに価値を届けるという目的を常に意識し、フィードバックを素早く反映していく姿勢です。
手法に固執せず、チームの状況に合わせて柔軟に進め方を調整し、関係者とのコミュニケーションを密に取りながら改善を続けることが成功のカギです。また、失敗を恐れずに挑戦し、そこから学ぶ文化を育てることで、チーム全体が成長していけるでしょう。
この記事で紹介した進め方を参考にしながら、自分たちのプロジェクトに合った形でアジャイル開発を実践してみてください。
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