ペーパーレス化のメリットとは?デメリットと導入事例もあわせて解説

ペーパーレス化 メリット

ペーパーレス化のメリットをコスト削減・業務効率化・テレワーク推進など6つの観点で解説します。デメリットや導入のポイント、企業・自治体の国内事例も紹介します。

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ペーパーレス化の導入を検討しているものの、具体的なメリットが整理できておらず、社内への説明材料が不足していると感じている方は少なくありません。コスト削減だけに注目されがちですが、ペーパーレス化の効果は働き方改革や法対応、DX推進の土台としても多面的に期待できます。

一方で、初期コストや現場の定着に課題を感じる声もあり、デメリットを把握した上で進める視点も欠かせません。本記事では、ペーパーレス化で得られる6つのメリット、押さえておくべきデメリット、導入のポイント、DX推進との関係、そして国内企業・自治体の具体的な事例を解説します。社内提案の根拠を整理したい方にとって、役立つ情報をお届けします。

ペーパーレス化で得られる6つのメリット

ペーパーレス化によるコスト削減や業務効率化など6つのメリットを表すペーパーレス化のイメージ

ペーパーレス化によって得られる効果は、コスト面にとどまりません。業務効率化からセキュリティ強化、法令対応、環境配慮まで、幅広い観点でメリットが期待できます。本章では、代表的な6つのメリットを順に解説します。各メリットを把握することで、自社の優先課題と導入効果を具体的にイメージしましょう。

コスト削減|印刷・保管・郵送費の圧縮

ペーパーレス化によって削減できるコストは、用紙代や印刷費にとどまりません。プリンターのトナー代やメンテナンス費用、ファイルや書棚の購入費、オフィスの保管スペースにかかる賃料、郵送費といった費用も積み重なっています。

これらを電子化によって置き換えることで、固定費を継続的に削減できます。書類の量が多い組織ほど削減できる金額も大きくなる傾向です。経営層への提案時には、現状の印刷・保管・郵送にかかるコストを数値化すると、導入の必要性を具体的に示せます。削減効果の可視化で、社内の合意形成もスムーズに進みます。

業務効率化|書類作成から検索までの時間を短縮

紙の書類を前提とした業務では、印刷・押印・封入・郵送といった工程が発生し、それぞれに時間がかかります。電子化すると、書類の作成から送付・承認・保管までの流れをシステム上で完結できる点が利点です。

書類の検索も、キーワード入力で素早く見つけられるようになります。複数の担当者が同時に書類を参照・編集できるため、情報共有のスピードも上がります。承認フローをシステム化すると、押印待ちによる業務の停滞も解消できます。こうした改善が積み重なることで、社員がコア業務に充てられる時間が増え、生産性の向上につながるでしょう。

テレワーク推進|場所を選ばない業務環境の整備

紙の書類を前提とした業務フローでは、押印や書類の受け渡しのために出社が必要な場面が生まれやすくなります。書類をクラウド上で管理すると、オフィス以外の場所からでも必要な情報にアクセスできる環境が整う仕組みです。

テレワーク中でも契約書の締結や請求書の処理が完結できれば、働き方の選択肢が広がります。場所にとらわれない業務環境は、優秀な人材の確保や育児・介護との両立支援といった観点からも意義があります。ペーパーレス化は、テレワーク推進の基盤として、多様な働き方を組織に定着させるうえで重要な役割を果たします。

セキュリティ強化|紛失・盗難リスクの低減

紙の書類には、紛失・盗難・誤廃棄といったリスクが伴います。電子化によってアクセス権限を設定すると、閲覧・編集できる人物を制限でき、操作ログによって誰がいつ書類にアクセスしたかを記録できます。

物理的な書類の持ち出しによる情報漏えいリスクを減らせる点も、電子管理の利点です。特に個人情報や機密書類を扱う業務では、紙よりも電子化した上で適切なシステムで管理する方が、セキュリティ面での統制を取りやすくなります。

環境負荷の軽減|SDGsへの貢献と企業イメージの向上

紙の使用量を減らすことは、森林資源の保護や二酸化炭素排出量の削減に貢献します。SDGsの観点からも、ペーパーレス化は目標13「気候変動に具体的な対策を」や目標15「陸の豊かさも守ろう」への取り組みとして位置づけられる活動です。

環境への配慮をESG経営やCSRの一環として対外的に発信すると、顧客や取引先からの信頼向上につながります。採用活動においても、環境意識の高い求職者にポジティブな印象を与えられる側面もあります。ペーパーレス化は、環境対応と業務効率化を同時に推進できる点が、多くの組織から評価される理由の一つです。

法令対応|電子帳簿保存法に対応した文書管理を実現

電子帳簿保存法の改正により、2024年1月1日以降、電子取引で授受したデータについては、電子データのまま保存することが義務付けられています。ペーパーレス化を進めることで、この法的要件への対応を業務設計に組み込める点がメリットです。

電子帳簿保存法には「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3区分があり、それぞれに保存要件が定められています。紙での保管を前提とした業務フローを維持したまま法対応を後付けするより、ペーパーレス化と合わせて業務設計を見直す方が、長期的な運用の負担を減らせる利点があります。法改正の動向を定期的に確認し、社内ルールを適切に更新する体制を整えておくことも重要です。

ペーパーレス化のデメリット

ペーパーレス化には多くのメリットがある一方、導入前に把握しておくべきデメリットも存在します。初期コスト、現場への定着、システムリスクという3つの観点から注意すべき点を整理します。事前に把握した上で対策を立てることで、導入後のトラブルを未然に防ぎ、取り組みを軌道に乗せやすくなるでしょう。

初期導入コストと運用負担が発生する

ペーパーレス化を進めるには、文書管理システムや電子契約サービス、クラウドストレージなどのツール導入費用が発生します。ツールの月額利用料に加え、既存書類のデジタル化作業や社員研修にも費用と時間がかかる点は把握しておく必要があります。

導入初期は紙との併用期間が生じるため、一時的に運用コストが増える場面もある点に注意が必要です。こうした初期負担を軽減するには、まず影響範囲の小さい業務から始め、費用対効果を確認しながら段階的に導入範囲を広げていく進め方が現実的です。費用の見通しを事前に試算し、経営層への説明材料として整理しておくことも重要な準備となります。

ITリテラシーの差によって定着に時間がかかる

デジタルツールの操作に不慣れな社員がいる組織では、ペーパーレス化の浸透に時間がかかることがあります。「紙の方が分かりやすい」「操作方法が覚えられない」といった声が現場から上がることも少なくありません。

定着を促すには、操作説明の研修を丁寧に実施し、分かりやすいマニュアルの整備が有効です。年代や職種によってITリテラシーに差があることを前提に、個別のサポート体制を設けることで、組織全体への浸透を後押しできます。少人数でのパイロット導入から始め、習熟度に応じて対象範囲を段階的に広げる進め方が、現場への定着において現実的なアプローチとなります。

システム障害やサイバー攻撃への対策が必要になる

書類をデジタルで管理するようになると、システム障害やサイバー攻撃によるデータ消失・流出のリスクへの対策が必要になります。クラウドサービスを利用する場合も、サービス提供会社のセキュリティ体制や障害時の復旧方針を確認しておく必要があります。

定期的なバックアップの仕組みを整え、アクセス権限の管理やパスワードポリシーの明確化が、リスク低減の基本的な対策です。紙の書類には紙特有のリスクがあるように、デジタル管理にもデジタル特有のリスクが伴う点を理解した上で導入を進めることが大切です。

ペーパーレス化は進め方を誤ると、コストや運用面で負担が大きくなることがあります。自社に合った導入方法や業務自動化の進め方について、無料相談でご相談ください。

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ペーパーレス化の効果を高める導入のポイント

ペーパーレス化を成功させるには、導入の進め方そのものが大切です。対象業務の絞り込み、ルール整備、ツール選定、推進体制の構築、効果測定という5つの観点から、導入効果を高めるポイントを整理します。各ポイントを押さえることで、現場への定着までの道筋を具体的に描けるようになります。

対象業務を絞り込んでスモールスタートする

ペーパーレス化を進める際は、最初から全社一斉に取り組もうとせず、特定の部署や業務に絞ってのスモールスタートが定着への近道です。紙の使用頻度が高く、電子化による効果が見込まれる業務を優先対象として選びます。

小さな範囲で試行し、成功体験を積み重ねることで、現場の納得感を得ながら取り組みを広げていけます。試行段階での課題を早期に発見し、改善してからの展開が、全社展開時のリスクを抑えられる点がメリットです。スモールスタートの成果を社内で共有することで、他部門の参加意欲を高め、展開をスムーズに進められる環境が整います。

社内ルールとガイドラインを事前に整備する

ツールを導入する前に、社内ルールとガイドラインを整備しておくことが欠かせません。書類の保存形式、ファイルの命名規則、アクセス権限の設定方針などを明文化しておかないと、担当者ごとに運用がばらついてしまいます。

電子帳簿保存法などの法的要件も、ルール整備の段階で確認が必要です。ガイドラインは現場が読んで理解できる言葉でまとめ、更新のタイミングも定めておくことで、長期的な運用の基盤になります。導入後に問題が発生した際も、ルールが明文化されていることで、対応の方針を迅速に確認でき、組織としての統一した判断が取りやすくなります。

ツール選定では操作性とセキュリティを優先する

ペーパーレス化を支えるツールは、電子契約サービス、文書管理システム、クラウドストレージ、ワークフローツールなど多様です。対象業務に必要な機能を軸に選定し、既存システムとの連携可否も事前に確認します。

操作のしやすさは定着に直結するため、現場担当者が実際に試用できる環境を用意した上で選びましょう。セキュリティ面では、アクセス権限の管理機能や通信の暗号化、バックアップ体制が整っているかを確認した上で判断します。コストと機能のバランスを踏まえ、自社の規模や業務内容に合ったツールを選ぶことが、現場への定着の近道となります。

推進体制を整備し段階的に導入を進める

ペーパーレス化を組織全体に広げるには、推進を担う体制の整備が欠かせません。特定の担当者に任せきりにすると、部門ごとに取り組みの温度差が生まれやすくなります。

経営層の方針を示した上で、各部署に推進担当者を置き、横断的な情報共有の場を設けましょう。推進体制が整うことで、現場からの質問や課題にも迅速に対応できる環境が生まれます。段階的な展開計画をあらかじめ策定しておくことも、混乱を防ぐ重要な準備です。体制が整うことで、担当者も相談先が明確になり、取り組みを前に進めやすい組織風土が育まれます。

導入後の効果を定期的に測定して改善する

ペーパーレス化の導入後は、効果を定期的に測定し、改善を繰り返す仕組みを設けることが必要です。印刷枚数の推移、書類検索にかかる時間の変化、コスト削減額などを指標として設定し、導入前と比較します。

数値で効果を把握すると、経営層への報告にも説得力が生まれます。目標に対して進捗が思わしくない場合は、ルールやツールの見直しと改善策の検討が必要です。継続的な改善のサイクルを回すことが、ペーパーレス化を定着させる鍵となります。測定結果の定期的な社内共有で、取り組みへの関心と参加意欲を組織全体で維持できます。

ペーパーレス化がDX推進につながる理由

ペーパーレス化は、単なる紙の削減にとどまらず、DX推進の土台としての側面を持っています。データの一元管理、業務プロセスの標準化、他ツールとの連携という3つの観点から、ペーパーレス化がDXにつながる理由を整理していきましょう。DXを見据えた視点でペーパーレス化に取り組むことで、長期的な効果を引き出せます。

データの一元管理と活用基盤の整備につながる

紙の書類をデジタルデータへ変換すると、情報を組織内で一元的に管理できる環境が整います。部門ごとに分散していた書類がシステム上に集約されることで、必要な情報を素早く探し出せるだけでなく、データを分析・活用する基盤としても機能します。

データが一元化されれば、業務の傾向や課題をデータで把握しやすくなり、意思決定の精度が高まります。ペーパーレス化で蓄積されたデータは、業務改善の根拠として活用できる重要な資産です。データを起点にした改善サイクルを継続すると、組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。

業務プロセス全体の見直しと標準化を促進する

紙の書類を電子化する過程では、どの情報をどの形式で記録・保管するかを定める必要があり、業務プロセスを見直す機会が生まれます。フォーマットや承認フローの統一で、担当者によって異なっていた業務の進め方が標準化される点がメリットです。

標準化された業務プロセスは、引き継ぎや教育にかかる負担を減らし、属人化の解消につながります。プロセスが整理されることで、次のデジタル化施策を導入しやすい土台が整う点も、ペーパーレス化の持つ価値の一つです。標準化を通じて組織全体の業務品質を均一化し、安定した業務運営の基盤を築けます。

他のデジタルツールとの連携で効果が広がる

ペーパーレス化によって書類をデジタルデータとして管理できるようになると、他のデジタルツールとの連携が可能になります。例えば、電子契約サービスで締結した契約書を文書管理システムに自動保管し、請求書データを会計ソフトに取り込んだりする仕組みを構築できる点がメリットです。

こうしたツール間の連携が進むことで、データの手入力や転記作業が減り、業務全体の流れがよりスムーズになります。ペーパーレス化を起点に、複数のデジタルツールを組み合わせることで、DX推進の取り組みとしての広がりが生まれます。連携の範囲を計画的に広げることで、組織のデジタル成熟度を段階的に高められるでしょう。

ペーパーレス化をDXや業務自動化につなげるには、自社に適した仕組みづくりが重要です。AI活用や業務効率化を見据えた導入方法について、無料相談でサポートします。

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ペーパーレス化の国内事例

ペーパーレス化の取り組みは、業種や規模を問わず広がっています。小売業、建設業、自治体という異なる組織の3事例から、導入の背景や具体的な成果を確認していきましょう。

事例1.株式会社ライフコーポレーション|会議のペーパーレス化で月間6万枚の印刷削減

株式会社ライフコーポレーションは、近畿圏・首都圏にスーパーマーケットチェーン「ライフ」を展開しています。店長会議には首都圏120名、近畿圏150名の店長が参加しており、準備する会議資料の量が課題となっていました。新規店舗展開や社員増加も見込まれており、今後さらに資料が増えることも明白な状況でした。

そこで、タブレット端末を活用したペーパーレス会議システムを導入しました。結果として、店長会議での毎月6万枚分の印刷費と人件費の削減に成功しています。また、ペーパーレス化以前は白黒印刷や枚数削減に努めていた資料が、カラーで見やすく表現できるようになり、会議の質も向上しました。

出典参照:株式会社ライフコーポレーション 導入事例|株式会社エステック情報サービス

事例2.西松建設株式会社|年間約250万枚の会議資料を削減し用紙代を10分の1に

西松建設株式会社は、1874年創業の大手総合建設業で、「各職場における自発的無駄の改善」プロジェクトの一環として「社内会議で配布するコピー用紙の削減」に取り組みました。2014年9月にmoreNOTEを本導入し、役員会議をはじめ約260種類の会議、約100の部門で活用しています。

導入効果として、1回あたり約1,000枚を消費していた30名参加の会議がペーパーレス化され、年間約250万枚の削減効果が出ています。コピー用紙代は10分の1に圧縮され、直前の資料差し替えも容易になったことで、会議事務局の作業負担も軽減されました。

出典参照:【西松建設】250万枚の会議資料削減! コピー用紙代を10分の1に削減成功 更に事務局の作業負担も大幅に軽減|富士ソフト株式会社

事例3.磐田市|介護認定審査会のペーパーレス化で紙12万枚・業務時間200時間削減

静岡県磐田市の健康福祉部では、介護認定審査会の準備に要する業務時間と紙の使用量の多さが課題でした。年間6,000〜7,000件の審査を行うため、1回の審査会でA4用紙を約2,500枚使用しており、印刷から封入・郵送まで多くの手間が発生していました。2023年4月にmoreNOTE介護認定審査会デジタルパックを導入しました。

導入後は資料準備時間が3時間半から1時間半程度に短縮され、年間で約200時間の業務時間削減が見込まれる計算です。紙の使用量は年間約12万枚の削減が実現し、郵送費の節約にも貢献しています。事前判定機能の活用で審査会の平均開催時間も短縮され、委員の負担が減っている点も評価されています。

出典参照:【磐田市】介護認定審査会のペーパーレス化により紙の使用量12万枚削減、業務時間200時間削減|富士ソフト株式会社

まとめ|ペーパーレス化のメリットを理解し自社に適した導入を進めよう

ペーパーレス化のメリットを理解し自社に適した導入を進めDX推進につなげる重要性を表すペーパーレス化のイメージ

ペーパーレス化のメリットは、コスト削減にとどまらず、業務効率化、テレワーク推進、セキュリティ強化、環境負荷の軽減、電子帳簿保存法への対応と多岐にわたります。一方で、初期導入コストやITリテラシーの差、システムリスクといったデメリットも存在するため、事前に把握した上で進めましょう。

導入の際は、スモールスタートから始め、社内ルールを整備した上でツールを選定する順序で進めることが、定着への近道です。ライフコーポレーションや西松建設、磐田市の事例からも分かるように、目的の明確化が成果につながる要因となります。ペーパーレス化はDX推進の土台として、単なる紙の削減にとどまらない視点で取り組むことが重要です。

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