バックオフィスDXにセキュリティは必要?基本の対策やステップを解説
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労務DXとは、デジタル技術で定型的な事務作業を自動化し、組織全体の生産性を向上させる取り組みです。労務DXツールを活用すると、労務の悩みである「法改正への対応」「アナログ業務による負担」「多様化する働き方の管理」の解決につながります。
本記事では、労務DXの基本から、おすすめのツール、自社に合った選び方のポイントまでを網羅的に解説します。労務DXに活用できるIT導入補助金まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

労務DXとは、デジタル技術で勤怠管理や社会保険手続きといった労務業務を変革し、組織全体の生産性を高める経営戦略です。労務DXは、単に紙の書類をなくすのではなく、入社から退社までのさまざまな手続きを効率化し、従業員の体験を向上させるのが目的です。
労務DXによって面倒な手作業が減ると、人事担当者は人材育成といった業務に集中しやすくなります。従業員にとって働きやすい環境を整えるのに役立つ労務DXは、会社全体の成長につながる重要な取り組みです。
労務DXとは、デジタル技術で労務業務を効率化するだけでなく、集まった従業員データを経営に活かす人事戦略です。労務DXで勤怠管理や給与計算などを自動化すると、得られた労働時間や残業のデータを分析できるため、従業員の健康状態の把握や、生産性の高いチームの働き方を参考にできます。
単なる効率化にとどまらず、データをもとにより良い組織づくりを目指すのが労務DXといえます。
「デジタル化」と「DX」の違いは、デジタル化が手段であるのに対し、DXは変革といった目的を指す点です。たとえば、紙の書類をスキャンしてパソコンに保存するのは「デジタル化」です。一方の「DX」は、そのデータを使って書類が不要な業務フローを構築し、新しい価値を生み出すことを指します。
アナログな作業をデジタルに置き換えるのがデジタル化、その技術で会社全体をより良くするのがDXです。
労務DXを推進すると、入退社の手続きや勤怠管理、給与計算、年末調整といった定型業務を効率化できます。従来、紙の書類でおこなっていた各種申請や、手作業でのデータ集計などをシステムで自動化できるため、担当者の作業時間短縮はもちろん、計算ミスや書類の紛失といったヒューマンエラーも防げます。
労務DXの推進は、時間と手間のかかる作業を減らし、組織全体の生産性を高めるのが目的です。

労務が抱える課題は、以下の5つです。
1つずつ解説します。
労務の課題は、社会保険料率の変更といった、頻繁な法改正に手作業で対応するのが困難な点です。担当者が常に最新情報を収集し、給与計算を手動で更新するのは負担がかかります。
対応が漏れてしまうと、法律違反となるリスクもあるため、正確性とスピードが求められる法改正への対応は、担当者が抱える悩みの1つです。
労務の課題として、紙の書類とハンコに頼った非効率なアナログ業務から抜け出せない点が挙げられます。入社時の雇用契約書や住所変更の届け出など、いまだにさまざまな手続きで印刷・押印・郵送・ファイリングといった手間が発生します。
アナログ業務は時間がかかるだけでなく、書類の紛失や保管スペースの確保といった問題も引き起こすため、労務DXの推進が急務です。
労務管理の複雑な業務が、特定の担当者の経験に頼る属人化を引き起こし、組織内で知識が共有されないのが課題です。業務が属人化している場合、その人が急な休暇や退職をすると業務が止まるリスクがあります。年末調整や社会保険の手続きは、ベテラン社員1人が担当しているケースも少なくありません。
属人化が起きている状態だと、ノウハウが共有されず、業務の安定性に問題が起きやすいです。
リモートワークやフレックスタイム制など、働き方が多様化し、勤怠管理が複雑になっているのも労務の課題です。従業員ごとに異なる労働時間や休憩のルールを手作業で管理するのは、手間がかかりミスも起きやすくなります。
また、従業員がどこで働いているかが見えにくいため、労働時間を正しく把握するのが困難です。多様な働き方を支えるには、従来の画一的な管理方法では限界があります。
手作業が残る労務業務では、どんなに注意深くおこなっても、入力間違いといったヒューマンエラーを完全になくすのは困難です。給与計算で数字を1つ間違えるだけで、再計算や従業員への説明といった手戻り作業が発生します。
ヒューマンエラーによるミスは、担当者の時間を奪うだけでなく、従業員からの信頼を損なう原因にもなりかねません。非効率な手戻り作業が、生産性向上の妨げとなっているのが実情です。

労務DXの推進で得られるメリットは、以下の5つです。
それぞれご紹介します。
労務DXツールは、勤怠管理や給与計算などの定型業務を自動化し、組織全体の生産性を向上させます。時間を費やしていた単純作業をシステムに任せると、人事担当者は人材育成や制度設計など、ほかの業務に集中しやすくなるため、限られた人員でも効率的に業務を回すことが可能です。
人の手でおこなう創造的な仕事に時間を使えるのが、労務DXツールを活用するメリットです。
労務DXツールを導入すると、手作業で発生しやすい入力ミスや計算間違いをなくし、業務の品質を向上できます。とくに給与計算や社会保険の手続きは、わずかなミスが従業員の不利益や法令違反につながりかねません。
労務DXで作業を自動化すると、常に正確な処理がおこなわれるため、データの信頼性が高まります。労務DXの活用は、ミスの修正にかかる手戻り時間を削減し、業務効率化に効果的です。
労務DXツールは、従業員の勤怠や評価などの人事データを一元管理し、経営戦略の立案に役立ちます。たとえば、部署ごとの残業時間を可視化し、人員配置の最適化や業務改善のヒントを得られます。
また、従業員のスキルや経歴をデータで把握すると、適材適所の人員配置も可能です。経験だけでなく、客観的なデータにもとづいた、より精度の高い組織運営が実現できます。
労務DXによるペーパーレス化は、紙や印刷の費用だけでなく、書類の保管や管理にかかる見えないコストも削減可能です。これまでキャビネットで管理していた大量の雇用契約書の保管スペースが不要になります。
また、必要な書類を探すために費やしていた時間も、データ検索で一瞬に短縮されるため、物理的なコストと時間的なコストを削減できるのが、労務DXによるペーパーレスメリットです。
労務DXは、各種手続きをスマートフォンで完結でき、従業員の利便性を高め、会社への愛着(エンゲージメント)を深めるのに役立つ取り組みです。入社手続きや年末調整がオンラインで簡単におこなえると、従業員は面倒な書類作業から解放されます。
労務DXツールによる従業員体験(EX)の向上は、働きやすさにつながり、仕事へのモチベーションを高めるため、優秀な人材の定着にもつながります。

労務DXを促進するのにおすすめなツールは、以下の14選です。
1つずつ見ていきましょう
まず導入したいオールインワン労務DXツールは、以下の5つです。
それぞれ解説します。
SmartHR(スマートHR)は、クラウド人事労務ソフトでトップシェアを誇り、従業員データベースを中心にさまざまな労務手続きを自動化するツールです。とくに入社手続きや雇用契約、年末調整などをオンラインで完結できるのが特徴です。
従業員自身が情報を直接入力するため、担当者の作業負担が減ります。分かりやすい操作画面で、ITが苦手な人でも使いやすいのが、多くの企業に選ばれている理由です。
出典参照:SmartHR|株式会社SmartHR
freee人事労務(フリー)は、会計ソフトとの連携が特徴で、バックオフィス業務全体を効率化するツールです。勤怠データや給与計算の結果が、自動で会計帳簿に反映されるため、経理担当者の転記作業が不要になります。
結果、月次の経理業務のスピード向上とミスの削減にもつながります。すでにfreee会計を利用している企業や、人事と経理をまとめてDX化したい場合におすすめな労務DXツールです。
出典参照:freee人事労務|フリー株式会社
マネーフォワードクラウドは、給与や勤怠、社会保険など、必要な機能を自由に組み合わせて導入できるのが特徴です。最初は勤怠管理だけを導入し、あとから給与計算を追加するといった、段階的なDX化が可能となります。
各サービス間のデータ連携もスムーズで、会社全体のバックオフィス業務をカバーできるため、自社の成長や課題に合わせて、無駄なくシステムを拡張していきたい企業におすすめな労務DXツールです。
出典参照:マネーフォワードクラウド|株式会社マネーフォワード
jinjer(ジンジャー)は、人事に関するあらゆるデータを1つのデータベースで管理し、情報の分断を防ぐ労務DXツールです。人事管理システムで従業員の住所を変更すると、情報が給与計算システムにも自動で反映されるため、システムごとに同じ情報を何度も入力する手間や、更新漏れによるミスがなくなります。
常に最新で正確な従業員データを、組織全体で共有したい場合におすすめなプラットフォームです。
出典参照:jinjer|jinjer株式会社
オフィスステーション労務は、社会保険や労働保険に関する行政手続きの電子申請に強みを持つ労務DXツールです。入退社や育児休業といった場面で必要となる、多種多様な公的書類をWeb上で簡単に作成し、そのまま申請できます。そのため、役所へ出向いたり、郵送したりしていた手間を削減できます。
とくに、従業員の入退社が多く、手続きが煩雑な企業にとって、オフィスステーション労務は頼りになるサービスです。
勤怠管理を徹底的に効率化するツールは、以下の2つです。
1つずつご紹介します。
KING OF TIME(キングオブタイム)は、勤怠管理クラウド市場でトップシェアを誇る、実績豊富な定番ツールです。指紋や顔認証、ICカードなど、あらゆる打刻方法に対応しているのが特徴です。
KING OF TIMEは、多様な働き方に合わせた複雑なシフト管理や、残業時間のアラート機能も充実しています。幅広い給与計算ソフトと連携が可能なため、労務管理全体の効率化におすすめな労務DXツールです。
出典参照:KING OF TIME|株式会社ヒューマンテクノロジーズ
ジョブカン勤怠管理は、自社の就業規則に合わせて細かく設定できる、高いカスタマイズ性が特徴の労務DXツールです。シンプルな機能から始め、必要に応じてアラート機能やシフト管理機能などを追加できます。LINEやSlackといった外部ツールとの連携も豊富なため、従業員が使いやすい環境を整えられます。
ジョブカン勤怠管理は、低コストでスモールスタートしたい企業にとっておすすめな選択肢です。
出典参照:ジョブカン勤怠管理|株式会社DONUTS
複雑な給与計算を自動化するツールは、以下の2つです。
それぞれ見ていきましょう。
弥生給与Nextは、とくに中小企業向けに作られた、初めてでも分かりやすい操作性が特徴の給与計算ツールです。毎月の給与計算や年末調整まで、法令改正にも自動で対応してくれるため、専門知識に自信がなくても安心して利用できます。
同社の会計ソフトと連携させると、給与データを転記する手間も省けます。手厚いサポート体制も整っており、導入しやすいサービスです。
出典参照:弥生給与Next|弥生株式会社
給与奉行クラウドは、高いセキュリティと内部統制機能が特徴で、企業の信頼性を支える給与計算ツールです。誰がいつどのデータにアクセスしたかの記録が残り、役職に応じた細かな権限設定も可能なため、情報漏洩や不正操作のリスクを低減し、厳格なデータ管理を実現できます。
企業の規模が拡大し、労務管理のコンプライアンスを強化したい場合に、おすすめなツールです。
出典参照:給与奉行クラウド|株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)
戦略的人事を実現するタレントマネジメントツールは、以下の2つです。
1つずつ解説します。
HRBrain(エイチアールブレイン)は、従業員の目標設定や人事評価までのプロセスをデジタル化し、効率的で公平な評価制度の構築を支援するツールです。紙で管理していた評価シートを一元化し、評価業務にかかる時間を削減できます。
蓄積された評価データをもとに、従業員の個々の強みや課題を可視化できるのが特徴です。データにもとづいた客観的な評価は、従業員の納得感を高め、成長を促すのに役立ちます。
出典参照:HRBrain|株式会社HRBrain
カオナビは、従業員の顔写真が並ぶ画面で、誰がどんなスキルや経験を持っているかを直感的に把握できるのが特徴のツールです。個人の能力や評価、経歴といった情報を一元管理し、最適な人員配置や、将来のリーダー候補の抜擢に役立てます。
ドラッグアンドドロップの簡単な操作で、組織図のシミュレーションをおこなえるのも魅力です。人材の顔と名前、能力を一致させ、戦略的な人事の実現をサポートできるツールといえます。
出典参照:カオナビ|株式会社カオナビ
労務DXをさらに加速させる専門ツールは、以下の3つです。
それぞれご紹介します。
クラウドサインは、紙とハンコが必要だった雇用契約を、Web上で完結できる電子契約サービスです。契約書をオンラインで送受信するため、印刷や郵送、収入印紙といったコストと手間を削減できます。
また、契約内容はクラウド上で安全に保管されるため、書類の紛失リスクもありません。クラウドサインは、入社手続きをスピードアップし、ペーパーレス化をさらに進める有効なツールです。
出典参照:クラウドサイン|弁護士ドットコム株式会社
TOKIUM経費精算(トキウム)は、領収書をスマートフォンで撮影するだけで、経費の申請から精算までを自動化できるツールです。撮影した領収書のデータはオペレーターが代理で入力してくれるため、申請者の手間を削減できます。
また、電子帳簿保存法に対応しており、原本の保管が不要になるのも特徴です。経費精算に関わる人の作業をなくし、会社全体の生産性を高めるサービスといえます。
楽楽精算は、面倒な交通費の精算を自動化し、経費精算業務を効率化するツールです。交通系ICカードをスマートフォンにかざすだけで、利用履歴を読み取って自動で入力してくれます。
また、内蔵の乗り換え案内機能を使うと、運賃の間違いもありません。申請者と経理担当者の手間を減らし、会社全体の生産性向上につながる人気のあるサービスです。
出典参照:楽楽精算|株式会社ラクス

自社に合う労務DXツールの選び方は、以下の6つです。
1つずつ見ていきましょう
労務DXツールを選ぶ際は、まず「何のために導入するのか」といった目的を明確にするのが重要です。「給与計算のミスをなくしたい」「入社手続きをスピードアップしたい」など、具体的な課題を洗い出しましょう。
目的がはっきりしていると、複数のツールから本当に必要な機能を持つものを選びやすくなります。目的なく多機能なツールを導入しても、使いこなせずに終わってしまうため、まずは労務DXツールを導入する目的を明確にするのが重要です。
労務DXツールは、幅広い業務を1つで担う「統合型」と、特定業務に強い「特化型」に大別されます。労務全体を一度に効率化したい場合は統合型、まずは勤怠管理だけを解決したい場合は特化型など、自社の状況に合わせて労務DXツールを選びましょう。
統合型はデータ連携がスムーズなのがメリットですが、特化型は1つの機能が優れている場合があります。どちらが自社の目的に合うか検討するのが大切です。
労務DXツールの選定では、自社の課題解決に必要な機能があるかと、ほかのシステムとの連携性を確認しましょう。給与計算ソフトを選ぶなら、現在使っている勤怠管理システムからデータを自動で取り込めるかが重要です。
せっかく導入した労務DXツールと既存システムが連携できない場合、手作業での転記が発生し、効率化の効果が得られません。導入後のスムーズな運用を想像しながら、必要な機能と連携先を見極めるのが大切です。
労務DXツールの選定では、管理者と従業員にとって、操作が簡単で分かりやすいかを確認しましょう。どんなに高機能でも、使い方が複雑では現場に定着せず、問い合わせ対応で担当者の負担が増加します。
従業員がスマートフォンからでも迷わず申請できるかを、無料トライアルで試すのがおすすめです。全員がストレスなく使えるのが、労務DXを成功させる条件です。
労務DXツールを選ぶ際は、料金体系と得られる効果(費用対効果)のバランスを慎重に検討しましょう。初期費用が安くても月額費用が高い場合、長期的な負担は大きくなります。
従業員1人あたりの料金か、会社単位の固定料金かといった体系も確認が必要です。労務DXツールを選ぶ際は、削減できる人件費を試算し、支払う料金に見合う価値があるかを、総合的に判断するのが大切です。
労務DXツール選定時には、サポート体制とセキュリティレベルが信頼できるかも確認しましょう。操作で困ったときに、電話やチャットですぐに質問できる体制があると安心です。
また、従業員の個人情報を預けるため、データの暗号化や不正アクセス防止策といった、高度なセキュリティ対策が施されているかも重要となります。労務DXツールを、安心して長く使い続けるためにも、サポート体制とセキュリティ対策は妥協できないポイントです。

労務DXツールを導入する際の注意点は、以下の5つです。
それぞれ解説します。
労務DXで注意するのは、ツールを導入するのが目的となり、本来解決すべき課題を見失うことです。流行っているからといった理由だけで導入しても、自社の問題に合っていないと効果は出ません。
まず「給与計算のミスを減らしたい」といった、具体的な目的を明確にする必要があります。労務DXの推進で、ツールを導入する目的がはっきりしている場合、ツール選びの失敗も少なく、導入後の成果も評価しやすいです。
労務DXツールを導入する際は、既存の業務フローを無視すると、かえって現場が混乱するリスクがあります。新しいシステムに合わせて、これまでの仕事のやり方を見直す必要があるため、紙の申請書をそのままPDFにしただけでは、根本的な効率化にはなりません。
現場のスタッフと協力し、ツール導入を機に、よりシンプルで効率的な業務の流れを再設計するのが、労務DXツール導入を成功させるポイントです。
労務DXツール導入の判断では、投資に見合う効果が得られるかといった費用対効果(ROI)の試算が重要です。ツールの初期費用や月額費用といったコストの総額と、それによって削減できる人件費や作業時間を比較しましょう。
たとえば、「月5万円の費用で、担当者の作業が月20時間減る」といった具体的な数字で検証します。事前試算が、労務DXツール導入が本当に経営改善につながるかの判断材料となります。
労務DXツールを選ぶ際は、すでに社内で利用しているほかのシステムと、問題なくデータ連携できるかの注意が必要です。勤怠管理システムと給与計算ソフトが連携できない場合、毎月手作業でデータを転記する必要が生じ、効率化の目的を果たせません。
導入したい労務DXツールが、自社のシステムに対応しているか、事前に必ず確認するのが重要です。
労務DXツールは、従業員の個人情報といった機密情報を扱うため、セキュリティ対策とサポート体制の確認が必要です。データが暗号化されているか、国のガイドラインに準拠した安全なサービスかを見極めましょう。
また、操作で困ったときに気軽に質問できる窓口があるか、導入後のフォローが手厚いかも重要です。
出典参照:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(令和5年5月)|厚生労働省

以下で、労務DXに活用できるIT導入補助金を解説します。
IT導入補助金とは、中小企業が業務効率化のためにITツールを導入する際、費用の一部を国が補助してくれる制度です。労務DXに役立つ勤怠管理や給与計算ソフトの購入費、クラウドサービスの利用料などが対象となります。
導入費用の半分以上が補助される場合もあり、資金的な負担を軽減できるのが魅力です。IT導入補助金は、企業のデジタル化を後押しし、生産性向上を支えるための重要な支援策といえます。
出典参照:サービス等生産性向上IT導入支援事業『IT導入補助金2025』の概要|経済産業省
IT導入補助金の対象となるのは、資本金や従業員数が定められた基準内である「中小企業・小規模事業者」です。サービス業の場合、資本金5千万円以下または常勤従業員100人以下といった条件があります。
株式会社だけでなく、医療法人や社会福祉法人なども対象に含まれるため、多くのクリニックや事業所が活用可能です。まずは自社が条件に当てはまるか、公式サイトで確認してみましょう。
IT導入補助金の申請は、国に登録されたIT導入支援事業者と共同でおこなうのが必須条件です。IT導入支援事業者は、ITツールの提供だけでなく、補助金の申請手続きや導入後の報告までをサポートしてくれます。
まず導入したいツールを扱う支援事業者を探し、その事業者と相談しながら申請準備を進める流れとなります。単独では申請できないため、信頼できるパートナーを見つけるのが重要です。

労務DXツールは、特定の担当者に依存する「属人化」した業務から脱却し、効率的で安定した組織をつくるためのものです。給与計算や勤怠管理といった定型業務を自動化すると、ヒューマンエラーを減らし、生産性を高められます。
労務DXツールの導入で大切なのは、自社の課題と目的を明確にし、それに合ったツールを選ぶことです。本記事を参考に、誰もが働きやすい職場環境の実現に向けた労務DXを推進しましょう。