アジャイル開発を外注する際の選び方と失敗回避のポイント

アジャイル開発 外注 選び方アジャイル開発を外注する際の選び方と失敗回避のポイント

アジャイル開発の外注先選定で失敗しないためのポイントを解説します。実績確認やプロセス理解、コミュニケーション力など評価すべき項目から、契約条件や役割分担といった事前に明確化すべき事項まで網羅的に紹介しています。適切なパートナーを選び、価値の高いプロダクト開発を実現するための参考にしてください。

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ソフトウェア開発において、従来のウォーターフォール型では市場変化への対応が難しくなってきました。変化の激しいビジネス環境で競争力を維持するには、アジャイル開発の活用が不可欠となっています。しかし、社内にアジャイル開発の経験者がいない場合や、専門スキルを持つエンジニアの確保が困難な場合、外注という選択肢を検討する企業も多いでしょう。

本記事では、アジャイル開発を外注する際に押さえるべき選定ポイントや、失敗を避けるための確認事項について解説していきます。外注先の選び方を理解し、適切なパートナーを見極める判断基準を身につけられるため、プロジェクトの成功確率を高められるでしょう。

アジャイル開発が求められる背景

アジャイル開発の重要性を表すイメージ

アジャイル開発への注目が高まっている背景には、ビジネスを取り巻く環境の変化があります。テクノロジーの進化とともに顧客の期待値も上昇し、企業には素早い対応が求められるようになりました。

さらに、不確実性の高い時代において、仮説検証を繰り返しながらプロダクトを育てていく必要性も増しています。こうした状況下で、柔軟かつスピーディーな開発を実現するアジャイル手法が注目されているのは当然の流れといえるでしょう。

市場環境や顧客ニーズの変化スピードが加速している

デジタル技術の発展により、市場環境は従来と比較にならないほど速く変化するようになりました。顧客の嗜好やニーズも短期間で移り変わり、昨日まで支持されていたサービスが今日には陳腐化してしまう事態も珍しくありません。

このような環境では、開発着手から完成までに長い時間を要するウォーターフォール型の開発手法では対応が困難になります。小さなサイクルで開発と改善を繰り返すアジャイル開発であれば、市場の変化を捉えながら柔軟に方向転換が図れるでしょう。

顧客の声を迅速にプロダクトへ反映させられる点も、アジャイル開発が選ばれる理由となっています。

事業仮説を検証しながらプロダクトを成長させる必要性が高まっている

新規事業やプロダクト開発において、最初から完璧な要件を定義するのは困難です。特にイノベーティブな取り組みでは、顧客が本当に求めているものが何かを事前に把握するのは難しいでしょう。

アジャイル開発では、最小限の機能を持つプロダクトを早期にリリースし、ユーザーからのフィードバックを収集しながら改善を重ねていきます。この仮説検証のサイクルを短期間で回すアプローチにより、市場で本当に価値のあるプロダクトへと磨き上げられます。

事業の成功確率を高めるためにも、学習と改善を繰り返せるアジャイル開発の重要性は増しています。

不確実性の高い開発に柔軟に対応できる手法が求められている

ビジネスにおける不確実性が高まる中、開発プロジェクトにも予期せぬ変更や方向転換が発生しやすくなっています。競合の動向や技術トレンドの変化、規制の改正など、外部要因によって当初の計画が大きく変わる状況も増えました。

固定的な計画に基づくウォーターフォール型では、こうした変化への対応にコストと時間がかかってしまいます。一方、アジャイル開発は変化を前提とした手法であり、短いスプリント単位で優先順位を見直しながら進められるため、不確実な環境下でも価値の高い成果を出しやすいのが特徴です。

アジャイル開発を外注するメリット

アジャイル開発を外注することで、企業は様々な利点を享受できます。社内リソースだけでは実現が難しい高度な専門性や、経験豊富なチームの知見を活用できる点は特に魅力的でしょう。

また、開発体制の構築にかかる時間やコストを削減できるため、ビジネスのスピード感を保ちながらプロジェクトを推進できます。外部パートナーならではの客観的な視点や、最新の技術動向へのアクセスも、内製化では得られにくい価値といえるでしょう。

アジャイル経験豊富な開発チームを自社採用よりも短期間で体制化できる

社内でアジャイル開発チームを一から構築するには、採用活動から始めなければなりません。スクラムマスターやプロダクトオーナーといった役割を担える人材は市場でも希少であり、採用に時間がかかるケースが多いでしょう。

さらに、採用後もチームビルディングや開発プロセスの整備に相応の期間を要します。外注であれば、既にアジャイル開発の経験を積んだチームをそのまま活用できるため、プロジェクト開始までの時間を短縮できるでしょう。

市場投入のタイミングが重要なビジネスにおいて、この時間的優位性は競争力に直結する要素となります。

内製では不足しがちな専門スキルやノウハウを補完できる

アジャイル開発を成功させるには、開発技術だけでなく、スクラムやカンバンといったフレームワークの実践的な知識が必要です。また、継続的インテグレーションや自動テストといった技術プラクティスの導入経験も求められます。

社内に十分な経験者がいない場合、試行錯誤を繰り返しながら学習していく必要があり、効率的とはいえません。外注先が持つ専門スキルやノウハウを活用すれば、初期段階から質の高い開発プロセスを確立できるでしょう。

過去の成功事例や失敗から学んだベストプラクティスを取り入れられる点も、外注の大きな利点となっています。

開発体制の立ち上げやスケールを柔軟に調整できる

ビジネスの状況に応じて、開発体制を機動的に変更したいニーズは多くの企業が抱えています。プロジェクトの初期段階では小規模なチームで始め、軌道に乗ってきたら増強するといった対応も必要になるでしょう。

正社員として採用した場合、こうした柔軟な調整は難しく、人件費の固定化というリスクも生じます。外注であれば、プロジェクトの進捗や予算に合わせてチームの規模を拡大縮小できるため、リソースの最適化が図れます。

短期間のスパイクとして特定のスキルを持つメンバーを追加するといった対応も、外注なら容易に実現できるでしょう。

プロダクト改善に集中でき社内リソースを最適化できる

開発業務を外注することで、社内メンバーはプロダクト戦略の策定や顧客との対話など、よりビジネス側の活動に注力できます。プロダクトオーナーとして何を作るべきかの判断に集中し、実装の詳細は外注先に任せるという役割分担が可能になるでしょう。開発の手を動かす負荷は外部化できる一方で、プロダクトオーナー(PO)の意思決定・レビュー参加は不可欠であり、社内で価値判断・優先順位付けに集中できる体制を整えることが重要です。

この体制により、限られた社内リソースを付加価値の高い業務に振り向けられるため、組織全体の生産性が向上します。また、開発環境の構築やインフラ管理といった周辺業務も外注先が担当してくれるケースが多く、社内の運用負荷も軽減できる点は見逃せません。

第三者視点での改善提案や技術的示唆を得られる

組織内部だけで開発を進めていると、どうしても視野が狭くなりがちです。既存のやり方に固執してしまったり、新しい技術や手法の採用に消極的になったりするケースも少なくありません。

外部の開発パートナーは、異なる業界やプロジェクトで培った経験を持っており、客観的な立場から改善提案を行えます。技術選定やアーキテクチャ設計において、最新のトレンドや他社の成功事例を踏まえた助言を受けられる点は貴重でしょう。

組織内部では気づかなかった課題や改善機会を指摘してもらえるのも、外注ならではの価値といえます。

最新の開発プラクティスやツールを活用できる

テクノロジーの進化は目覚ましく、開発ツールやプラクティスも常に更新されています。社内だけで最新動向をキャッチアップし続けるのは、リソース的にも知識的にも難しい面があるでしょう。

専門性の高い外注先は、日常的に新しい技術やツールを試し、実践的な知見を蓄積しています。クラウドネイティブな開発手法やマイクロサービスアーキテクチャ、コンテナ技術といった最新のアプローチも、経験豊富な外注先であれば適切に導入してくれるでしょう。

こうした先進的な開発環境を活用することで、プロダクトの品質や開発効率の向上が期待できます。

アジャイル開発の外注先選定のポイント

外注先を選ぶ際には、単に技術力が高いだけでなく、アジャイル開発の本質を理解しているかを見極める必要があります。スクラムなどのフレームワークを形式的に導入しているだけでは、真の意味でのアジャイル開発は実現できません。

変化への対応力やコミュニケーション能力、そして長期的なパートナーシップを築ける姿勢など、多面的な評価が求められるでしょう。ここで紹介するポイントを参考に、自社のプロジェクトに最適な外注先を見極めてください。

アジャイル開発の実績と成功事例が十分にあるか

外注先の選定において、過去の実績は重要な判断材料となります。アジャイル開発を謳っていても、実際にはウォーターフォール型の手法を部分的に変更しただけのケースも存在するため注意が必要でしょう。

具体的な成功事例を確認し、どのような課題に対してどのようなアプローチで成果を出したのかを詳しく聞いてみてください。類似した業界やプロダクトでの経験があれば、自社プロジェクトにもその知見を活かしてもらえる期待が持てます。

また、失敗経験とそこから得た学びについても聞いておくと、外注先の誠実さや改善意識を測る材料になるでしょう。

スクラムなど開発プロセスへの理解と運用経験があるか

アジャイル開発にはスクラムやカンバン、エクストリームプログラミングといった様々なフレームワークが存在します。外注先がこれらのフレームワークを深く理解し、実際のプロジェクトで適切に運用してきた経験があるかを確認しましょう。

単に知識として知っているだけでなく、スプリントプランニングやデイリースタンドアップ、レトロスペクティブといったイベントを効果的に実施できるかが大切です。また、プロジェクトの特性に応じてフレームワークをカスタマイズできる柔軟性も求められます。

形式的にプロセスを踏むだけでなく、その背後にある原則や価値観を体現している外注先を選ぶべきでしょう。

プロダクトオーナーとの協働体制を構築できるか

アジャイル開発において、プロダクトオーナーと開発チームの密接な協力関係は成功のカギとなります。外注先が単に指示を待つだけのスタンスではなく、プロダクトオーナーとともに価値の最大化を目指す姿勢を持っているかを見極めてください。

要件の背景にあるビジネス課題を理解しようとする姿勢や、代替案を積極的に提案してくれる能力も重要な要素でしょう。また、プロダクトバックログの優先順位付けに際して、技術的な実現性や工数の観点から建設的な意見を述べられるかも確認すべきポイントです。

対等なパートナーとして協働できる外注先を選ぶことが、プロジェクトの成功につながります。

要件変更や優先度変更への柔軟な対応力があるか

アジャイル開発の本質は、変化を受け入れることにあります。市場の動向やユーザーフィードバックに応じて、開発途中でも要件や優先順位を変更できる柔軟性が求められます。

しかし、外注先の中には変更を嫌い、当初の計画通りに進めたがるところも存在します。契約条件や見積もりの考え方が、こうした変化に対応できる構造になっているかを事前に確認しておきましょう。

また、過去のプロジェクトで要件変更が発生した際、どのように対応したのかを具体的に聞いてみるのも有効です。変更を前向きに捉え、むしろより良いプロダクトを作る機会として活用できる外注先が理想的といえます。

技術力だけでなくコミュニケーション力が高いか

優れたエンジニアリング能力を持っていても、コミュニケーションが円滑でなければアジャイル開発は機能しません。デイリースタンドアップやスプリントレビューでの報告が分かりやすいか、技術的な説明を非エンジニアにも理解できる形で伝えられるかは重要なポイントでしょう。

また、問題が発生した際に隠さず早期に共有し、解決策を一緒に考えようとする姿勢も欠かせません。契約前の打ち合わせにおける対応の丁寧さや、質問への回答の的確さなどから、コミュニケーション力の高さをある程度推し量れます。

チーム全体のコミュニケーション文化を確認するため、複数のメンバーと会話する機会を持つのも良いでしょう。

長期的な改善パートナーとして伴走できるか

アジャイル開発は継続的な改善のプロセスであり、プロダクトの成長とともに長期的な関係性が必要になります。短期的なプロジェクトの完遂だけを目指すのではなく、プロダクトの成功に本気でコミットしてくれる外注先を選びたいところです。

技術的負債の解消や開発プロセスの改善など、目先の機能開発以外にも目を向けてくれるかは重要な判断材料となるでしょう。また、事業環境の変化に応じて、外注先自身も柔軟に体制や提供サービスを進化させられる組織力があるかも確認すべきです。

ビジネスパートナーとして信頼できる関係を築けるかどうかが、長期的な成功のカギを握っています。

アジャイル開発の外注を失敗に終わらせないための確認事項

外注先を慎重に選定しても、プロジェクトの進め方や管理体制が適切でなければ失敗のリスクは残ります。特にアジャイル開発では、従来のウォーターフォール型とは異なる考え方や評価軸が必要になるため、発注側の理解と準備も欠かせません。

契約形態や成果の測定方法、コミュニケーションの仕組みなど、プロジェクト開始前に明確にしておくべき事項があります。ここで紹介するポイントを確認し、失敗を未然に防ぐ体制を整えましょう。

役割分担と意思決定フローが明確に定義されているか

アジャイル開発において、誰がどの決定権を持つのかが曖昧だと、スピード感が損なわれてしまいます。プロダクトオーナーが機能の優先順位を決め、スクラムマスターがプロセスを管理し、開発チームが実装方法を決定するという基本的な役割分担を明確にしましょう。

発注側と外注先の境界線も重要で、どこまでを外注先の判断に委ねるのかを事前に合意しておく必要があります。また、緊急時の意思決定ルートや、ステークホルダーへのエスカレーション基準なども定めておくと安心でしょう。

組織の上層部を含めて、アジャイル開発における役割と責任について共通理解を持つことが、円滑なプロジェクト運営につながります。

成果物ではなく価値提供を評価軸にできているか

従来の受託開発では、仕様書通りの機能を納品することが成果とされてきました。しかし、アジャイル開発では、実装された機能がビジネスにどれだけの価値をもたらしたかを重視すべきです。

ユーザーの利用状況や満足度、ビジネス指標の改善度合いなどを評価の中心に据える必要があるでしょう。外注先との契約においても、機能の実装数ではなく、達成したいビジネス目標を共有し、それに向かって協力する関係性を築くことが大切です。

成果物の完成度だけでなく、市場投入のタイミングや学習効率なども含めて総合的に評価する視点を持ちましょう。

スプリントレビューなど定期的な振り返りの場が設けられているか

アジャイル開発では、継続的な改善サイクルを回すことが大切です。各スプリントの終わりにはレビューを実施し、開発したものが期待通りの価値を生んでいるかを確認しましょう。

また、レトロスペクティブを通じて開発プロセス自体の改善点を洗い出し、次のスプリントに活かす習慣も大切です。これらの振り返りの場には、発注側のステークホルダーも積極的に参加し、フィードバックを提供する必要があります。

形式的なイベントとして消化するのではなく、本音で議論できる場にすることが、プロジェクトの成功確率を高めるでしょう。定期的な振り返りを通じて、外注先との信頼関係も深まっていきます。

契約条件がアジャイル開発に適した内容になっているか

アジャイル開発の特性に合わない契約形態は、プロジェクトの足かせになりかねません。例えば、固定スコープ・固定価格の契約では、要件変更への対応が難しくなってしまいます。

そのため、準委任(Time & Material)を基本とし、スプリント単位で契約内容を更新しながら、成果や学習結果を確認していく形が一般的です。このような契約形態であれば、変化を前提とした開発を進めやすくなります。

継続的にリリースされる小さな成果物に対して、どのように検収を行うのかも明確にしておくべきでしょう。法務部門とも連携しながら、アジャイル開発の実態に即した契約書を作成することをお勧めします。

開発状況や課題を可視化できる仕組みがあるか

プロジェクトの進捗を適切に把握するには、開発状況の可視化が欠かせません。バーンダウンチャートやカンバンボードなどを活用し、残りの作業量や各タスクの状態をリアルタイムで確認できる環境を整えましょう。

また、技術的負債やリスク要因についても、隠さずにオープンに共有される文化が大切です。外注先に任せきりにするのではなく、発注側も定期的に開発ツールやダッシュボードをチェックし、状況を把握する習慣をつけてください。

問題の早期発見と迅速な対応が、プロジェクトの成功につながります。透明性の高いコミュニケーションを実現するため、適切なツールの選定と運用ルールの策定に力を入れましょう。

まとめ|アジャイル開発の外注先の選び方は慎重に検討しよう

アジャイル開発の外注先を選ぶ様子を表すイメージ

アジャイル開発を外注する際には、技術力だけでなく、アジャイルの理念を真に理解し実践できるパートナーを選ぶことが大切です。実績や成功事例の確認、プロセスへの理解度、コミュニケーション能力など、多角的な視点で評価を行いましょう。

また、外注先を選んだ後も、適切な契約形態や評価軸の設定、可視化の仕組み作りなど、プロジェクトを成功に導くための準備が必要になります。変化を前提とした柔軟な開発を実現するには、発注側の理解と協力も欠かせません。

本記事で紹介したポイントを参考に、自社に最適な外注先を見極め、価値の高いプロダクト開発を実現してください。

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