業務効率化とは?意味・手法・ツールと国内事例を体系的に整理
DX推進ガイド
ペーパーレス化の進め方を5つのステップで解説します。着手前の確認事項から試験運用・全社展開まで、失敗しない導入手順と定着のコツ、国内企業・自治体の事例も紹介します。
・6万名以上のエンジニアネットワークを活用して課題を解決※
・貴社のDX戦略立案から実行・開発までワンストップで支援可能
※エンジニア数は2026年8月期 第1四半期決算説明資料に基づきます。
ペーパーレス化の必要性は理解しているものの、具体的に何から手をつければよいか分からず、着手できていない方は少なくありません。全体像を把握しないまま進めると、現場の混乱や取り組みの形骸化を招くリスクがあります。法対応や業務効率化、テレワーク推進など目的はさまざまですが、順序立てて進めることで、現場への定着率が高まるでしょう。
本記事では、着手前の確認事項、5つの手順、進まない原因、定着のコツ、そして国内企業・自治体の事例まで、実践的な進め方を体系的に解説します。推進担当者として社内提案の根拠を整理したい方や、現場への説明資料を作成したい方にとって、役立てていただける内容をお届けします。

ペーパーレス化に着手する前に、自社の現状を正確に把握しておくことで推進の精度を高めましょう。紙業務の全体像の把握、目的と優先順位の設定、関連法律への対応状況の確認という3点から、事前に整理すべき内容を解説します。準備段階を丁寧に進めることが、推進後の手戻りを防ぐことにつながります。
ペーパーレス化の第一歩は、自社の紙業務の全体像を把握することです。どの部署で、どのような書類が、どの業務に使われているかを一覧化すると、電子化の対象と優先順位を判断する根拠が得られます。
現状を把握せずに進めると、電子化しやすい書類だけに取り組んで、本来効果の大きい業務を見落とすことがあります。各部署へのヒアリングや業務フロー図の確認を通じて、紙の発生源の網羅的な整理が大切です。全体像が可視化されることで、次の目的設定と優先順位付けがスムーズに進みます。書類の発生頻度や保管量も合わせて把握しておくと、費用対効果の試算がしやすくなります。
ペーパーレス化の目的を明確にしておかないと、導入後に「何のためにやったのか」が曖昧になりやすく、定着しないまま終わるリスクがあります。コスト削減なのか、業務効率化なのか、テレワーク推進なのか、目的によって取り組む業務の優先順位は変わります。
目的が定まったら、効果が大きく着手しやすい業務から順に優先順位をつけましょう。全社一斉ではなく、影響範囲の小さい業務からスモールスタートする進め方が、失敗を防ぐ鍵です。経営層と現場が目的・優先順位を共有した状態で進めることが、取り組みの一貫性を保つ条件となります。目的が明文化されていると、社内への説明や合意形成にも役立てられます。
ペーパーレス化を進める前に、電子帳簿保存法やe-文書法などの関連法令への対応状況を確認しておく必要があります。電子帳簿保存法の改正により、電子取引データの電子保存は2024年1月から完全義務化されています。
自社の業種や業務内容によって、どの法律が適用されるかは異なる点に注意が必要です。法的要件を理解した上でルールを整備すると、コンプライアンス上のリスクを防ぎながら推進できます。不明点がある場合は、顧問税理士や弁護士などの専門家へ確認すると安心です。あらかじめ法律面の整理を終えておくことが、後の設計を確かなものにします。法改正の動向も定期的に確認し、ルールを更新する体制を整えておくことも重要です。
ペーパーレス化を効果的に進めるには、段階を踏んだ取り組みが重要です。紙の定量調査から始まり、対象範囲と法的要件の整理、ツール選定と運用ルール設計、試験運用と課題の洗い出し、効果の数値化と全社展開という5つのステップを踏むことで、定着しやすい形で推進できます。
まず取り組むべきなのは、紙の発生源と業務量を定量的に把握することです。どの部署で、どのような書類が、月にどの程度発生しているかを数値で整理すると、優先的に取り組む対象を絞り込む根拠が得られます。
感覚や印象だけで対象を選ぶと、効果の見えにくい業務に労力を費やすことになりかねません。各部署へのヒアリングや紙の使用枚数・保管量の調査を通じて実態を可視化すると、後続ステップの精度を高めます。調査の段階から現場の担当者を巻き込んでおくことで、推進への理解も得やすくなるでしょう。調査結果は一覧表にまとめておくと、優先順位の議論に活用しやすい形になります。
紙の発生源が把握できたら、電子化の対象範囲の絞り込みと法的要件の整理が必要な段階です。契約書・請求書・会議資料・申請書類など、電子化の優先度が高い書類を選定した上で、電子帳簿保存法などの保存要件への対応が必要かどうかを確認します。
法的要件を確認しないまま進めると、後から運用の修正が必要になる事態が生じる可能性があります。対象範囲と法的要件を同時に整理することが、導入後の手戻りを防ぐ条件です。この段階で顧問税理士や専門家への確認を取り入れることで、確実な対応につながります。対象範囲を文書化しておくことで、関係者間の認識のズレも防ぎやすくなります。
対象範囲が決まったら、ツールの選定と並行して進めるべき作業が運用ルールの設計です。書類の保存形式、ファイルの命名規則、アクセス権限の設定方針などを決めておかないと、ツールを導入しても現場ごとに運用がばらつく原因になります。
ツールの選定では、対象業務に必要な機能を軸に絞り込み、操作のしやすさと既存システムとの連携可否を確認します。運用ルールは現場が理解できる言葉でまとめ、ツールの操作方法とセットでドキュメント化しておくことが大切です。この準備が、後の研修や展開をスムーズにする基盤となります。更新のタイミングも事前に定めておくと、長期的な運用の安定につながります。
ツールと運用ルールが整ったら、特定の部署や業務に限定した試験運用が次の段階です。設計段階では見えなかった操作上の問題や、ルールの解釈のズレ、法的要件への対応不備などが、実際の運用で明らかになることがあります。
試験運用中は、現場担当者からのフィードバックを積極的に収集し、ツールの設定や運用ルールを改善します。この段階での課題修正が、全社展開時のトラブルを防ぐ重要な工程です。試験運用の期間は、対象業務の特性や運用状況に応じて十分な期間を確保することが望まれます。試験運用の結果をまとめた報告書を作成しておくと、全社展開の提案資料としても活用できます。
試験運用で実効性が確認できたら、効果を数値で整理した上で全社展開の提案資料を作成します。印刷枚数の削減数、書類検索にかかる時間の変化、コスト削減額などを具体的に示すことが、経営層や他部門への展開を後押しする根拠です。
全社展開の際には、研修とマニュアル整備を通じて、操作方法や運用ルールを統一します。展開後も定期的に利用状況を確認し、改善を続ける仕組みを設けることが、ペーパーレス化を組織に定着させる鍵です。数値化した成果を定期的に社内で共有することで、取り組みへの関心と参加意欲を維持できます。効果の見える化は、次の展開への推進力を生む重要な要素でもあります。
ペーパーレス化は、進め方を誤ると定着しないまま終わることがあります。自社に合った進め方や業務自動化・AI活用を含めた最適な進め方について、無料相談でご相談ください。
RPAだけでは難しかった「判断をともなう業務」も、AIエージェントと既存システムの連携で自動化する時代です。MCPを活用した外部システム連携や、申請→承認→処理→通知までを自律実行する業務フローの設計・開発を、業務委託でのアサイン、または受託開発で対応します。
ペーパーレス化を推進しているにもかかわらず、思うように進まないケースは少なくありません。現場の抵抗感、ITリテラシーの差、推進体制の曖昧さという3つの観点から、よくある原因を整理します。原因を正確に把握することで、的確な対策を立てやすくなります。
長年紙で行ってきた業務を変えることへの抵抗感は、ペーパーレス化が進まない主な要因の一つです。「紙の方が確認しやすい」「トラブルが怖い」といった不安の声が現場から上がることは、決して珍しくありません。
こうした心理的なハードルを下げるには、変化の必要性を丁寧に説明し、小さな成功体験を積み重ねることが有効です。電子化によって業務が楽になったという実感を早い段階で持ってもらうことが、抵抗感の解消につながります。現場の声を丁寧に拾い上げながら進める姿勢が、継続的な推進の土台を固めます。導入前の説明会や個別ヒアリングを設けることも、不安の軽減に有効な手段です。
デジタルツールの操作に不慣れな社員が多い組織では、ペーパーレス化の浸透に時間がかかります。年代や職種によってITリテラシーに差があることを前提としないと、ツールを導入しても使いこなせない状況が続くことになります。
対策としては、操作説明の研修を段階的に実施し、分かりやすいマニュアルを整備することが基本です。少人数でのパイロット導入から始め、習熟した担当者が周囲をサポートできる仕組みを作ることが、組織全体への浸透を着実に進める方法となります。個別サポートの窓口を設けることも、定着を後押しする有効な手段です。ITリテラシーの底上げを意識した育成計画を並行して進めることも重要です。
推進担当者や責任者が明確でないまま進めると、部門ごとに取り組みの温度差が生まれ、全社的な推進が難しくなります。「誰かがやるだろう」という状態が続くと、問題が発生しても対応が遅れ、取り組み全体が止まる事態になりかねません。
経営層が明確な方針を示した上で、専任または兼任の推進担当者を各部署に配置し、横断的な情報共有の場を定期的に設けることが重要です。責任範囲を明確にすることで、現場の担当者も相談先が分かり、取り組みを前に進めやすくなります。推進担当者の活動を経営層が定期的に確認する仕組みを設けることも、推進力を維持する上で欠かせません。
ペーパーレス化は導入して終わりではなく、現場に根付かせることが最終的な目標です。段階的な移行、研修とサポート、推進担当者の明確化、継続的な評価と改善という4つの観点から、定着に向けた具体的な方法を整理します。取り組みを一過性で終わらせないための視点として活用してください。
一度に全社展開しようとすると、現場の負荷が集中し、混乱が生じやすくなります。まず特定の部署や業務で始め、慣れてきた段階で対象を広げる段階的な移行が、定着への現実的なアプローチです。
電子化と紙の併用期間を設けることで、移行の不安を軽減できます。移行スケジュールをあらかじめ示すことで、現場の見通しが立ちやすくなり、準備も整えやすくなります。段階ごとの成果を可視化して共有していくことで、次のステップへの協力も得やすい状態が生まれるでしょう。段階的な進め方は、課題を早期に発見し、改善しながら展開できるという利点も持っています。
ツールを導入するだけでは定着しません。操作方法や運用ルールを理解してもらうための研修と、導入後のサポート体制の整備が欠かせません。初期段階では習熟度の差が現場の混乱につながりやすく、丁寧なフォローが必要です。
研修は一度実施するだけでなく、展開のタイミングごとに繰り返し行うことが効果的です。問い合わせ窓口や社内FAQを整備すると、担当者が不安なく業務を進められる環境が整います。早い段階で習熟した社員を社内サポーターとして活用することも、定着を加速させる方法の一つです。サポート体制の充実が、現場の安心感を生み、取り組みへの参加意欲を高めます。
ペーパーレス化を継続的に推進するには、専任または兼任の推進担当者を明確に設定し、責任範囲を定めておくことが重要です。担当者が決まっていないと、問題が発生した際の対応が遅れ、取り組みが自然消滅してしまうリスクがあります。
推進担当者の役割は、進捗管理、現場からの問い合わせ対応、改善策の検討など多岐にわたります。経営層と連携しながら、各部署の状況を横断的に把握できる立場として機能させることが、組織全体の取り組みを円滑に進めることにつながります。担当者自身の習熟度を高める研修機会も設けることが重要です。責任範囲を明文化しておくことで、担当者も動きやすくなります。
ペーパーレス化の定着には、導入後も定期的に利用状況を評価し、改善を続ける仕組みが必要です。印刷枚数の推移、ツールの利用率、現場からの問い合わせ件数などを指標として設定し、継続的に確認します。
数値で効果を把握すると、経営層への報告にも説得力が生まれます。目標に対して進捗が思わしくない場合は、ルールやツールの見直しと改善策の検討が必要です。利用状況の評価結果を現場に共有すると、取り組みへの関心と参加意欲を維持できます。継続的な改善のサイクルを回すことが、ペーパーレス化を組織に根付かせるための基盤となります。
ペーパーレス化の取り組みは、業種や規模を問わず広がっています。食品メーカーによる伝票処理のペーパーレス化、地方自治体の会議資料削減、オフィス用品・ITサービス企業によるオフィス改革という3つの事例から、導入の背景と成果を確認していきましょう。いずれも対象業務の絞り込みと現場への丁寧な働きかけが、成果を生み出す共通のポイントです。自社の推進計画を検討する際の参考として活用してください。
サッポロビール株式会社は、全国15か所の営業拠点が起票する支払伝票・請求書の処理をペーパーレス化し、経理業務の効率化を実現しました。電子帳簿保存法のスキャナ保存制度に対応し、専用スキャナ「fi-7160」を全拠点に配置して請求書をデジタル化、ワークフローシステムと連携する形で2022年1月から本格運用を開始しています。
紙の時代は月に段ボール20〜30箱分の書類を本社に配送・保管していましたが、電子化によって配送・保管にかかるコストは年間約415万円削減されました。伝票処理の工数も年間3,300時間の削減を実現し、テレワーク中でも起票・承認が可能な環境が整っています。電子化以前の課題だった支払処理漏れのリスクもほぼ解消され、内部統制の面でも効果が出ています。
出典参照:全国規模の営業活動で発生する伝票処理をペーパーレス化し、経理業務を円滑に|PFU(株式会社PFU)
青森県弘前市役所は、幹部会議のペーパーレス化を目的として、2016年度にMetaMoJi Share for Businessを導入しました。月2回、延べ50人規模で開催される課長クラスおよび部長クラスの幹部会議の資料を、Surface Proを活用してデジタル化しています。
導入翌年度には、会議資料の紙が約14,000枚、紙代とトナー代で約142,000円の削減を実現しました。毎回3時間程度かかっていた資料の集約・印刷・製本作業がほぼ不要となり、事務局職員の残業削減にもつながっています。その後は財政関連の予算編成や人事異動の内示説明など、幹部会議以外の場面にも活用が広がりました。発表者の操作が全員の画面に同期される機能が好評で、会議の進行効率と資料の質も向上しています。
出典参照:幹部会議のペーパーレス化を実現して紙の使用量とコストを削減、情報共有やプレゼンにも活用|MetaMoJi Share for Business(株式会社MetaMoJi)
コニカミノルタビズコム株式会社は、新しいワークスタイルを実証するために、フリーアドレスとペーパーストックレスを組み合わせたオフィス改革を推進しました。書類を電子化して紙での保管を削減するペーパーストックレスの取り組みでは、1フロア106名の組織で300fmの書類削減を実現しています。
300fmは東京タワー約1本分、ファイルキャビネット約56台分に相当する量です。フリーアドレスの導入によって生み出されたスペースは会議室やミーティングスペースに転用され、社員同士のコミュニケーション活性化にもつながっています。書類削減を入り口として、働き方そのものの変革につなげた点がこの事例の特徴であり、「書類を減らすことが目的ではなく生産性向上が目的」という考え方が取り組みの根底にありました。
出典参照:オフィス改革に関する取組事例(コニカミノルタビズコム株式会社・コニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社)|総務省
事例を参考にするだけでなく、自社の業務に合わせた進め方を考えることが成果につながります。業務自動化やAI導入を含めた最適な改善方法について、無料相談でサポートします。
RPAだけでは難しかった「判断をともなう業務」も、AIエージェントと既存システムの連携で自動化する時代です。MCPを活用した外部システム連携や、申請→承認→処理→通知までを自律実行する業務フローの設計・開発を、業務委託でのアサイン、または受託開発で対応します。

ペーパーレス化を効果的に進めるには、紙業務の全体像の把握と目的の明確化から始め、5つのステップを順序立てて進めることが重要です。現場の抵抗感やITリテラシーの差、推進体制の曖昧さといった課題は、段階的な移行と丁寧なサポートで乗り越えられます。
サッポロビールや弘前市、コニカミノルタビズコムの事例からも分かるように、目的と対象を明確にした上で取り組むことが、成果につながる重要な要因です。ペーパーレス化は、法令対応やコスト削減だけでなく、DX推進や働き方改革の土台としても機能します。対象業務の絞り込みと社内ルール整備から着手し、現場に定着する仕組みを着実に構築していきましょう。
株式会社TWOSTONE&Sonsグループでは
60,000人を超える
人材にご登録いただいており、
ITコンサルタント、エンジニア、マーケターを中心に幅広いご支援が可能です。
豊富な人材データベースと創業から培ってきた豊富な実績で貴社のIT/DX関連の課題を解決いたします。
幅広い支援が可能ですので、
ぜひお気軽にご相談ください!