2024年8月期 第1四半期決算説明動画書き起こし
2024.01.16
2024年1月12日に発表された、株式会社TWOSTONE&Sons(旧社名:Branding Engineer)2024年8月期 第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
河端保志(以下、河端):みなさま、こんばんは。株式会社TWOSTONE&Sons代表取締役CEOの河端です。本日はお忙しい中、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。うれしい限りです。
今回、2024年8月期第1四半期について私からご説明します。本日の流れとしては、スライドに載っている順序でご説明します。この資料は、会社のホームページのIRページにアップされていますので、あわせてご確認いただけますと幸いです。
2024年8月期の注力ポイントとその進捗です。2024年8月期は「積極的な採用投資の継続」「既存事業の成長および積極的なM&Aの計画実施」「ガバナンス強化」の3点を注力ポイントとして掲げています。
1点目は「積極的な採用投資の継続」です。第1四半期は、中核事業の幹部人材や営業人材を非常に積極的に採用しました。グループ全体の組織力、営業力の底上げを実施し、上流案件開拓のためのコンサル人材の採用も強化しました。その結果、外資系のコンサルティング系の出身の人材を多く獲得することができました。
このように案件拡大を図るとともに、売上および利益単価の向上を狙っていきます。
2点目は「既存事業の成長および積極的なM&Aの計画実施」です。M&Aの現況ですが、第1四半期ではM&Aの実行はなかったものの、M&Aの検討数は前年同期比89.5パーセント増となりました。案件数が増えているため、焦らず十分に厳選し、当グループの拡大につながるような企業を確実にM&Aしていきたいと考えています。
また、本日開示したとおり、2024年2月にMapleSystems社のM&Aを予定しています。このように、今勢いのある企業を確実にM&Aしながら、グループ拡大を図っていきます。
既存事業に関しては、エンジニア稼働数が前年同期比で38パーセント増と順調にオーガニックも推移しています。2023年12月に「Midworks」の新拠点を名古屋、福岡に設立しました。足元では、こちらの2拠点は非常に好調です。
より一層加速するフリーランスエンジニアの需要に応えるべく、拠点を拡大し、エンジニアマッチング事業のマーケット拡大を図っていきます。
3点目は「ガバナンス強化」です。これまでにM&Aを行ってきた企業に対してのPMIを継続しています。グループ企業数が増えたため、グループ間の人材交流やクライアント企業のクロスセルなどの連携をより一層強化し、機会創出を行っていきます。
第1四半期の業績に関してご説明します。今回の売上は、32億1,900万円で着地しました。前年比9億7,700万円増となり、売上・売上総利益ともに13四半期連続で最高値の更新となりました。
2024年8月期もこれまでのように、第1四半期から中長期の事業拡大を見据えた戦略投資を実行しており、今回も過去最大規模となりました。
具体的には、第1四半期では、幹部人材や営業人材を中心とした積極的な採用投資を実行しました。今回、主に採用投資を行った人材に関して、中長期で売上につなげられるような人材ですので、今後に期待していただければと思います。
これにより、今回の採用投資額は前年比48.3パーセント増となりました。しかしながら、こちらは主にエージェント費用であり、変動費のため、後々の利益にいろいろと還元できると思っています。
また、積極投資の結果として、販管費は前年比2億8,000万円増となったものの、営業利益は前年を上回り5,900万円で着地しました。この第1四半期も十分な利益を残しながら、未来への大きな投資ができたと評価しています。
第2四半期も積極的な採用投資を継続するとともに、新たに進出した名古屋、福岡の拠点拡大に注力していきます。このように、グループ全体の組織力の底上げを図り、中期的な事業拡大につなげていきたいと考えています。
2024年8月期第2四半期の見通しについてです。第2四半期以降も、中長期的な成長を見据えた成長投資を継続していきます。2024年8月期は、2023年8月期に注力した営業人材の採用に加え、中核事業の幹部人材やグループ企業におけるコンサル人材の積極的な採用を計画しています。
獲得したコンサル人材が上流案件を開拓し、グループ全体で一気通貫の営業体制を構築することで、売上利益の単価向上を実現していきたいと考えています。
また、2024年2月には新たに、MapleSystems社をM&Aする予定です。こちらのMapleSystems社の売上・利益は、第3四半期から連結予定となっています。
この内製化したM&A体制によって、第1四半期でのM&Aの検討数は前期比89.5パーセント増と大幅に増加しました。2024年8月期に関しても既存事業の確実な成長と、M&Aによる非連続的な成長を組み合わせることで、今後も飛躍的な成長をしていきたいと考えています。
当社はM&Aの検討数も含めて、実施数も上場企業の市場の中でも非常に積極的に取り組めている会社だと思っているため、引き続き注力していきたいと思っています。
四半期ごとの業績をより具体的にご説明します。スライドは財務数値の前年比較になります。四半期売上高は、前年比で43.6パーセント成長の32億1,900万円となり、売上総利益に関しても前年比48.7パーセント成長の8億8,600万円となりました。
第1四半期では、採用投資を中心に戦略的な先行投資を実行したものの、事業拡大の結果、営業利益も前年比20.5パーセント成長となりました。
純利益が前年比で減少していますが、これはグループ会社において戦略的な採用投資の先行や、のれんの償却費増加により、法人税などの金額に影響があったことが要因です。事業の進捗にはまったく問題はないため、ご安心ください。
調整後営業利益に関してです。積極的な成長投資の結果として、販管費は大幅に増加しました。
しかし、営業利益、EBITDAともに成長しており、減価償却費やのれんの償却額を控除したEBITDAに関しては、前年比で48.6パーセント増と成長しています。
このように、積極的な投資を行いつつも、着実に利益を残すという点では、これまでと同様に第1四半期も評価できる結果となったと考えています。
通期業績予想に対する第1四半期の進捗率です。第1四半期は、売上・利益ともに期初想定どおりの進捗となっています。
2024年8月期は、第1四半期からグループ全体の営業体制強化のための採用投資を積極的に推進しており、ここで採用した人材が下半期以降の売上・利益に貢献していくことを計画しています。
また当社は、ストック型の積上ビジネスモデルになります。第2四半期以降もストック型ビジネスの強みを活かした、売上高および売上総利益の毎四半期の継続的な成長を計画しています。そのため、第1四半期の売上の計画が、すでに約25パーセントに達していることは、非常によい進捗状況だと考えています。
四半期ごとの業績推移です。四半期売上高は32億円を突破し、売上・売上総利益ともに13四半期連続で過去最高値を記録しています。
販管費の前年比較です。第1四半期から積極的な投資を行った結果、販管費の総額は、前年比2億8,000万円増と、大幅に増加しました。第1四半期は、積極的な採用投資を行った前年をさらに上回る投資を実行しています。
採用関連費は、前年比48.6パーセント増となりました。これは営業人材だけでなく、幹部人材や上流案件獲得のためのコンサル人材の採用を実行した結果です。現状、グループ体制をかなり強化しています。下期、また来年以降に向けて、非常に期待できるような採用を実施できており、足元は非常に順調だと考えています。
販管費の推移です。上場以来、中長期の成長を見据えた積極的な投資を継続して実行しています。第1四半期は、前期を上回る過去最大の投資を実行しています。具体的には、グループ営業体制強化のための採用投資と広告投資になります。先ほどもお伝えしたように、第1四半期に採用した幹部人材・営業人材が、下半期以降の成長をけん引していく計画です。
新たにM&Aした企業に関してご説明します。先ほども簡単に触れましたが、2024年2月にMapleSystems社のM&Aを予定しています。
今回のMapleSystems社とのM&Aによって想定されるシナジーです。MapleSystems社は、正社員エンジニアの採用を得意としている企業です。この採用力と知見が当グループに加わることで、グループ全体として正社員エンジニアの採用に関する基盤構築が実現すると考えています。
これまでにM&Aした企業の知見によって、正社員エンジニア採用は強化されてきましたが、MapleSystems社によってさらに正社員エンジニアが増えることで、当グループが得意としてきたフリーランスエンジニアと組み合わせた、チームでの提案機会が増加すると考えています。
チームでの提案が増えることで、営業案件の増加や案件単価の上昇などさまざまなメリットを得ることが可能になるため、当グループの成長に大きく貢献することを期待しています。
また、MapleSystems社の創設者である現社長は、今後もMapleSystems社の社長としてこのまま残り業績貢献にコミットしていただく予定です。非常に優秀な方ですので、幹部採用で採用した方々と同じく、今後の活躍を非常に楽しみに思っています。
セグメント別の売上高推移です。「Midworks」を中心としたエンジニアプラットフォームサービスが、今回も全社売上高をけん引しました。第1四半期の全社売上高は、前年比で43.6パーセント増となっています。
「Midworks」についてです。既存事業の伸長やM&Aによって、四半期売上高は28億100万円、前年同期比46.4パーセント増と過去最高を継続しました。また、戦略的にコンサル人材の採用投資を進めた結果、事業利益は前年同期比3.0パーセント増となりました。
今後の戦略として、獲得したコンサル人材による上流案件の開拓により、売上・利益の単価向上を図るとともに、下期以降の売上・利益の増加を計画しています。
現在積極的な投資を行っているグループ会社のYellowstone Consulting社についてです。Yellowstone Consulting社は、DX・CXの企画構想から推進に関するプロジェクトのタスクを一気通貫でサポートし、単一のプロジェクト推進にとどまらず、恒常的な施策の実現に向けて自走できる組織にするべく人材を育成するサービスです。
詳しい内容は後ほどご覧いただければと思いますが、2023年8月期第4四半期から事業開始後、垂直立ち上げを実行しています。第2四半期以降でさらに業績を拡大すべく、コンサルタントの採用を強めていきます。
エンジニア稼働数、並びに登録者数です。連結のエンジニア稼働数は、前四半期から継続して過去最高を更新しています。同様にエンジニア登録者数も堅調に推移しており、ついに4万人を突破しました。
第2四半期以降のエンジニア稼働数の大幅な増加を狙い、営業体制強化のための社員教育や、グループ間の連携強化を計画し、中期的な成長につなげていきます。
2024年8月期の方針です。冒頭でも触れたように、主にスライドに記載の3つを注力ポイントとして掲げています。
1点目は「積極的な採用投資の継続」です。2023年8月期に引き続き、採用関連投資とエンジニア獲得の広告投資を中心に、積極的な成長投資を計画しています。
採用面に関しては、幹部候補となる外部人材の採用に積極的な投資を進めることで、安定的な組織体制を構築していきます。また、営業人材の採用も引き続き実施し、営業力強化に取り組むことで、グループ全体での売上成長を図っていきます。
2点目は「既存事業の成長に加えた積極的なM&Aの計画実施」です。2024年8月期も引き続き、積極的にM&Aを検討していきます。また、来月にMapleSystems社がM&Aできることもありますが、まだまだ引き続き進めていこうと考えています。
3点目は「ガバナンス強化」です。当グループは2023年6月にホールディングス体制へと移行しました。今後M&Aによってさらに増えてくることが予想されるグループ会社に対し、グループへのオンボーディング速度を高めるべく、機動的な管理体制の構築を図ります。
それぞれに関する進捗と今後の方針をご説明します。まずは積極的な採用投資についてです。主力事業である「Midworks」を中心に、積極的な採用を継続しています。引き続き、幹部人材採用へも投資を実施し、各子会社の柱となる人材を確保します。
第1四半期は、グループ全体で15名の営業人材を採用しました。既存顧客への対応のみならず、新規開拓に向けた営業行動数を担保していきます。また、新入社員のみならず、営業人材全体に対しての定性的な行動、研修を実施し、営業組織の全体的なレベルアップを実現していきます。
幹部人材に関しては、グループ全体で4名の採用を実現しました。各子会社、各事業部のけん引に期待しています。
さらに、業績拡大に伴い、渋谷のサテライトオフィスを増床するとともに、名古屋・福岡に新拠点を設立しています。それぞれの拠点への進出の狙いは次のページでご説明します。
先ほども簡単にご説明したように、主力事業の「Midworks」において、新たに名古屋・福岡で拠点を立ち上げています。
名古屋では従来よりトヨタ社を代表とする自動車メーカーなどの製造業が盛んで、愛知県全体でDXを推進しているという背景があります。しかし、現時点で約7万名のIT人材が不足しており、当社が貢献できることはかなりあるのではないかと考え、進出に至りました。
福岡に関しても、もともと第3次産業が盛んな都市として有名でした。コロナ禍で少し落ち込んでいたものの、直近ではインバウンド需要回復などが盛り上がりを見せています。それらをきっかけに、県全体でデジタル社会の実現を目指していますが、DXの取り組みに関してはまだ遅れているのが現実で、名古屋と同様に当社が貢献できると考えています。
このように、日本全国で拡大していくであろうフリーランスエンジニアの需要に応えるべく、「Midworks」は今年から4拠点体制で商圏拡大を目指していきます。足元は非常に好調で、下半期・来年以降、数字に大きく影響してくる見込みです。
Yellowstone Consulting社への積極的な投資に関してです。先ほどもお話ししたように、上流工程からの案件獲得に向けて、Yellowstone Consulting社への積極的な投資を行っています。
第1四半期では、新たに2名の外資系戦略コンサルティングファーム出身者の採用を実現しています。これまでに採用してきたそれぞれの領域に特化したスペシャリストを配置したチーム体制を構築し、グループ全体の売上拡大に貢献していきます。
スライドの右図のように、Yellowstone Consulting社がさらに強化されることにより、戦略策定から開発現場までの一気通貫型支援を強化することが、可能となります。この体制は、さまざまな分野でのソリューションを提供している当グループならではの強みであり、他社にはなかなか真似できない支援体制が実現します。
M&Aの進捗です。戦略的なM&Aを実行できるチーム体制を確立させたことで、前年同期比で案件検討数が89.5パーセント増となりました。
市場でも大きく成長し続けている上場企業に共通していることは、M&Aが上手かどうかだと考えており、非常に大事になってきていると思っています。当社では、今回MapleSystems社のM&Aが進んでいますが、第2四半期以降もさらなるM&Aの実現に向けて、着実に進捗していると考えています。
M&A戦略についてです。これまでの決算説明会でもお話ししてきましたが、重要な内容ですので、あらためてご説明します。
当社では、M&Aは飛躍的な成長を遂げるための重要なファクターの1つであると捉えています。そのため、これまでに行ったM&Aのように、当社が展開するエンジニアプラットフォーム事業の周辺領域を中心に戦略的なM&Aを実行していきたいと考えています。
主にスライドに記載の3つの効果についてご説明します。1つ目はノウハウを活用した相互成長です。当社はエンジニアの集客力とマッチング力を得意としているため、当社が集客をしたエンジニアを買収先の企業が保有する案件へとマッチングすることで相互に成長できると考えています。
2つ目は事業領域の拡大です。当社とM&Aの相手企業がお互いに得意とする業界や商流をクロスセルさせることで、お互いに未開拓であった領域へと事業を展開することができ、それにより相互成長できると考えています。
3つ目はリソースの拡大です。M&Aの相手企業の保有するエンジニアデータベースを活用することができるようになることで、当社グループ全体としてのエンジニアリソースの拡大が見込め、結果としてグループ全体の売上拡大につなげられると考えています。
このように積極的なM&Aを実行していくことで、当グループの飛躍的な成長につなげていきたいと考えています。
M&Aのターゲット戦略として、スライドに記載のような戦略を考えています。
まず、ターゲットを得意分野に限定することです。当グループの集客力とマッチング力を活用できる企業を中心にM&Aを実行し、事業領域の拡大やリソースの拡大を狙います。
次に、のれん負けしない企業をM&Aすることです。適切にEBITDAの目標を設定し、のれん期間を的確に定めることで、のれん負けしないM&A体制を構築します。スライドの左図に示しているように、のれん償却後利益が赤字となるような企業は検討しません。
そして、これまでの知見を活かした確度の高いPMIを実施することです。エンジニア単価の適正判断や当グループのクライアントとの親和性、内勤社員の強化など、当グループがこれまでに培ってきた知見を活かしたPMIを実施していきます。
これまでの実績として、M&Aを実施した会社のPMIは非常にうまくいっているため、今後も引き続きこちらを進めていきたいと考えています。
これまでの内容を踏まえ、当グループとしては既存事業の連続的な成長とM&Aや新規事業による非連続的な成長を組み合わせることで、中長期にグループ全体での成長を達成していきたいと考えています。
以上が2024年8月期第1四半期決算説明会の発表内容となります。30ページ以降には、ESGの取り組みや補足情報などを記載しているため、ご一読いただけますと幸いです。
本日はありがとうございました。
本記事の内容はログミーファイナンスでも掲載しております。
【QAあり】TWOSTONE&Sons、売上・売上総利益ともに13四半期連続で最高値更新 1Qは過去最大の戦略投資を実行
本記事で表示している資料に関しましては、下記資料をご確認ください。
2024年8月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2024年8月期 第1四半期決算説明資料
2024年8月期 第1四半期決算説明動画については下記記事をご確認ください。
2024年8月期 第1四半期決算説明動画公開のお知らせ
2024年8月期 第1四半期決算説明会 質疑応答については下記記事をご確認ください。
2024年8月期 第1四半期決算説明会 質疑応答