2025年8月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(要旨)

2025.07.16

当決算説明会における主な質疑応答の要旨は、以下の通りです。
回答者は当社代表取締役CEO 河端 保志が務めさせていただきました。
なお、記載内容につきましては、ご理解いただきやすいよう、加筆修正しております。

Q1

チーム型参画案件は、通常案件に比べて利益率が高いのでしょうか。高いとしたら、どの程度でしょうか?

A1

おっしゃるとおり、利益率は高くなっていきます。これまで当社では、1社あたりの参画人数が少ないという課題がありました。これは、ポジティブに捉えると、1社に依存していないため、経営の安全性が高いという側面もあります。

ただ、現状において1社あたりの平均参画人数を多少増やしても、経営の安全性に大きな影響を与えることはありません。むしろ、平均参画人数を増やすことで取引社数が減り、営業の効率化が図れると考えています。

さらに、1社あたりの参画人数が増えることで、単価の交渉がしやすくなるという利点もあります。相手企業としても、いきなり3人から4人分のリソースを引き上げられると困るため、単価交渉がスムーズになります。そのため、これまでよりも利益率が高くなると考えています。

Q2

想定以上の案件終了という点についてネガティブな印象を受けましたが、もう少し詳しく教えてください。

A2

こちらについては、現在のマーケットが非常に混乱しており、これはトランプ大統領の関税政策など、さまざまな影響があると考えています。

とはいえ、その影響により別の業界が活況になるということがソフトウェア領域では往々にして起こるので、ほかの分野の案件の引き合いが増えました。案件終了はありましたが、その分、他の部分で参画ができたので、着実な積み上げにつながっています。現状では、案件終了の影響をすべてカバーできており、特段問題はないと考えています。

Q3

毎回決算を楽しみにしています。今回も期待以上の結果でした。

業績はすさまじい勢いで成長していると感じる一方、この1年の株価の動きが鈍く、個人投資家としてはこのまま保有し続けていいものか不安に感じています。業績が上がれば、おのずと株価も上がっていくのかもしれませんが、株価対策として業績以外に何か考えられていないでしょうか? このまま期待し続けていいのでしょうか?

A3

株価の動きの鈍さに関しては、大変申し訳ないと感じています。ただ、私たちは株価自体に直接的な措置を講じることは難しいものの、業績を向上させることは当然前提として進めています。

加えて、現在会社としてIRチームなどのリソースの拡大が始まったところでして、IR強化については注力して取り組んでいこうと考えています。出来高をしっかり注視しつつ、海外の機関投資家に対してもアプローチをしっかり進めていこうと思っています。

結論としては、業績を追うのは当然のこととして、IRについてはこの1年から2年はまったく十分な対応ができていなかったため、今後この部分の強化を図っていきたいと考えています。

Q4

この第3四半期はコンサル・アドバイザリーの売上が前四半期比で鈍化しましたが、これは第2四半期の一過性の増収要因が剥落したからだということでした。こういった展開の再現については今後は期待しないほうがよいでしょうか?

A4

コンサル・アドバイザリー領域の売上規模がエンジニアプラットフォームに比べてまだまだ小さいため、前四半期比で見ると売上のボラティリティが発生してしまっているのが現状です。

ただ、このコンサル・アドバイザリー領域については、通年で考えると、組織面も含めて非常に強い成長が見込まれており、経営としては、前四半期比での多少の売上ボラティリティについては現時点では特に意識していません。

実際、特にM&A仲介やコンサル・アドバイザリー領域では、他の企業でも見られるとおり、かなりずれ込むことがあります。ただ、それによって破談になったというわけではないですし、また、請け負っている案件数自体が非常に増加しているため、そこも含めて、特段問題はないと考えています。

Q5

M&Aの幅をコンサルに広げていくとありましたが、ほかの分野にも広げられるのですか?

A5

基本的には、マーケットに成長余地があり、ロールアップに適している領域であり、かつ私たちの得意とする領域でPMIを適切に実施でき、のれん負けしない案件であることを前提に、着実に進めていこうと考えています。

必ずしも中長期的にはエンジニアやコンサル分野に限定するわけではありませんが、現状では、あまりにも多くの分野に手を広げるのはよくないため、自分たちが得意とする分野にできる限り注力し、限られたリソースの中でできるだけ再現性が高いM&Aを進めていきたいと考えています。

Q6

第3四半期までの累計と通期計画から、第4四半期は売上高52億円弱、営業利益1億円強と試算できますが、売上高はハードルが高く見えます。売上が未達になると利益は厳しくなるということはないですか?

A6

現在の予算上では、しっかり達成できると考えています。

営業利益などについては、私たちは常に中長期的な成長を最優先に考えています。特に、第3四半期においてもエンジニア採用を重視しています。もう少し具体的にお話ししますと、エンジニア1名を採用するにあたり、エージェントに対して、採用手数料をお支払いするという形を取っています。

当社は、今期の利益を達成するためだけに本来採用すべき人材を採用せず、投資をやめるという判断はしていません。私たちは今期だけの業績を追う会社ではありませんので、そのような判断は合理的ではないと考えています。

そのため、仮に第4四半期に非常に良い人材が見つかった場合、その人材の採用によって今期の利益が達成できない可能性が生じても、優秀な人材の採用を優先したいと考えています。

ただし、採用については実現可能性を確実に読めるものではなく、採れるか採れないかの予測は非常に難しいのが現状です。そのため、多少の売上・利益のボラティリティが発生する可能性はあります。

しかし、会社としては常に中長期での成長を最優先に位置づけており、確実にそこに対して投資を行い、みなさまに中長期的に応援していただけるよう、結果でお応えしていきたいと考えています。

Q7

今回の決算では、利益がもっと出ると思っていました。今回の利益は河端社長の想定どおりなのでしょうか?

A7

こちらに関しては、第2四半期までで利益をほとんど達成している状況があったため、今回の第3四半期を含む下期は利益をほとんど出さずに、中長期的な投資を行うという方針を織り込んでいます。そのため、想定どおりというのが本音です。

実際、想定以上にエンジニア採用に投資することができました。今回の採用分のエージェントへの支払手数料はもちろん来期は発生しないため、その分売上・利益に貢献する見通しです。そのため、私たち経営陣としてはその点はポジティブに捉えています。

Q8

投資していく姿勢を心強く感じております。広告投資と採用投資以外で、今後投資していきたいといった要素はありますか?

A8

当社の一番のキーファクターは、基本的にはオーガニックの成長やM&A、そしてオーガニックの成長を達成するためのエンジニアを獲得・案件数増加にあります。このような点については、引き続き注力していきたいと考えています。

現状の現預金を踏まえると、M&Aの件数もさらに増やしていきたいと考えています。そのため、M&Aをソーシングするためのリソースの強化を図っていきたいと考えています。

足元では、プライム上場企業で、これまでM&Aを推進してきた非常に優れた人材が入社しており、M&A分野の強化が進んでいます。今後、その成果を結果で返していきたいと考えています。

Q9

第2四半期の説明会で『展示会に出展する』とありましたが、業績につながりそうですか?

A9

こちらは大企業を含めたリードの獲得ができており、初回取引に向けては数ヶ月のリードタイムが必要ですが、すでに多くの案件につながっています。そのため、翌期以降にはさらに貢献してくれると思います。

Q10

エンジニアをたくさん採用されたようですが、案件はあるのでしょうか?

A10

現状、案件については十分にあると考えています。ただし、案件に対して楽観視することなく、先ほど申し上げた展示会への出展などを通じて、エンジニアの拡大にとどまらず、案件の拡大も進めていこうと考えています。

Q11

各社人材採用に苦労していると思いますが、貴社では多くの人を採用できています。貴社が選ばれる要因は何があるでしょうか?

A11

私自身もエンジニア出身ということもあり、「エンジニアが絶対に当社を選びたくなるようなサービス」を自信を持って提供しているところが要因だと考えています。

また、人材業界においては、説明会でもお話ししたとおり、トップティアであることが非常に強みとなっています。つまり、エンジニアを獲得するためのコストが、当社より規模が小さい会社に比べて安く抑えられるという点です。

具体的には、広告を活用して他社よりも安い単価で採用を実現しているため、その分クライアントに還元できます。また、クライアントからの手数料を減らすことで、エンジニアにより多く還元できます。

このようにして、情報感度が高く合理的に選ぶことが多いエンジニアのニーズに応えられる点も、当社が選ばれる要因の1つになっていると思います。

Q12

社長の想定している中長期とはどのくらいの期間の幅をお考えでしょうか?

A12

だいたい5年程度のイメージではありますが、中長期という言葉は確かに抽象的だと思います。内容によっては3年で考えていることもあれば、5年とか10年で考えていることもあります。20年とか30年といったスパンで話す場合は、もちろん長期という表現をします。

ただ、今回ご指摘いただいたことで、私たちも可能な限り5年以下の期間を中長期と定義できるよう努力したり、言葉の定義化を進める必要があるとあらためて思いました。ありがとうございます。

Q13

想定以上の案件終了についてはどの程度のマグニチュードで受け止めるべきでしょうか? 第3四半期での発生なら、第4四半期でカバーできる状況にあると理解してよいでしょうか? 第4四半期での発生なら厳しいでしょうか?

A13

特段大きなマグニチュードではないと考えています。長くお付き合いしていた会社の経営方針の変更などが主なものでしたが、会社として特に大きな影響はないと考えています。

Q14

エンジニアの稼働数の伸びが悪いように見えますが、なぜですか?

A14

正社員で採用すると、どうしても稼働までのリードタイムが発生してしまいます。フリーランスの場合は、獲得と案件のマッチングがほぼ同じリードタイムで行われますが、正社員での稼働の場合は、入社後に研修やオリエンテーションなどを経るため、案件参画まで1ヶ月から2ヶ月かかります。

この点が影響していると考えていますが、今後はこの期間を短縮する取り組みを進めていきたいと考えています。

Q15

投資を積極的に行っているということは、ご説明で理解できました。来期以降の投資と利益はどのように考えればいいでしょうか? 利益と投資のバランスについての考え方を教えてください。

A15

今期は中長期の投資を行った分、当然、来期もそれ以上の投資を行わない限りは、利益に貢献していくと考えています。ただ、チャンスがある限り引き続き中長期の投資を行いたいとは考えていますが、基本的によほどのことがない限り、増収増益を前提に計画策定しています。

また増収幅についても、グロース企業として、3割以上の成長を達成するべきと考えていますので、そこはコミットしていきたいと考えています。

Q16

エンジニアプラットフォームは、今後伸び幅は戻りますか?

A16

この点に関しては、規模が大きくなってきているため、伸び「率」を大きく伸ばせるかどうかはなんとも言えませんが、基本的には伸び続けると考えています。また、伸び幅をさらに大きくするために、現在さまざまな施策を仕込んでいますので、それを確度高く、進めていきたいと考えています。

Q17

東証再編で時価総額100億円以下の企業は上場廃止になるとか、それに合わせて合併が多くなるという記事を見ました。再編に向けて何か準備されていることはありますか?

A17

最近東証が発表している内容は、さまざまに変化していると感じています。そのため、状況次第では、上場企業の当社へのグループ化についても当然検討していくべきだと考えています。

連携を検討すべき相手企業についてもしっかりと議論を進めていきたいと考えていて、当社にとっては基本的には追い風になるのではないかと思います。このチャンスを活かすため、日頃からP/Lを意識し、利益を出すことで生じたキャッシュを適切に活用していきたいと思っています。

Q18

ハイブリッドテクノロジー社とジンアース社の提携の開示を見ました。今後も他社との提携を進めていくのでしょうか?

A18

他社との提携を今後も積極的に進めようと考えており、現在も動いています。

この取り組みは、事業的な成長はもちろんのこと、IR的な側面も含め、積極的に進めていきたいです。チャンスのある業界や、当社が相手方にメリットを提供できる領域、つまりお互いにWin-Winとなる分野を中心に、今後もさらに積極的に進めていきたいと考えています。

Q19

毎回参加させてもらい、その都度成長を感じています。機関投資家へのIRに力を入れるとのことですが、注目してもらうための株式分割や増資は検討されていますか?

A19

ありがとうございます。現状、単元株数は十分と考えているので、株式分割は特段検討していません。

また、増資についても、昨年市場から資金調達を行ったばかりであり、現金預金の状況を考慮しても、特に検討していません。

基本的に、機関投資家へのIR活動については、当社の認知度がまだ非常に低い状況です。そのため、まずは当社が高い成長率を維持し、市場への約束を確実に遂行してきた企業であることを認知してもらう必要があります。

また、当社が取り組んでいる事業の成長性、特に国内におけるフリーランス活用の成長性を強くアピールしていきたいと考えています。当社が展開している事業の市場の成長性には非常に自信を持っています。また、当社が採用している戦略にも非常に高い再現性があると考えています。こうした点をしっかりとアピールしていきたいと考えています。

Q20

AIがますます発展していますが、エンジニアプラットフォーム事業を行っている御社ではAI関連のビジネスを開始したり、M&Aしたりしないのでしょうか?

A20

AI関連のビジネスについては、当社のデータベースにおいてAIエンジニアも非常に増加しており、それらを活かしたAI関連のビジネスを展開することを考えています。また、社内業務の効率化にもAIを積極的に活用しています。

また、会社として合理性があり、しっかりと当社の売上や利益に貢献するような会社のM&Aについては、今後も積極的に検討していきたいと考えています。

Q21

コンサル3社のM&Aによって、御社はどう変わっていくのですか?

A21

非常にケイパビリティが増していると感じており、今回の説明会でもご説明したとおり、例えば韓国市場をはじめ、さまざまな領域での展開が活性化していると考えています。

また、この展開を通じて戦略領域の強化が進んでおり、一気通貫した粘着性の高い営業活動を行うことで、本体のエンジニアプラットフォーム事業をさらに成長させることができると考えています。

また、私たちはBtoB企業として、お客さまをグロースさせ、そのグロースした結果生まれる相手方の売上や利益の一部を当社が適切にいただくことで、双方にとってWin-Winな関係を構築していく必要があると考えています。

そのために、当社は責任を持って戦略領域においても企業に貢献し、描かれた戦略を実際に実行し、開発を進めていくというソフトウェアの分野においても、責任を持ってコミットします。

さらに、完成したモノ・コトについては、マーケティングプラットフォームの領域でマーケティング活動への貢献を図ります。また、M&Aを実行して一気に進めた方が早い案件についてはM&Aアドバイザリーが手掛けるなど、BtoB企業としてお客さまの成長を支援する取り組みを今後も徹底的に強化していきたいと考えています。

Q22

今回、エンジニアの採用強化による第3四半期のP/Lへの影響額は採用管理費だけですか? ほかの費用項目、原価への影響があったら教えてください。

A22

基本的には、採用強化が最も影響があると考えています。また、費用項目、原価への影響は特段ないと認識しています。

Q23

クライアントのニーズの強さをどう受け止めていますか?

A23

四半期ベースで特段変わったことはなく、やはり規模の拡大に伴って当社の組織体制強化で多少遅れている部分があると思っています。

この点については、これまでもお伝えしているとおり、営業体制の強化を進めており、徐々に改善してきています。ここが来期以降、さらに業績を伸ばすポイントになると考えています。

Q24

M&Aアドバイザリーの収益貢献が出てくると、業績変動が激しくなってしまうのではないでしょうか? この部分でのプラス面、マイナス面をどのようにお考えでしょうか?

A24

M&Aアドバイザリー領域の売上規模を考慮すると、四半期ベースでは多少のボラティリティが発生する可能性があると思います。この点については、今回のような決算説明会や機関投資家とのIRを通じて、投資家のみなさまの期待値をしっかりコントロールし、株価への対応を進めていきたいと考えています。

ただし、年次ベースで見ると、前年度比では非常にポジティブな状況にあります。まずはYoYで業績を伸ばし、それによって規模を大きくし、その結果ボラティリティが減少すると考えられます。今後は規模の拡大を進め、このボラティリティをなくしていくことを徹底していきたいと考えています。

Q25

今後は、大型案件のM&Aも期待してよいでしょうか?

A25

この点に関しては、本当になんとしても達成していきたいと考えています。案件規模が上がると、当社のEBITDAのマルチプル目線から見ると多少高くなってしまう傾向があります。この点に関しては、常に妥協せずにM&Aを行っています。

例えば、リクルート社がIndeed社を買収したようなチャレンジングなM&Aにも取り組みたいと考えています。案件のデューデリジェンスを細かく行うことで、のれん負けしない、徹底的に将来的に、必ず当社にとってプラスとなる案件をM&Aしていきたいと考えています。

Q26

M&Aのメインターゲットは、エンジニアとコンサルのどちらになりますか? 直近はコンサルばかりM&Aしているようなので気になりました。

A26

基本的にどちらも重視しているのが本音です。エンジニアの領域をおろそかにしているつもりはまったくありません。現在、エンジニアの領域についても非常に積極的に検討を進めており、早くみなさまに結果を提供できるよう努めていきたいと考えています。

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