バックオフィスDXにセキュリティは必要?基本の対策やステップを解説
バックオフィス
経理DXの一環として効果的なのが経費精算システムの導入です。申請や承認の自動化により従業員の負担を軽減し、電子帳簿保存法にも対応できます。ペーパーレス化でコスト削減を実現し、内部統制を強化可能です。この記事では実際の成功事例も紹介します。
経理業務は企業にとって欠かせない役割を担っています。しかし、紙や手作業に依存した経費精算は多くの無駄を生み、従業員の負担やミスの発生につながりやすい領域です。特に申請から承認、保管までの流れに時間と手間がかかるため、業務効率の低下やコストの増加を招く大きな課題となっています。こうした状況を改善する方法として注目されているのが「経費精算システム」の導入です。
デジタル化によって申請や承認が自動化され、ペーパーレス化が実現できるため、業務効率化はもちろん、法制度対応や内部統制の強化にも役立ちます。経理DXを推進する第一歩として、経費精算システムの導入は極めて効果的な選択肢と言えるでしょう。
この記事では経理DXで経費精算システムを導入するメリットや導入のポイントを解説します。

経理業務の中でも経費精算は、日常的に発生する業務です。しかし、紙を使った従来の方法では、思わぬコストが積み重なり、企業全体の効率を下げる要因となりかねません。書類作成や承認のための時間だけでなく、保管場所の確保や人的ミスの修正、さらには情報伝達の不足による手戻りまで多くの無駄が潜んでいます。
こうしたコストを抑えるには、業務を見直し、デジタル化の力を取り入れることが欠かせません。
経費精算を紙で行う場合、従業員は領収書を貼り付け、申請書を作成し、上長へ提出するまでに多くの時間を割かねばなりません。承認者も紙の書類を確認し、内容をチェックして押印する必要があり、手間がかかります。
さらに本社や経理部に届くまでのタイムラグが発生し、処理が滞ることもあります。これらの積み重ねが、従業員の本来業務への時間を奪い、生産性を低下させかねません。経費精算システムを導入すれば、入力や承認をオンラインで完結でき、場所を問わず処理可能になります。これにより、時間的コストを削減し、効率的な働き方を実現できるでしょう。
紙の領収書は、精算後も一定期間の保管が義務付けられており、経理部門にとって大きな負担となります。保管用のキャビネットや倉庫を確保する必要があり、そのためのスペースや費用が発生してしまうでしょう。
また、必要な書類を探す際には膨大なファイルから探し出す手間がかかり、業務効率を下げる原因になります。さらに、紙の劣化や紛失リスクも避けられません。経費精算システムを導入すれば、領収書をスマホで撮影してデータ化し、クラウド上で安全に保管できます。これにより、物理的な保管コストを削減し、必要な情報を即座に検索・共有できるようになるでしょう。
紙ベースの経費精算では、金額の入力間違いや領収書の添付忘れといったヒューマンエラーが発生しやすい点も問題の1つです。申請後に誤りが見つかれば、差し戻しや再提出が必要になり、従業員や承認者にとっても二度手間になってしまうでしょう。さらに、記載ミスを放置したまま処理すれば、会計帳簿や税務申告に影響を与える可能性もあります。修正や確認にかかる時間と手間は大きなコストであり、業務全体の遅延につながります。
経費精算システムは入力内容を自動チェックし、不備を防ぐ機能を備えているため、人的ミスを抑えられるでしょう。結果として、エラー対応にかかるコスト削減につながります。
経費精算に関するルールや手続きが明確に共有されていない場合、申請者と承認者の間で認識のずれが生じやすくなります。例えば、交通費の計算方法や領収書の提出条件が従業員に正しく伝わっていなければ、不備の多い申請が増え、差し戻しや再申請が繰り返されるでしょう。これは大きな非効率を生み、従業員の負担感や不満を高める原因となります。
一方、経費精算システムを導入すると、ルールやフォーマットが統一され、誰もが同じ基準で申請できるようになります。申請から承認、精算までの流れがシステム内で可視化されるため、コミュニケーション不足による手戻りを防ぎ、業務をスムーズに進められるでしょう。
経理DXを進めるうえで、経費精算システムの導入は有効な手段です。紙の申請書や領収書を用いた従来の方法では、従業員の手間や承認にかかる時間が多く、業務効率が下がりやすい傾向にありました。
システムを導入することで、申請や承認のプロセスを効率化し、企業全体での生産性向上を後押しできます。また、法規制や社内ルールへの対応もスムーズになり、安心して業務を進められる点もメリットです。ここでは、経費精算システムの導入による3つの代表的な効果を紹介します。
従来の経費精算は、領収書の貼り付けや紙の申請書作成など、従業員にとって大きな負担となっていました。経費精算システムを導入すれば、領収書をスマホで撮影して自動入力できるなど、申請作業を効率化できます。システムが日付や金額を読み取り、申請フォームに反映してくれるため、入力ミスの防止にもつながります。また、承認フローもオンラインで完結するため、上長が出張や在宅勤務中でも確認可能です。
これにより従業員は事務作業に追われることなく、本来の業務に集中できるようになります。効率的な申請の自動化は、従業員のモチベーション維持や働きやすさの向上にも寄与するでしょう。
近年、経費精算業務では電子帳簿保存法への対応が求められています。紙で領収書を保管する場合、膨大なスペースや管理工数が必要であり、紛失や改ざんリスクも避けられません。経費精算システムを導入すれば、領収書や証憑を電子データとして保管でき、法令で定められた要件を満たす形で管理できます。これにより、監査や税務調査の際も迅速にデータを提示でき、コンプライアンス強化につながります。
さらに、タイムスタンプや検索機能を活用することで、業務の透明性が高まり、内部統制の強化にも効果的です。法改正に柔軟に対応できる点も企業にとってメリットといえるでしょう。
紙ベースの経費精算では、申請書や領収書を一定期間保管する必要があり、キャビネットや倉庫を利用するコストが発生します。さらに、書類が増え続けることで検索に時間がかかり、業務効率も低下します。経費精算システムを活用すれば、領収書をデータ化してクラウド上で保管できるため、物理的な保管スペースを削減可能です。必要なデータもシステム内で簡単に検索でき、業務スピードが向上します。
紙の印刷や郵送にかかる費用も削減できるため、組織全体のコスト削減にもつながるでしょう。ペーパーレス対応は、経理部門の業務効率を高めるだけでなく、環境負荷の軽減という観点でも企業価値の向上に寄与します。
経費精算システムは多くのメリットをもたらしますが、導入に際しては注意すべきデメリットも存在します。システムの導入コストや、現場が新しい操作に慣れるまでの時間、さらにはセキュリティリスクなどが代表的です。
ただし、これらは事前に対策を講じることで大きな問題を回避できます。システム選定や運用体制を工夫すれば、デメリットを最小限に抑えつつ、効率的な経理DXを進められるでしょう。
経費精算システムを導入する際には、初期費用や月額利用料といったコストが発生します。特に中小企業では予算面の負担を懸念する声も少なくありません。しかし、紙の印刷代や郵送費、書類保管にかかるコストを考慮すると、長期的には削減効果のほうが大きくなる傾向にあります。
解決策としては、自社の規模や利用人数に合った料金体系を持つクラウドサービスを選ぶことが有効です。必要な機能だけを利用できるプランを選択すれば、無駄な支出を抑えつつ導入効果を最大化できます。さらに、多くのサービスが無料トライアルを提供しているため、導入前に費用対効果を試算してみましょう。
新しいシステムを導入すると、従業員が操作に慣れるまで一時的に業務が停滞する可能性もあります。特にITに不慣れな従業員が多い職場では、操作ミスや混乱につながりやすい点がデメリットといえます。これを解決するには、導入前後に十分な研修を実施し、マニュアルやサポート窓口を整えることが有効です。
また、直感的に操作できるユーザーフレンドリーなシステムを選ぶことも効果的です。さらに、段階的に機能を導入し、従業員が徐々に慣れていけるような進め方をすれば、業務停滞を最小限に抑えられます。
経費精算システムはクラウド上にデータを保存するため、不正アクセスやサイバー攻撃による情報漏えいのリスクが懸念されます。特に、従業員の個人情報や企業の財務情報が含まれるため、セキュリティ対策は不可欠です。
解決策としては、多要素認証やアクセス権限の細分化、定期的なセキュリティアップデートの実施が挙げられます。また、信頼性の高いベンダーを選び、国際的なセキュリティ基準に準拠したサービスを利用することも有効です。社内でもセキュリティ教育を行い、従業員一人ひとりが意識を持って利用することで、情報漏えいのリスクを低減できます。

経費精算システムは業務効率化に直結する便利なツールですが、ただ導入するだけでは十分な効果を発揮できません。現場の実態を把握し、自社に適したツールを選び、さらに運用ルールを定めて全社に浸透させることが成功のポイントです。これらを怠ると、システムが定着せず、逆に業務停滞や不満を招く可能性があります。
ここでは、経費精算システムを導入する際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
経費精算システムの導入を成功させるためには、まず現場の声を丁寧に拾うことを意識しましょう。経理部門だけでなく、実際に経費精算を担当する従業員の課題を把握しなければ、実用性のある仕組みは作れません。例えば「入力に時間がかかる」「承認までに日数がかかる」といった現場の悩みを明らかにすることで、解決すべき優先順位が見えてきます。
こうしたヒアリングを通じて、従業員が本当に使いやすい仕組みを整えることが、システム定着の第一歩となります。導入前に課題を共有しておけば、関係者の納得感も得やすくなるでしょう。
経費精算システムには多くの種類があり、機能や料金体系もさまざまです。必要以上に多機能なツールを導入すると、操作が複雑になり現場で使いにくくなる可能性があります。一方で、機能が不足していれば、結局別の業務で手間が発生してしまいます。
そのため、自社の規模や業務フローに合ったシステムを選びましょう。例えば、店舗数が多い小売業であれば、クラウド型でどこからでもアクセスできる仕組みが適しています。導入前に複数のツールを比較検討し、試験導入を行うことで、自社に最適なシステムを見極めやすくなります。
システムを導入しただけでは効果は限定的であり、運用ルールを整えて全社に浸透させることが欠かせません。申請から承認までの流れや提出期限、領収書の扱い方などを明文化し、従業員が迷わず利用できる環境を作る必要があります。
また、導入初期は研修や説明会を実施し、従業員が正しく使えるようサポートすることも大切です。さらに、運用を続ける中で課題が見つかった場合には定期的にルールを見直し、改善を重ねることが定着につながります。全社で共通認識を持てれば、システムの効果を最大化できるでしょう。
経費精算システムは、多くの企業で業務効率化や内部統制の強化につながっています。導入によって単に作業時間を削減できるだけでなく、法制度対応や情報管理の面でも大きなメリットがあります。ここでは、実際に経費精算システムを導入し、成果を上げた企業の事例を2つ紹介します。自社に導入する際の参考として、具体的な効果や工夫を確認して、自社の課題解決のヒントにつなげましょう。
JR東日本スポーツ株式会社では、従来の紙を使った出納業務に多くの時間と労力がかかっていました。そこで経費精算システムを導入した結果、業務プロセスが効率化され、出納業務にかかる時間を従来の3分の1に削減できました。領収書のデータ化やワークフローの自動化により、承認までのスピードも向上しています。従業員は経理処理に追われることが減り、本来の業務に集中できるようになっています。
さらに、経理部門も確認作業の効率化によって業務負担が軽減され、全社的な生産性向上に貢献しました。加えて、データが一元管理されることで精算内容の透明性も高まり、不正やミスの発生を未然に防ぐ仕組みが整いました。経費精算の正確性が担保されたことで、経営層は安心して迅速な意思決定を行えるようになっています。
出典参照:経費精算システムの活用で作業時間が7割削減!現金授受の作業を減らし、内部統制も強化|株式会社マネーフォワード
株式会社日比谷花壇では、法制度対応や内部統制の面で課題を抱えていました。従来の紙による経理業務では、証憑の管理に手間がかかり、監査対応にも多大な負担が生じていました。
しかし、経費精算システムの導入後は、電子帳簿保存法などの法規制に適切に対応できる体制が整い、内部統制の強化につながっています。領収書や精算書類を電子データとして保管できるようになり、検索性やアクセス性も向上しました。監査対応がスムーズになっただけでなく、経理業務全体の透明性も高まり、組織全体の信頼性向上にもつながっています。
さらに、データを活用した分析も可能になり、経費の傾向を把握して改善につなげる取り組みも進められています。これにより、単なる効率化にとどまらず、経営戦略の基盤づくりにも効果が期待できるでしょう。
出典参照:グループ1,700名のペーパーレス化を実現!法制度に対応した経理業務の見直しで内部統制も強化|株式会社ビズリーチ

経理DXを進めるには、まず日常的に発生する経費精算業務を効率化することが有効です。経費精算システムを導入すれば、申請や承認の自動化、法制度への対応、ペーパーレス化によるコスト削減など、さまざまなメリットが期待できます。
例えば、従業員の負担軽減と内部統制の強化を同時に実現できるため、企業全体の生産性向上と経営基盤の強化につながるでしょう。さらに、蓄積したデータを活用することで経費の可視化や分析が可能となり、戦略的な経営判断を支える基盤づくりにも寄与します。経理DXの第一歩として、経費精算システムの導入を積極的に検討しましょう。