証券DXで自動化できる業務とは？取り組みポイントや企業事例を紹介

現代の証券業界は市場環境の変化や顧客ニーズの多様化に伴い、業務の効率化やデジタル化が急務となっています。そこで証券DX（デジタルトランスフォーメーション）を推進すると、多くの業務が自動化されて作業負荷の軽減やミス削減、顧客体験の向上などが期待できるのです。

この記事では、証券DXによって自動化できる業務の具体例とそれがもたらす効果、さらに自動化に取り組む際のポイントをわかりやすく解説します。読了後には、自社の業務改善に役立つ視点が得られるでしょう。

証券DX推進で業務自動化をするべき5つの理由

証券業務は専門性が高く、多岐にわたる作業が日々発生します。しかし人手に頼った業務は増加傾向にある負担やミス、さらに属人化のリスクを招きやすいです。

ここでは証券DXの推進により自動化を積極的に進めるべき重要な理由を5つに絞って説明します。これらの理由を理解することで、自動化の意義と導入への動機付けが明確になるでしょう。

①業務量の増大に対応する

証券取引や顧客管理に関するデータは、年々膨大になっています。市場が複雑化し、多様な金融商品が増加する中で処理すべき情報量も急速に拡大しています。そこでデータ収集・検索を自動化すると、大量の取引データや顧客情報を効率的に処理できるため、増大する業務量に柔軟に対応可能です。

例えば手作業で行うと時間がかかる取引照合やレポート作成をシステム化すると、迅速かつ正確な業務遂行が実現できるでしょう。結果として、人員の適正配置や業務効率の向上につながるのです。

参考：日本証券業協会｜統計情報・調査結果

②ミスや属人化を防ぐ

人手による入力ミスや確認漏れは、証券業務において重大なリスクを伴います。特に複雑な計算や細かなデータ管理が求められるため、人的エラーが発生しやすい環境です。

業務を自動化すれば一定のルールに従って処理が進むため、ミスの発生率を減少させられます。さらに業務プロセスが明確にシステム化されることで、特定の担当者に依存せず誰でも同じ水準の作業が可能になるのです。

特に取引内容の確認や帳簿作成などは、自動チェック機能を組み込むことで属人化のリスクを軽減できるでしょう。

③顧客体験を向上させる

顧客の期待は年々高まり、スピーディで正確なサービス提供が不可欠となっています。そんな時代に業務を自動化すると、注文処理や口座管理がリアルタイムに行われるようになり、顧客の利便性が向上するのです。

実際に取引の約定情報や残高確認を即時に反映させることが可能になり、問い合わせ対応も迅速化されるでしょう。このような対応が顧客満足度を高めて信頼獲得へとつながるため、競争力の強化に直結します。

証券DXによって顧客のニーズに柔軟かつ迅速に応える基盤が整うのです。

④働き方改革に対応する

労働環境の改善が社会的課題となっている中、それは証券業界も例外ではありません。膨大な書類処理や定型的な確認作業は、従業員の負担増大と長時間労働の原因になります。自動化によりこれらの業務を減らすことで、社員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。

例えばシステムによる自動集計や帳票作成は、手作業に比べ時間短縮が可能です。結果、ワークライフバランスの改善と生産性の向上が両立し、持続可能な組織運営が期待できます。

参考：厚生労働省｜「働き方改革」の実現に向けて

⑤法規制対応や内部統制強化と両立させる

証券業界は、厳しい法規制や監査基準に準拠する必要があります。そのため業務の透明性確保やリスク管理は必須であり、手作業での対応には限界があるでしょう。

そこで自動化を図り、ルールベースの処理やログの記録を確実に行うことで、法令遵守を効率化しつつ内部統制を強化できます。

取引履歴の自動保存や異常検知システムを導入すると、不正防止や監査対応の迅速化が可能になるでしょう。このように証券DXの推進は規制対応、及び効率化を同時に実現するカギとなっています。

参考：金融庁｜金融商品取引法について

参考：証券取引等監視委員会｜証券取引等監視委員会 中期活動方針

参考：金融庁｜金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針 令和７年６月

証券業界において自動化できる業務

証券業界におけるDX推進では、多くの業務が自動化の対象になります。これにより効率化だけでなく、ヒューマンエラーの減少や顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

ここからは証券業務の中で特に自動化効果が高い代表的な業務について詳しく解説します。自社の業務に適用する際の参考にしてください。

口座開設・本人確認（KYC）

口座開設や本人確認のプロセスは、顧客情報の正確性が求められるため慎重な対応が必要です。従来は書類の郵送や対面確認が主流でしたが、デジタル化により自動化が進んでいます。

例えば本人確認のためにAIを活用した顔認証技術やOCR（光学文字認識）を用いることで、書類の自動読み取りと情報照合が可能になるでしょう。この仕組みが書類の手入力ミスを防ぎ、手続き時間を短縮するのです。

さらにKYCプロセスは、規制対応の面でも厳格に管理しなければなりません。従来は一つひとつ人の手で管理が行われていましたが、自動化によって法令遵守に必要な情報の記録や定期的な確認作業を効率よく行えるため、人的負担を軽減しつつリスク管理も強化されます。

注文執行・売買処理

注文の執行や売買処理は、証券業務の中核にあたる部分です。ここでのスピードと正確性が顧客の信頼を左右するため、ミスや遅延は許されません。その点自動化システムでは、顧客からの注文をリアルタイムで受け付けられるため、市場状況や価格情報に基づき迅速に処理可能です。

例えば、注文内容のチェックや約定処理、決済業務までをシームレスに連携させることで人的ミスのリスクを減少させるでしょう。

また過去の取引データをAIで分析し、異常な取引パターンを検知する仕組みも導入が進んでいます。これが不正取引の早期発見や対応を可能とし、業務の安全性が向上するのです。

顧客対応（チャットボット・FAQ対応）

顧客からの問い合わせ対応は多岐にわたり、人的リソースを圧迫しやすい領域です。特に営業時間外や繁忙期には、迅速な対応が困難になることもあります。

この問題に対し、チャットボットやFAQシステムの導入で自動化を図る企業が増えているのです。チャットボットとは、自然言語処理（NLP）技術を用いて顧客の質問を理解し、適切な回答を即座に返せるツールです。

例えば口座残高の確認や取引履歴の照会、手続き方法の案内などが24時間対応できるようになるのです。

結果として、顧客満足度の向上だけでなくコールセンターの負担軽減や担当者の業務効率化にもつながるため、多くの証券会社で積極的に採用されています。

コンプライアンス・監査対応

証券業界は厳格な規制環境下にあり、コンプライアンス遵守と監査対応は必須の業務です。従来は膨大な書類作成や手動のチェックが中心でしたが、ここでも自動化の効果が発揮されます。

例えば取引内容のログを自動記録し、不正や不適切な取引を検知するシステムは役立つでしょう。AIや機械学習を活用し、異常検知を行うことで監査対応の効率化と精度向上が見込めます。

さらに、定期的な規制チェックリストの自動生成やリスク評価も、システム化することでコンプライアンス担当者の負担を軽減し、迅速な対応が可能になるのです。

マーケティングオートメーション

顧客獲得やリテンション施策にもDXが推進されており、マーケティングオートメーションはその代表例です。それは、証券会社が抱える膨大な顧客データを活用し、ターゲットを絞った効果的なアプローチが実現します。

マーケティングを自動化することで顧客の取引履歴や行動パターンを分析し、個々に最適化された商品提案やキャンペーン情報を自動で配信することが可能です。メールやSMS、プッシュ通知など多様なチャネルを組み合わせることで、反応率の向上や顧客エンゲージメントの強化につながります。

このような取り組みは営業活動の効率化に加え、顧客満足度の向上にも貢献するでしょう。

資産運用・ロボアドバイザー運用

資産運用の分野では、ロボアドバイザーが注目されています。これはAIが顧客のリスク許容度や投資目的に基づき、最適なポートフォリオを提案・運用するサービスです。

ロボアドバイザーの導入により、従来専門家が時間をかけて行っていた資産配分やリバランス作業が自動化されます。これにより低コストで質の高い運用サービスが提供でき、より多くの顧客に対して均質なサービスが行き渡るようになるのです。

またこのシステムは、定期的に市場状況を分析し、リスク管理を行いながら自動で運用戦略を調整するため、顧客は安心して資産運用を任せられます。この技術の普及により、個人投資家の裾野も広がっているのです。

業務の自動化に向けた証券DX推進のポイント

証券業界で業務の自動化を進めるには、単に最新技術を導入するだけでは不十分です。経営戦略との整合性を保ち、現場の実態に即した段階的な進行が求められます。さらに、人と機械の役割分担やデータの品質管理、セキュリティ対策も欠かせません。

これらのポイントを踏まえた上でのDX推進によって、真の業務効率化やサービス向上が期待できるでしょう。ここでは、具体的なポイントを詳しく解説します。

ビジネス戦略と連動させる

業務自動化の推進では、会社のビジネス戦略と連動させることが重要です。単独で技術導入を行っても、組織全体の目標と乖離すれば効果は限定的になります。そこでまずは経営陣が自動化の目的や範囲を明確に設定し、戦略に落とし込む必要があります。

例えば顧客体験の向上を戦略目標に掲げる場合、自動化はスムーズな顧客対応や迅速な注文処理に重点を置くべきでしょう。この視点から導入計画を立てれば、業務効率だけでなく顧客満足度も上げられます。

また業務の自動化が競合優位性の源泉となるため、継続的な投資計画や改善施策の検討も不可欠です。戦略と技術の両輪がしっかりかみ合う体制を築くことで、DXの効果が最大化されるでしょう。

段階的かつ柔軟にシステムを導入する

自動化を急ぎすぎると、システムの過剰投資や現場の混乱を招くリスクがあります。したがって、段階的かつ柔軟な導入計画が望ましいです。これは既存業務の分析を踏まえ、影響範囲の小さい部分から始める方法です。

まずは顧客対応の一部をチャットボットで自動化し、そこで得たノウハウを基に注文処理などの重要業務に範囲を広げていきましょう。段階的に進めることで課題の早期発見と改善が可能になり、全体の導入成功率も上がるのです。

さらに、証券業界は市場環境や法規制の変化が激しいため、導入システムの拡張性や柔軟性も重視すべきでしょう。クラウドサービスやAPI連携を活用し、将来的なアップデートに対応できる設計を意識しましょう。

人間の判断と機械処理の役割分担を明確にする

自動化が進む中でも、人間の判断が必要な領域は多く存在します。特に複雑なケースや規制に関わる意思決定、顧客との信頼関係構築に関しては人の介在が不可欠です。つまり、システムと人間の役割を明確に分けることで、効率性と安全性を両立させられます。

例えば、標準的な注文処理や定型的な問い合わせは機械に任せる一方で、例外的な取引や複雑な問い合わせには専門の従業員が対応するという運用は理想的でしょう。この運用によって機械の高速処理と人の高度な判断を融合し、全体のパフォーマンスを高められます。

また機械に任せる部分のルールや基準を細かく設定し、適宜見直すことも重要です。これによって過度な自動化による誤判断や対応漏れを防ぎ、リスク管理体制を強化できます。

データ品質維持とセキュリティ対策を行う

証券業務の自動化において、データの品質維持とセキュリティ対策は欠かせません。自動化システムは大量の顧客情報や取引データを扱うため、データの正確性と安全性がサービス品質を左右します。

例えば、入力ミスや重複、情報の不整合はシステム全体の信頼性を損なうため、データクレンジングや整合性チェックを定期的に実施する仕組みが必要です。さらにデータ管理のルールを明確にし、担当者に周知徹底することも効果的です。

セキュリティ面では、多層防御の考え方に基づいた対策が求められます。暗号化技術の導入やアクセス制御、ログ管理を徹底して外部からの不正アクセスや内部不正のリスクを抑えます。加えて、定期的なセキュリティ診断や訓練による対応力強化も忘れてはいけません。

システム連携とリアルタイム処理を実現する

自動化システムの効果を最大化するためには、各システム間の連携とリアルタイム処理が不可欠です。証券業務は多様なデータやプロセスが絡み合っており、単独のシステムだけでは全体最適化が難しいからです。

例えば、口座管理システムや注文処理システム、リスク管理システムが連携して情報をリアルタイムで共有できれば、状況に応じた迅速な意思決定やトラブル回避が可能になるでしょう。これにより、サービス品質の向上とリスク低減の両立を実現可能です。

近年ではAPI連携やクラウド基盤の活用が進み、システム間のデータ連携が容易になりました。これによってバッチ処理では難しかったリアルタイム性の高い処理や分析も実現し、業務全体のスピードアップにつながっています。

証券業界における自動化に役立つツール3選

証券業界での業務自動化を効果的に進めるには、優れたツールの活用が不可欠です。近年では業務効率化やリスク管理、投資分析など多岐にわたる機能を備えたプラットフォームが次々に登場し、業界全体のDXを加速させています。これらのツールは単なる作業の自動化に留まらずデータ連携や高度な分析を可能とし、より戦略的な運用を実現可能になるのです。

ここでは証券業界で特に注目されている3つのツールを紹介し、それぞれの特徴や導入効果について解説します。

Aladdin｜BlackRock, Inc.（ブラックロック社）

Aladdinはブラックロック社が開発した統合投資管理プラットフォームで、資産運用やリスク管理に特化しています。世界中の金融機関で広く採用されており、その高い信頼性と拡張性が評価されているのです。

Aladdinの最大の強みは、投資ポートフォリオの管理からリスク評価、取引執行まで一貫したワークフローを提供する点です。これによって複雑な資産構成や市場変動に迅速に対応でき、運用効率を向上させられます。

このツールでは大量の市場データや企業情報をリアルタイムで取り込み、AIや機械学習を活用したリスクシナリオ分析を自動化しています。これにより、リスク管理担当者は迅速かつ的確な判断が可能になるのです。

さらにAladdinはAPI連携にも優れており、他のシステムやツールと柔軟に統合できます。これにより、既存の業務環境を大きく変えずに導入できる点も魅力の1つです。

参考：Aladdin｜BlackRock, Inc.（ブラックロック社）

Bloomberg Terminal｜Bloomberg L.P.（ブルームバーグ・エル・ピー）

Bloomberg Terminalは、金融市場の情報収集と分析に特化したプラットフォームとして証券業界において長年にわたり定番ツールとなっています。多種多様なデータベースとニュース、分析ツールを一体化しているため、情報収集から投資判断までのプロセスを効率化できます。

特にリアルタイムで更新される市場データや経済指標は、投資家やトレーダーにとって欠かせない情報源です。Bloomberg Terminalは、こうした膨大な情報を高速に検索・分析できる機能を備えています。

例えば、カスタマイズ可能なアラート機能によって重要な市場の変動やニュースを即座に把握し、迅速な対応が可能です。さらにチャット機能や取引プラットフォームも内蔵しており、顧客対応や注文執行にも役立ちます。

またAIによるデータ分析やパターン認識機能も強化されており、従来の手法では見落としがちな市場トレンドやリスクを早期に検知できる点も特徴的です。

参考：Bloomberg Terminal｜Bloomberg L.P.（ブルームバーグ・エル・ピー）

Tradeweb｜Tradeweb Markets LLC（トレードウェブ・マーケッツ・エルエルシー）

Tradewebは電子取引プラットフォームとして、主に債券やデリバティブ取引の自動化に特化しています。証券会社や機関投資家が利用しやすいインターフェースと多様な取引ツールが揃っているため、効率的な市場アクセスを実現しています。

Tradewebの強みは、複数の市場参加者間での透明性の高い価格比較と迅速な取引執行を可能にする点です。これによって従来の電話やFAXによる取引と比べ、コスト削減とリスク軽減が期待できます。

このツールは自動入札機能やプライシングエンジンを活用し、最適な取引条件をリアルタイムに提示します。このためトレーダーは市場の変動に即応しつつ、効率的な注文処理が可能になるのです。

さらにTradewebは高度な規制対応機能も備え、コンプライアンス面での負担軽減にもつながります。ログ管理や監査証跡の自動化により、証券会社の内部統制強化に貢献します。

参考：Tradeweb｜Tradeweb Markets LLC（トレードウェブ・マーケッツ・エルエルシー）

証券DXの推進で自動化を実現させた企業事例

証券業界ではDX推進による業務自動化の成功例が増加傾向です。実際の企業がどのように自動化を進め、業務効率化やコスト削減を達成しているのかを理解すると自社の取り組みの参考になるでしょう。

ここでは代表的な3社の事例を取り上げ、自動化の効果やポイントを具体的に解説します。

事例①三菱UFJフィナンシャル・グループ株式会社｜RPAによる自動化で累計2万時間削減

三菱UFJフィナンシャル・グループはロボティック・プロセス・オートメーション（RPA）を積極的に活用し、日常のルーチンワークを自動化しています。特に定型的なデータ入力や照合業務にRPAを導入し、従来の手作業にかかっていた時間を削減しました。

例えば取引データの集計や報告書作成において、RPAが人手の代わりに複数のシステム間で情報を転送することで作業時間を短縮しています。結果として累計で2万時間以上の業務時間を削減し、従業員はより高度な業務や顧客対応に専念できるようになりました。

またミスの減少と作業の標準化にも寄与し、全体的な業務品質が向上しています。こうした自動化は証券業務の効率化だけでなく、コンプライアンス強化にもつながるため幅広い効果を生み出しているのです。

参考：三菱UFJフィナンシャル・グループ株式会社

事例②SBIホールディングス株式会社｜請求QUICKの活用でバックオフィス部門の負担を軽減

SBIホールディングスは請求処理の効率化に向けて、「請求QUICK」というクラウド型の請求書管理サービスを導入しました。このサービスは請求書の電子化と自動仕分け機能を備えており、従来の紙ベースの請求処理業務を改善しました。

例えば、請求書の受け取りから支払い承認までの流れをデジタル化し、手入力や郵送にかかっていた時間を削減しています。これによりバックオフィス部門の負担が軽減され、業務のスピードアップを実現しました。

さらに、クラウド上でのデータ管理によっていつでもどこでも請求書の状況を把握できるため、部門間の連携もスムーズになっています。これが結果的に経営判断の迅速化につながり、業務の透明性も高めています。

参考：SBIホールディングス株式会社

事例③SMBC日興証券株式会社｜書面手続きの電子化で業務時間の削減に成功

SMBC日興証券では顧客との契約、及び各種申請書類の書面手続きを電子化しました。これによって、書類の郵送や窓口での対応を必要とした従来の業務フローが簡略化されました。

実際にSMBCでは、電子署名やオンラインフォームを活用して顧客の本人確認や契約締結を実施し、手続きにかかる時間を短縮しています。これによって顧客満足度の向上と同時に、担当者の業務効率も改善されました。

加えて電子化に伴うデータ管理の効率化で、書類紛失や情報検索の手間が減少し業務全体のスピードアップと正確性の向上が実現しています。

参考：SMBC日興証券株式会社

まとめ｜業務の自動化に向けて証券DXを推進しよう

証券業界におけるDX推進は単なるシステム導入にとどまらず、業務全体の見直しと効率化を促進します。今回紹介したように、RPAや請求書管理クラウド、書面手続きの電子化といった具体的な自動化事例は業務時間の削減やミスの軽減に寄与し、従業員がより価値の高い仕事に集中できる環境を作り出しているのです。

これからの証券業界ではAIやクラウド技術を活用したツールを積極的に取り入れ、柔軟で安全なシステムを構築していくことが不可欠です。これらのツールを取り入れることで、競争力を維持しながら顧客満足度の向上も図れるでしょう。