Notionの情報一元管理を自動化!方法や活用術を解説
全般
DX推進で重要な役割を担うソフトウェアエンジニア。従来の開発スキルだけでなく、ビジネス理解とコミュニケーション能力が求められる時代です。技術をビジネス価値に変換するための具体的なスキルとキャリア形成方法を解説します。
デジタル技術が急速に進歩する現代で、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進は不可欠な取り組みです。その中核を担うソフトウェアエンジニアには、従来の技術力に加えて、ビジネス価値を創造する新たな役割が必要です。
しかし、具体的にどのようなスキルを持つ人材が変革を成功に導くのか、明確な人物像を描けずに悩む企業は少なくありません。
本記事では、DX人材として活躍するソフトウェアエンジニアの5つの重要な役割と、クラウドネイティブ、データ活用、セキュリティ、UI/UXなど必須のテクニカルスキルを詳しく解説します。
また、技術力をビジネス価値に昇華させるためのソフトスキルや具体的なキャリア戦略も紹介し、真のDX人材への成長路線を示します。

現代の企業は、急速に変化するビジネス環境に対応するため、DXの推進が重要な経営課題となっています。
特にソフトウェアエンジニアには、技術力を活用したビジネス変革の推進役として高い期待が寄せられています。従来のシステム開発とは異なり、DX人材として求められるのは技術実装だけでなく、ビジネス戦略の理解と顧客価値創造への貢献です。
感染症の拡大や地政学リスクの増大を背景に、企業を取り巻く環境や顧客ニーズは激しく変化しています。さらに、少子高齢化に伴う労働人口の減少は人手不足を深刻化させ、事業継続そのものを脅かす課題となっています。
こうした変化に対応するため、DXは今や不可欠な経営課題です。その目的は単なる業務効率化にとどまりません。
生産性向上による安定供給の実現や、新たなビジネスモデルの創出を通じて、企業の競争力を根本から高めるための重要な戦略と位置づけられています。
経済産業省とIPA(情報処理推進機構)が策定した「DX推進スキル標準(DSS-P)」は、DXを推進する人材像とスキルを定義した指標です。
この中でソフトウェアエンジニアは、DXに不可欠な5つの人材類型の1つとして明確に位置づけられています。その役割は、デジタル技術を活用した製品・サービスの設計から実装、運用までを担うことです。
このスキル標準は2022年12月に公開され、2024年7月には生成AIに関する内容が追記されるなど、常に新しい動向を反映して更新されています。
出典参照:DX推進スキル標準(DSS-P)概要|独立行政法人情報処理推進機構
従来のIT人材とDX人材の大きな違いは、技術導入の目的と対象範囲にあります。IT人材は主に業務効率化やコスト削減を目的とし、社内業務の改善に焦点を当てていました。
一方、DX人材は顧客をはじめとした社外関係者も対象に含め、社内の特定の業務をデジタル化しただけではDXを実現したとはいえず、その先にある顧客体験価値の向上まで見据える必要があります。
DX人材としてのソフトウェアエンジニアには、技術的な実装能力に加えて、ビジネス価値創造への深い理解と、変革によって顧客にどのような新しい価値を提供できるかを考える戦略的思考力が求められています。
DXの推進で、ソフトウェアエンジニアは技術的実装を担うだけでなく、ビジネス価値創造の中核的な推進者として多面的な役割を果たします。
従来の開発業務とは異なり、変化の激しいビジネス環境に対応しながら、組織横断的な連携を通じて企業の競争力向上に貢献していくことが必要です。これらの役割を効果的に実践することで、真のDX人材としての価値を発揮できます。
ソフトウェアエンジニアは、技術的実現性とビジネス価値を両立させた新規事業の立ち上げで中心的役割です。市場ニーズの変化に迅速に対応するため、プロトタイプの開発や概念検証(PoC)を通じて、新しいビジネスモデルの実現可能性を検証していきます。
この過程では、従来の要件定義から実装という一方向のアプローチではなく、仮説構築と検証を繰り返しながら正解を模索する能力が重要となります。
技術選定でも、性能や機能面だけでなく、事業戦略や市場投入スピードを考慮した判断力が求められ、ビジネス部門と密接に連携しながら技術的観点から事業成功に貢献する姿勢が不可欠です。
既存システムのレガシー化問題に対し、ソフトウェアエンジニアは単なるシステム更新ではなく、業務プロセス全体の改良を視野に入れたアプローチを取ります。現行業務の詳細な分析を通じて、デジタル技術活用による効率化や自動化の機会を発見し、具体的な改善案を提案していきます。
システム刷新では、技術的負債の解消と新機能の追加を同時に進めながら、事業継続性を確保することが必要です。
この際、段階的な移行計画の策定や新旧システムの並行運用の技術的課題の解決など、複合的な視点での問題解決能力が重要となり、関係部門との調整を通じて組織全体の変革を技術面から支援する役割を果たします。
アジャイル開発で、ソフトウェアエンジニアは単なる開発者を超えた推進役として、チーム全体の生産性向上に貢献します。短期間のスプリントサイクルで動作可能なプログラムを継続的に提供しながら、顧客フィードバックを迅速にシステムに反映させる能力が必要です。
2週間程度の短いスプリントごとに価値あるソフトウェアを提供するためには、要件の優先順位付けや技術的実装の判断を迅速に行うことが必要です。
また、アジャイル開発では要件が明確でない状況での開発が前提となります。不確実性の高い環境下でも品質を保ちながら継続的な改善を実現する技術力と、チームメンバーとの密接なコミュニケーションを通じた協働体制の構築が重要となります。
DXプロジェクトの成功には、技術的専門性を持つソフトウェアエンジニアがチーム全体の技術力向上を支援するメンターとしての役割が重要です。
アジャイル開発チームでは開発要員が多能工となる必要があるため、個々のメンバーのスキル向上を継続的に支援していく体制が求められます。
スクラムマスターによる開発者指導やチームメンバー同士の相談・アドバイスの実施、振り返りによるチーム成長など育成要素を活用しながら、OJTを通じた実践的なスキル向上を推進します。
また、新技術の導入や開発手法の改善で、チーム全体が継続的に学習し成長できる環境を整備し、組織の技術的能力向上に長期的な視点で貢献していく姿勢が重要です。
ソフトウェアエンジニアは、技術的専門知識を持ちながらビジネス要求を理解し、両者を効果的に結び付けるコミュニケーションハブとしての役割を担います。
ビジネス部門からの要求を技術的実装に翻訳し、逆に技術的制約や可能性をビジネス観点で説明する能力が必要です。
DXプロジェクトでは組織全体での連携が不可欠であり、部門間や専門領域を超えた協働が成功の鍵となります。
ソフトウェアエンジニアは、プロダクトオーナーやデザイナー、データサイエンティスト、サイバーセキュリティなど他の専門人材との効果的な連携を促進します。
プロジェクト全体の目標達成に向けてチーム一体となった取り組みを推進する中心的存在として機能することが期待されるでしょう。
国内でも、ソフトウェアエンジニアが主体となってDXを成功に導く事例が次々と生まれています。
ビジネスの前線に立ち、経営課題や顧客の潜在ニーズを深く理解した上で、技術を武器に新たな価値を創造する変革の主導者となっています。
その活躍の舞台は、Web業界やIT業界に限りません。むしろ、製造業や建設業などの伝統的な産業でこそ、彼らがもたらすビジネスモデルの変革や業界の常識を覆すような革新的なソリューションが大きなインパクトを与えています。
ここでは、その代表的な成功事例を紹介します。
トヨタ自動車株式会社では、ソフトウェアエンジニアが主導する材料解析クラウドサービス「WAVEBASE」を通じて、材料開発プロセスの革新的な変革を実現しています。
ソフトウェアエンジニアは、自動車開発で培った限られたデータからの有効情報抽出技術を活用し、少量データでも大きなメリットを実感できるシステムを構築しました。
あらゆる素材分析をクラウド上で自動解析し、解析結果を自動的にクラウド上へ蓄積する仕組みにより、解析的特徴抽出と機械学習的特徴抽出を組み合わせた高度な分析を実現しています。
これにより、技術者がデータ解析作業から解放され、クリエイティブな新素材アイディア創出に集中できる環境を構築し、材料開発の知見とマテリアルズ・インフォマティクスを融合させた革新的なソリューションを提供しています。
出典参照:新素材のアイディアが生まれる環境を共に創る|トヨタ自動車株式会社
清水建設株式会社では、ソフトウェアエンジニアが中心となってDX-Coreプラットフォームを開発し、建物管理システムの根本的な変革を実現しました。
DX-Coreは、建物のライフサイクル全体にわたるデータを統合管理するプラットフォームとして設計されており、設計・施工・維持管理の各段階で発生する膨大な情報をデジタル化し、一元管理が可能です。
ソフトウェアエンジニアは、IoTセンサーやAI技術を活用した予防保全システムの構築を手がけています。また、クラウドでのデータ分析基盤の整備や、モバイルアプリを通じた現場作業員との連携システムの開発も行います。
出典参照:デジタルトランスフォーメーション銘柄─DX銘柄─2023 35p|経済産業省
株式会社小松製作所は、ソフトウェアエンジニアが主導するDX「スマートコンストラクション」により、建設現場の包括的なデジタル変革を実現しています。
ICT(情報通信技術)建機とアプリケーションを連携させ、測量から設計・施工・検査に至る全プロセスをデジタルで有機的に接続するシステムを構築しました。これにより現場のデジタルツインが実現し、新たな施工プロセスを創出して生産性を大きく向上させています。
さらに、従来型建機に取り付けるだけでICT建機として利用できる後付けキットも開発しました。このキットは日本の建設現場で稼働する98%以上の建機のデジタル化を促進し、業界全体の変革に大きく貢献しています。
出典参照:デジタルトランスフォーメーション銘柄─DX銘柄─2023 17p|経済産業省

DXの推進で、ソフトウェアエンジニアには従来の開発スキルに加えて、デジタル時代の変化に対応した高度な技術的専門性が求められています。
クラウド技術、データ活用、セキュリティ対策、ユーザー体験設計など多様な領域での深い知識と実践的なスキルを身につけることが重要です。これらのスキルは相互に関連し合い、総合的に活用することで真の価値を発揮します。
クラウドネイティブアーキテクチャの設計能力は、DX推進で不可欠な技術的スキルです。
クラウドの特性を活用するため、マイクロサービス、コンテナ、CI/CDパイプライン、Infrastructure as Code(IaC)などの技術要素を組み合わせた設計思想が求められます。
スケーラビリティと可用性を確保しながら、水平スケーリング、分散処理、故障したコンポーネントの自動交換を通じた回復力を実現する必要があります。
また、モニタリングとロギングをはじめから組み込み、システムの利用状況やユーザー行動に関する価値のある知見を得られる設計も重要です。
データドリブン経営の実現に向けて、ソフトウェアエンジニアには堅牢なデータ基盤の構築と効果的なデータ活用手法の知識が不可欠です。
企業が保有する多種多様なデータを経営や事業運営の意思決定に生かすため、データの収集・整備・分析・活用の全工程を効率化するシステム設計能力が求められます。
直感ではなくデータと分析を用いてビジネス上の意思決定を行うアプローチを支援するため、記述的分析、診断的分析、予測的分析、処方的分析など多様な分析手法に対応できる技術基盤を整備する必要があります。
また、データリテラシーの向上と確証バイアスの軽減を考慮したシステム設計も重要な要素です。
DX推進に伴うサイバーセキュリティリスクの増大に対して、ソフトウェアエンジニアには高度なセキュリティ対策スキルが必要です。
業務プロセスを支えるデジタル環境のサイバーセキュリティリスクの影響を抑制するため、セキュリティ・バイ・デザインの考え方を実践する必要があります。
DX推進に伴うサイバーセキュリティ、セーフティ、プライバシー保護に関するリスクを適切に評価し、リスクとリターンのバランスを考慮したセキュリティ戦略を技術的に実装する能力が重要です。
また、セキュリティ製品の導入や実装、運用管理、脆弱性対応など実践的なスキルも不可欠となります。
優れたユーザーエクスペリエンス(UX)とユーザーインターフェース(UI)の設計は、DXプロジェクトの成功において重要な要素です。
ソフトウェアエンジニアには、人間中心設計(HCD)の考え方に基づき、ユーザーの特性や利用実態を把握した設計・開発能力が求められます。
ユーザーリサーチ、情報アーキテクチャ、インタラクション設計、エモーショナルデザインなど多面的な観点から、使いやすさや効率性、楽しさを兼ね備えたシステムなどを構築する必要があります。
また、プロトタイピングやユーザビリティテストを通じた継続的な改善プロセスを技術的に支援できる知識とスキルが重要です。
DXの推進で、ソフトウェアエンジニアには高度な技術力だけでなく、技術をビジネス価値に変換するソフトスキルとマインドセットが求められます。
なぜならDXは技術部門だけで完結せず、経営層や事業部門など多様な関係者との協働が不可欠だからです。
これらの能力こそが、単なる技術者からDX人材としての真の価値を発揮できる要因となります。特に複雑化するビジネス環境では、技術的解決策をビジネス成果に結び付ける力が重要です。
ビジネス課題の本質を正確に把握し、技術的解決策を提示する能力は、ソフトウェアエンジニアに不可欠なスキルです。
表面的な問題に捉われることなく、根本的な課題を分析し、デジタル技術による効果的な解決策を設計する必要があります。
現場の業務プロセスや組織の構造を深く理解し、ステークホルダーのニーズを正確に汲み取る能力が重要となります。また、技術的制約とビジネス要求のバランスを考慮しながら、実現可能性と価値創出の両面を満たす提案が必要です。
DXプロジェクトの成功には、技術部門だけでなく事業部門や経営層など、多様な関係者との協働が不可欠です。
ソフトウェアエンジニアには、技術的専門知識を非技術者にも分かりやすく説明し、共通理解を築くコミュニケーション能力が求められています。
プロジェクトの各段階で、関係者間の利害関係を調整し、合意形成を促進するファシリテーション能力も重要です。
アジャイル開発のようなサイクルが短い環境では、継続的なフィードバックと改善を通じて、関係者全体を巻き込んだ協働体制を構築することが必要となります。
デジタル技術の急速な進歩に対応するため、ソフトウェアエンジニアには継続的な学習と成長への強い意欲が求められています。生成AIやクラウドネイティブ技術、データ分析手法など、新たに登場するインパクトのあるデジタル技術の変化を敏感に捉えることが必要です。
学習した知識を実際のプロジェクトで活用し、その経験を組織内外に共有するアウトプット能力も重要です。技術ブログの執筆、社内勉強会の開催、コミュニティ活動への参加などを通じて、自身の成長と組織全体の技術力向上に貢献することが期待されています。
技術的専門性を持つソフトウェアエンジニアがDX人材として活躍するためには、戦略的なキャリア形成が重要です。
現在のスキルレベルを客観的に評価し、目標とするDX人材像に向けた具体的な学習計画を策定する必要があります。
また、技術的な深さだけでなく幅広い領域への理解を深め、継続的な自己研鑽を通じて組織に価値をもたらす人材への成長が求められています。単発的な学習ではなく、長期的な視点でのスキル形成が成功の鍵です。
DX推進スキル標準(DSS-P)のスキルマップを活用し、自身の現在地と目標とする人材像のギャップを明確化することが重要です。
ビジネス戦略、データ活用、テクノロジー、セキュリティなど各領域の習熟度を5段階で評価し、優先的に伸ばすべきスキル領域を特定します。
スキルマップに基づいた学習計画では、技術的専門性の深化と併せて、ビジネス理解やコミュニケーション能力の向上も盛り込む必要があります。
短期的な目標と中長期的なキャリアビジョンを設定し、段階的なスキル向上を図ることで、DX人材としての総合的な能力を獲得可能です。
理論的な知識だけでなく、実際のDXプロジェクトでの実践経験を積むことが、DX人材としての信頼性を高める重要な要素です。
社内のDX推進プロジェクトへの積極的な参画や、新技術を活用した業務改善提案などを通じて、実践的なスキルを身につけていきます。
専門性の客観的な証明として、クラウド関連資格、データ分析資格、セキュリティ関連資格などの取得も有効です。
これらの資格は単なる知識の証明にとどまらず、継続的な学習意欲と専門性向上への取り組み姿勢を示すものとして、キャリア形成で重要な役割を果たします。

本記事では、DX時代のソフトウェアエンジニアの進化を詳しく解説しました。
単なる技術者から真のDX人材へと成長するためには、技術的専門性に加えて、ビジネス理解、コミュニケーション能力、継続的学習意欲など多面的なスキルセットが必要となります。
明日からでも始められる具体的なアクションを実践し、段階的にDX人材としての価値を高めていくことが重要です。本記事で紹介した5つの役割と必須スキルを参考に、自身のキャリア戦略を描いてください。