不動産DXとは?導入のメリットやデメリットを成功事例とあわせて解説
不動産・建設DX
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「施工管理システムを入れたのに、現場は今も日報をExcelにも入力している」「工事台帳や請求は結局、事務所で打ち直している」。施工管理システムを導入した建設会社で、よく聞く声です。
原因は、施工管理システムの機能が足りないことではありません。日報、工事台帳、請求といった業務と業務のあいだに、どの製品も受け持っていないすき間があり、そこを人が転記で埋めていることにあります。
本記事では、建設業でのkintoneの使われ方と事例を整理したうえで、今の施工管理システムを残したまま、すき間をkintoneと連携で埋めて二重入力をなくす手順を解説します。すき間を洗い出すシートも用意しましたので、参考にしてください。
kintone(キントーン)は、サイボウズが提供する業務アプリを自分たちで作れるクラウドサービスです。プログラムを書かずに、入力画面・一覧・集計・承認の流れを作れます。
建設業は、会社ごと、工種ごとに仕事の進め方が違います。市販の製品に業務を合わせきれない部分が出やすく、そこを自社に合わせて作れる点が、建設業で使われる理由です。サイボウズも建設業向けのページを設け、作業日報、案件管理、実行予算管理、人員配置などの使い方を紹介しています。
| コース | 1ユーザーの月額(税抜) | 最低の契約人数 | 外部の仕組みとの連携 |
| ライト | 1,000円 | 10ユーザー | できない |
| スタンダード | 1,800円 | 10ユーザー | できる(API・プラグイン) |
| ワイド | 3,000円 | 1,000ユーザー | できる |
注意したいのは、ライトコースでは外部の仕組みとの連携やプラグインが使えない点です。施工管理システムや会計ソフトとつなぐことを考えるなら、スタンダードコースが前提になります。10ユーザーで月18,000円からです。
サイボウズは、建設業向けのサンプルアプリを15種類公開しています。建設作業日報、建設工事日報、案件管理、現場発注管理、外注先管理、資格管理、ヒヤリハット集などです。契約中のkintoneに追加して、自社の項目に直して使えます。
kintoneで成果を出している建設会社の例を、サイボウズの公式事例から紹介します。
| 会社 | 取り組み | 公表されている効果 |
| 株式会社後藤組(山形県米沢市、総合建設) | 手書きとFAXだった日報、申請、案件管理、採用管理をkintoneに移した。アプリは社員が自分たちで作っている | 残業時間が20%減、営業利益が44%増 |
| 日本エンジニアリング株式会社(設備・プラント) | 申請と承認をkintoneで行い、承認されたデータだけを工事台帳に反映。会計ソフトと勘定科目の単位で連携 | 工事原価を年4,000万円削減、納期を30%短縮、残業を年5,000時間削減 |
2社に共通するのは、製品を1つ入れて終わりにせず、自社の仕事の流れに合わせて、入力から台帳・会計までがつながる形を作っている点です。
関連記事:【事例から考える】建設DXの成功例・失敗例の共通点とは

建設業の施工管理アプリの利用率は42%まで上がっています(MM総研、2025年12月)。一方で、導入した後の実態を調べた調査は、別の姿を示しています。
参考:PR TIMES|施工管理のDXはなぜ進まない?(現場TECH)
参考:PR TIMES|建設関連システムの部分導入による「管理の分断」に関する実態調査(Archi Village)
二重入力が残るのは、製品ごとに受け持つ範囲が決まっているからです。施工管理システムは工程・写真・図面・現場との連絡を受け持ちます。原価管理ソフトは工事台帳を、会計ソフトは仕訳と支払を受け持ちます。
ところが、日報の人工を工事台帳の労務費にする、注文の金額を原価に入れる、出来高を請求と突き合わせる、といった業務は、製品と製品のあいだにあります。どの製品も受け持っていないため、人がExcelで受け止め、打ち直すことになります。
足りないのは新しい製品ではなく、製品と製品のあいだをつなぐことです。
※入稿時:ここに「二重入力のすき間 洗い出しシート」のダウンロードバナーを設置
関連記事:建設DXで活用される施工管理システムとは?クラウド型との違いや選定ポイントを解説
kintoneは、施工管理システムの代わりではありません。写真の整理や図面への書き込みは、専用の施工管理システムの方が向いています。kintoneは、どの製品にも入力する場所がない情報を受け止める場所として使います。
| 道具 | 向いている仕事 | 向いていない仕事 |
| 施工管理システム | 工程表、現場の写真、図面、検査、協力会社との連絡 | 自社独自の工事台帳、社内の申請、請求の照合 |
| 原価管理ソフト | 実行予算、工事台帳、工事別の原価集計 | 現場での入力、日々の進み具合の共有 |
| 会計ソフト | 仕訳、支払、決算 | 工事ごとの途中経過の把握 |
| kintone | どの製品にも入力する場所がない情報、承認の流れ、製品をまたぐ一覧 | 明細が大量にある計算、写真や図面の専用機能 |
すき間を埋める前に、どこにすき間があるかを書き出します。製品を選び直す必要はありません。
工事の登録、工程、日報、発注、工事台帳、請求書、会計の順に、使っている道具(製品、Excel、紙)と入力している人を書き出します。あわせて、その道具からデータを出せるか(CSV、API、出せない)を確認します。ここが後の埋め方を決めます。
工事番号、契約金額、日報の人工、注文金額、出来高、請求金額といった情報ごとに、入力している道具に印を付けます。印が2つ以上ある情報が二重入力です。先のArchi Villageの調査では、同じ情報を3つ以上のシステムに入力している会社も20.6%ありました。
道具から道具へ人が写している作業を1行ずつ書き、頻度と1回あたりの時間を入れます。月の合計時間が大きいもの、間違えたときの影響が大きいものから手を付けます。
時間が大きくなりやすいのは、日報の人工を集計して工事台帳に入れる作業、注文書の金額を原価に入れる作業、協力会社の請求書を照合して入力する作業です。
書き出したすき間は、全てをシステムでつなぐ必要はありません。次の基準で埋め方を分けます。
| 確認すること | 当てはまる場合の埋め方 |
| 誰も見ていない表への転記ではないか | やめる |
| 元の情報を入力する場所がどの製品にもなく、Excelや紙で持っている | kintoneで入力する場所を1つ作る |
| 元の情報が紙やPDFで社外から届く(見積書、請求書、納品書) | AI-OCRで読み取り、突き合わせまで自動にする |
| 写す元と写す先の両方が、CSVやAPIでデータを出し入れできる | 連携でつなぐ |
| 月に1時間もかからず、間違えても影響が小さい | そのままにする |
サイボウズも、開発者向けの解説で、連携するデータが少ない場合はまず画面での手作業を検討するよう勧めています。つなぐこと自体を目的にしないことが大切です。
参考:cybozu developer network|kintoneと外部システムの連携方法と選び方のポイント
連携でつなぐ場合は、先に2つのことを決めます。1つは、その情報の「正」をどの道具に置くかです。工事の基本情報は原価管理ソフト、工程は施工管理システム、というように決めます。もう1つは、工事番号を全ての道具で共通にすることです。番号が揃っていないと、つないでも集計が合いません。

| 方法 | 内容 | 向いている場面 |
| 画面での転記 | 人が画面を見て入力する | 月に数十件までの少量のデータ |
| CSVの出し入れ | 片方からCSVで出し、もう片方に取り込む。決まった時刻に自動で動かすこともできる | 日次・週次でまとめて渡せるデータ |
| 連携の製品・RPA | 連携用のサービスや、画面操作を自動で行うRPAを使う | 相手の製品にAPIがない場合、複数の製品をつなぐ場合 |
| 個別の開発 | APIを使って自社用の連携を作る | 件数が多い、すぐに反映したい、項目の変換が複雑な場合 |
どの方法が使えるかは、施工管理システムの側で決まります。たとえばANDPADは、2023年6月から「ANDPAD API連携」を提供しています。公表されている連携の対象は、案件、工程表、資料、受発注などです。利用するにはANDPAD本体とは別にAPI連携の契約が必要で、つなぐ相手の仕組みの側でも開発が必要になります。
ダンドリワークは、API連携の実績がある製品の一覧を公開しており、その中にkintoneが含まれています。一方で、外部との連携を公開していない製品もあります。
日報のデータを取り出せるかどうかは製品によって異なります。公表されている連携の対象に日報が含まれていない製品もあるため、契約中の製品の提供会社に確認してください。
参考:アンドパッド|「ANDPAD API連携」の提供を開始
施工管理システムとkintoneを併用している会社の公開事例では、RPAでつないでいる例が見られます。
RPAは早く始められる一方、画面の変更で止まりやすい弱点があります。件数が増えてきたら、CSVやAPIでの連携に切り替えることを考えます。
関連記事:データ連携を効率化するiPaaSとは?データ活用で業務の簡素化を実現
関連記事:ERP連携で解決する課題とは|効率的なステップや注意点を解説
kintoneは何でも作れるわけではありません。サイボウズが公開している制限のうち、建設業で当たりやすいものを挙げます。
自社の請求書や注文書の様式で印刷したい場合や、複数のアプリをまたいで集計したい場合は、プラグインや連携サービスを足すことになります。こうした部分は、最初に開発会社と範囲を決めておくと、後からの作り直しを防げます。
関連記事:n8n×kintoneで会社情報調査を自動化!設定手順とコツ解説

道具から入ると定着しないのは、建設業に限りません。当社が従業員300名以上の企業でAI・DXの推進を担う責任者111名に行った調査では、91.9%が社内主導のプロジェクトの停滞や頓挫を経験していました。自社だけでは難しい領域として最も多く挙がったのは「戦略・活用構想の設計」(58.6%)で、「実装・開発」(47.7%)を上回っています。何をどこにつなぐかを決める部分が、最も難しいということです。
参考:TWOSTONE&Sons|企業のAI内製化に関する「限界」の実態調査
関連記事:システム内製化が失敗する7つの理由と対策・成功に導くポイントを解説
ここまでの手順をそのまま進められるExcelのテンプレートを用意しました。次の5つのシートで構成しています。
集計のシートで、「そのまま」「やめる」を除いた時間が、すき間を埋めることで減らせる時間の上限です。この時間が小さければ、無理につなぐ必要はありません。
日報や案件管理が中心の会社であれば、kintoneだけで足りる場合もあります。ただし、工程表、写真の整理、図面への書き込み、協力会社との連絡は、専用の施工管理システムの方が向いています。すでに施工管理システムを使っている会社は、置き換えるより、足りない部分をkintoneで補う方が現場の負担が小さくなります。
日報や申請のように、入力して一覧で見るだけのアプリは自社で作れます。後藤組は、社員が自分たちでアプリを作っています。一方、施工管理システムや会計ソフトとの連携、自社の様式での帳票、複数のアプリをまたぐ集計は、開発の知識が必要になります。自社で作る部分と頼む部分を分けて考えてください。
作れます。日本エンジニアリングは、承認されたデータだけを工事台帳に反映する形で運用しています。ただし、すでに原価管理ソフトを使っている場合は、kintoneで作り直すのではなく、kintoneで受けた日報や注文のデータを原価管理ソフトに渡す形の方が、二重管理を増やさずに済みます。
kintoneの利用料は、スタンダードコースで1ユーザー月1,800円(10ユーザーから)です。連携の開発費用は、つなぐ道具の数と、相手の製品がデータを出せる方法によって変わります。先にすき間を洗い出し、月の転記時間が大きいものに絞ってから見積を取ると、費用と効果を比べやすくなります。
関連記事:建設DXでSaaSを導入するメリットとは?代表的なサービスや選定ポイントを解説
施工管理システムを入れたのにExcelが減らない、日報と工事台帳を別々に入力している、kintoneを入れたが他の製品とつながっていない、といったお悩みがあれば、『株式会社 TWOSTONE&Sons』にご相談ください。
当社は、kintoneや特定の施工管理システムを販売する会社ではありません。今お使いの製品を残したまま、すき間を洗い出し、kintoneで作る部分、連携でつなぐ部分、そのままにする部分を分けるところから一緒に進めます。自社でアプリを作りたい会社には、作り方を伴走して支援することも、連携の開発だけを引き受けることも可能です。
ご相談では、洗い出しシートを見ながら、「どこをkintoneで埋め、どこを連携で埋めるか」を一緒に決めます。シートを埋めきれていない段階でも構いません。お気軽にお問い合わせください。
施工管理システムを入れても二重入力が残るのは、機能が足りないからではなく、日報・工事台帳・請求のあいだに、どの製品も受け持っていないすき間があるからです。kintoneは、そのすき間で入力する場所を作るのに向いています。
まず、同じ情報をどこに入力しているかを書き出し、時間の大きいすき間を1つ選びます。そのうえで、kintoneで作るか、連携でつなぐか、そのままにするかを決めてください。製品を入れ替えなくても、二重入力は減らせます。
株式会社TWOSTONE&Sonsグループでは
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