Notionの情報一元管理を自動化!方法や活用術を解説
全般
人手不足で兼任が増える企業にこそn8nが有効です。ノーコードでワークフローを自動化し、手作業を削減しつつ判断を残せます。導入準備から活用法、セキュリティ注意点まで詳しく解説します。自社の業務効率化を目指している方はぜひ参考にしてください。
企業のなかには、人手不足などによって従業員がさまざまな業務を兼任しているケースがあります。このような場合、従業員が本来注力すべきコア業務にリソースを避けない恐れがあるでしょう。そこで有効なのがn8nの活用です。n8nは、コード不要でノードをつなぐだけで、さまざまなワークフローを自動化できます。人の判断を残しつつ手作業を削減し、現場のスピードと正確さを両立します。
n8nによる自動化が実現すれば、リソースをより売上に直結する業務に割き、企業のさらなる成長につなげられるでしょう。また、従業員も負担が軽減されるため、自社への満足度向上も期待できます。
この記事では導入準備から基本操作までを詳しく解説します。

n8nを導入すると、これまで人が手作業で行っていた業務を自動化できるようになります。以下が自動化の完成形です。

例えば、n8nによってメールを自動的に受信して内容をAIで要約し、Slackで承認を得たうえで返信を送信するワークフローを構築可能です。さらに、処理の履歴は Googleスプレッドシートに自動記録されるため、誰がいつどのメールを処理したかを簡単に振り返ることができます。
万が一エラーが発生しても、Slackで通知を受け取り再実行で復旧できる仕組みを備えられるのも強みです。また、認証情報は環境変数で一元管理し、必要最小限の権限だけを付与できるため、セキュリティ面でも安心して運用できます。
n8nは、ノーコードでさまざまなサービスやアプリケーションをつなぐことができるため、メール自動化も実現可能です。さらに、Slackノードを活用することで、承認フローを組み込むこともできます。なお、n8nにはクラウド版とセルフホスト版がありますが、今回はローカルのセルフホスト版を前提に解説します。クラウド版とは認証や接続方法が一部異なるため、この記事の内容を参考にするときは注意してください。
具体的には以下のようなステップで進めていきましょう。
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
最初に行うべきは、n8nのインストールと基本設定です。インストール自体は簡単ですが、適切に環境を整えておく必要があります。
まず、n8nをインストール後、ブラウザでアクセスし、管理画面にログインします。以下のコマンドをターミナルで実行することで、n8nをローカル環境にインストール可能です。

これらのコマンドを実行すると、n8nが起動し、ブラウザでアクセス可能です。以下のように「http://localhost:〇〇〇」と表示されたら、該当のURLにアクセスしましょう。

初回起動時には、必要な設定を行うための画面が表示されますので、指示に従って設定を進めてください。
なお、初回アクセス時には、管理者用のユーザー名とパスワードの設定を求められます。

ログイン後はダッシュボードが表示され、「Create Workflow」ボタンから新規ワークフローを作成できる状態になっていれば準備完了です。
メール自動化において最も基本的な操作の1つは、メールの受信です。n8nでは、以下のようにMAPノードを使うことで特定のメールアカウントから自動的にメールを受信可能です。ノードとはメール受信やAI処理などに用いる、部品と言えます。

IMAPノードの設定では、メールサーバーのホスト名やポート番号、認証情報を入力する必要があります。これにより、指定したメールアカウントに届いたメールをn8nが自動的に取得し、次のステップに進めるようになります。

例えば、特定の条件を満たすメールだけをフィルタリングして処理することも可能です。これにより、必要なメールだけを選別して、効率的に自動化を行うことができます。加えて、受信するメールの件名や差出人でフィルタリングを行うこともでき、より精度高く操作が可能になります。
次に、受信したメールをどのように処理するかについてです。例えば、受信したメールの内容をAIで解析して要約を作成したり、返信メールを自動的に作成したりすることが可能です。

このためには、OpenAIノードを使用します。OpenAIノードを設定するには、まずAPIキーを取得して入力する必要があります。設定後は、AIがメール内容を解析し、ユーザーが指定した条件に従ってメールの返信や要約を生成することができます。APIキーを取得するためには、OPenAIのプラットフォームにアクセス後に以下のとおり「API keys」を選択しましょう。

プラットフォームには検索欄があるため、「API keys」と検索すれば、スムーズに進められます。

AIが生成したメール内容は、適切にカスタマイズ可能なので、ビジネスのニーズに合わせて柔軟に対応できます。
n8nを使用する大きな利点の1つは、他のツールやアプリケーションとの連携です。例えば、生成されたメールの返信内容を、Slackで承認を得るために送信することができます。Slackノードを使用すると、ワークフロー内でSlackのチャンネルにメッセージを送信することができ、チーム内でリアルタイムに承認フローを管理できます。
Slackノードの設定では、SlackのAPIキーを取得し、n8nに設定することが必要です。その後、指定したSlackチャンネルにメッセージを送信し、承認を得た後、次のステップに進むように設定できます。
Slackノードは以下のような手順で設定していきましょう。


これにより、手動で確認することなく、スムーズに業務が進行します。さらに、Slackのボットを使って承認結果を自動的に記録したり、メンバーにリマインダーを送ったりすることもできます。

n8nによる自動化の準備を終えたら、以下のステップで実際にワークフローを構築してみましょう。
各ステップを詳しく解説していきます。
n8nを使ってメールを自動化する最初のステップは、受信トリガーの設定です。n8nには、IMAPノードを使用することで特定のメールアカウントに届いたメールを自動的に受信する機能があります。まず、n8nのダッシュボードにアクセスし、ワークフローを新規作成します。

キャンバスに「+」ボタンから IMAP Emailノード を追加し、メール受信のトリガーを設定しましょう。キャンバスとはノードをつないで流れを作る作業画面です。
IMAPノードを追加した後、設定画面に移り、以下のように入力しましょう。
Mailbox Name | 表示される場所 | 記入例 |
|---|---|---|
すべてのメール | すべてのメール | [Gmail]/すべてのメール |
送信済みメール | 送信済み | [Gmail]/送信済みメール |
ゴミ箱 | ゴミ箱 | [Gmail]/ゴミ箱 |
スター付き | スター付き | [Gmail]/スター付き |
上記の設定により、どのフォルダにあるメールを処理するのかを指示できます。
受信したメールの内容を基に、【Custom email rules】でどのような処理を行うかを設定します。具体的には以下のような条件の入力が可能です。
条件名 | 意味 | 書き方例 |
|---|---|---|
FROM | 差出人に含まれる特定の文字に基づく | [[“FROM”, “検索文字”]] |
SUBJECT | 件名に含まれる特定の文字に基づく | [[“SUBJECT”, “検索文字”]] |
TO | 宛先に含まれる特定の文字に基づく | [[“TO”, “検索文字”]] |
CC | CCに含まれる文字特定の文字に基づく | [[“CC”, “検索文字”]] |
BCC | BCCに含まれる文字特定の文字に基づく | [[“BCC”, “検索文字”]] |
BODY | 本文に含まれる文字特定の文字に基づく | [[ “BODY”, “検索文字”]] |
例えばFROMであれば差出人が任意のメールのみを処理、SUBJECTであれば件名に任意の文言を含む場合のみ処理可能です。自社のワークフローに応じて設定しましょう。
設定後に「Test Workflow」を押し、テスト用のメールを送信して受信できるか確認しましょう。実行ログにメールデータが表示されれば成功です。
次に、受信したメールの内容を解析し、必要な情報を抽出して返信文を生成します。具体的には以下のようなステップでノードを追加、設定しましょう。

このステップでは、OpenAIノードを使用してメールの内容を要約したり、AIを使って適切な返信文を作成したりします。
具体的なプロンプトについて見ていきましょう。
OpenAIノードを設定したら、どのように処理するのかプロンプトで指示を出します。ニーズに応じて以下のようなプロンプトを設定しましょう。
ニーズ | プロンプト例文 |
|---|---|
メールの要約 | ・このメールの要約をお願いします ・このメールを簡潔に要約してください ・このメールのポイントを簡単に教えてください |
メールの自動返信 | ・感謝の気持ちを込めた返信を作成してください ・詳細な回答を返信文として作成してください |
この設定を完了させることで、n8nは自動的に受信したメールの要約を作成し、返信文も生成します。これにより、手動でメールの内容を読み解いて返信する手間が省けます。
AIが生成した返信内容をそのまま送信するのではなく、人間による最終確認を行うために、Slackを使った「Human in the Loop」機能を活用しましょう。このステップでは、n8nのSlackノードを使って、AIが生成した返信文をSlackチャンネルに送信し、担当者に承認を依頼します。「Human in the Loop」は以下のようにSlackのノードを設定しましょう。
次に詳細な設定を解説します。
「Human in the Loop」を実行するためには、以下の設定を続けます。
設定 | 概要 |
|---|---|
Resource | 「Message」を選択することでSlackでメッセージを送信するアクションを設定 |
Operation | Slackからの返信を待つ設定を選び、承認を得るまで次のステップに進まないようにする |
Send Message To | 「Channel」に設定することで、特定のSlackチャンネルにメッセージが送信される |
Channel | SlackチャンネルのURLからチャンネルIDを指定 |
Message | メッセージの内容には、OpenAIノードから取得したメールの要約や返信文を組み込む |
Response Type | Approvalボタンを設置し、担当者がそのボタンを押すことで承認の意思を示すことができるように設定 |
これにより、Slackでの承認フローが完了し、設定内容に基づいたステップを実行可能です。
n8nのワークフローにGoogle Sheetsノードを追加すれば、受信したメールや生成したデータをスプレッドシートに自動的に追加できます。
ここで注意が必要なのは、セルフホスト版を利用する場合は「OAuth認証設定」が必要になる点です。クラウド版ではGoogle連携が比較的スムーズにできますが、ローカル環境で利用する際はGoogle Cloud ConsoleでOAuthクライアントIDを発行し、n8nのCredentialに設定する必要があります。
以下の手順でノードを連携させます。

Sheets欄にマッピングする列は以下のとおりです。

「Test Workflow」を押して、実際にスプレッドシートに行が追加されることを確認しましょう。
Slackの認証情報を使用して接続を設定し、以下の設定を行いましょう。
設定 | 概要 |
|---|---|
Resource | 「Sheet Within Document」を選択し、ドキュメント内のシートを操作 |
Operation | 「Append Row」を選択して、新しい行をスプレッドシートに追加 |
Document | 「From list」から、データを追加するスプレッドシートを選択 |
Sheet | 「From list」から追加するシートを選択 |
Mapping Column Mode | 「Map Each Column Manually」を選択して、必要なカラムを手動で指定 |
Values to Send | 取得された列に対して、登録する値を入力 |
n8nを使ったメール自動化ワークフローが完成した状態とは、単にノードをつないだだけではありません。メールの受信から内容要約、Slackでの承認、最終返信の送信までが一連の流れとして自動化できているのが完成状態です。
ノードをつないだら「Execute workflow」を押下して、一連の流れが進むかを確認しましょう。

出典:
一連の流れを確認する際のチェックポイントは以下のとおりです。
具体的には各チェックポイントで以下のような詳細を確認しましょう。
チェックポイント | 詳細 |
|---|---|
メール受信の自動化が正しく動作している |
|
AIによる要約と返信生成が成功している |
|
Slackでの承認フローが機能している |
|
自動返信と履歴記録ができている |
|
エラー通知と実行ログが活用できる |
|
n8nは柔軟で強力な自動化ツールですが、外部サービスとAPIで接続する特性上、セキュリティや運用上の注意点を無視できません。権限の設定やログの監視を怠ると、不正利用や情報漏洩につながる恐れがあります。ここでは、実際に運用する際に特に重要なポイントを解説します。あわせて、長期的に安定運用するための基本姿勢についても見ていきましょう。
n8nを運用する際は、ユーザーやサービスごとのアクセス権限を適切に制御しましょう。例えば、GmailやGoogleスプレッドシートを連携する場合、必要以上に広い権限を付与すると、思わぬデータ流出や不正利用につながるリスクがあります。認証設定の際には「最小権限の原則(Principle of Least Privilege)」を意識し、利用に必要な範囲のスコープだけを付与するのが基本です。
実際にIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)も、内部不正への対策として、重要情報へのアクセス権限を付与すべき者を必要最小限とすることを提唱しています。
また、n8n自体を複数人で利用する場合は、ユーザーごとにアクセス範囲を分け、誰がどのフローを編集できるかを管理することも欠かせません。
ログの取得と監視もn8nを運用するうえでのポイントです。n8nは実行されたワークフローごとにログを残すことができ、どのタイミングでエラーが発生したのか、どのユーザーが実行したのかを確認できます。これにより、万が一不具合やデータ不整合が発生した場合でも、原因を素早く特定し対応することが可能になります。
特に承認フローやデータ登録のように人間の判断を含む処理では、「誰が承認したのか」「どのデータが保存されたのか」を記録しておきましょう。さらに、セキュリティの観点からもログ監査は役立ちます。外部からの不正アクセスや、権限のない操作が行われた場合、ログを確認すれば異常を早期に検知可能です。
運用を効率化するためには、ログを蓄積するだけでなく、監視ツールと連携してアラートを出す仕組みを作るのが理想的です。
n8nはオープンソースとして積極的に開発が進められており、新機能追加と同時にセキュリティ修正も頻繁に行われています。そのため、古いバージョンを使い続けると既知の脆弱性を抱えたまま運用することになり、外部からの攻撃リスクが高まりかねません。定期的にアップデートを確認・適用すれば、常に最新の防御策を取り込めます。
特にセルフホスト環境では自動更新が行われないため、管理者が計画的にバージョン管理を行うことがポイントです。更新時にはリリースノートを確認し、既存フローへの影響をテストしたうえで反映する運用ルールを整えておけば、安全性と安定性を両立できます。
さらにCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の仕組みを組み合わせれば、更新の取得からテスト、本番反映までを自動化可能です。

n8nはオープンソースかつノーコードで扱える強力な自動化ツールです。GmailやSlack、などと連携し、承認フローや条件分岐を組み込むことで、人の判断を残しながら効率的に業務を進められます。セキュリティ管理を徹底すれば、安全性と利便性を両立しつつ、DXを進められるでしょう。
さらに、柔軟な拡張性と活発なユーザーコミュニティに支えられており、ニーズに合わせた独自のワークフロー設計も可能です。小規模なチームから大規模な企業まで幅広く導入できるため、今後の業務改善の中心的な選択肢となるでしょう。